まあ、その、いろいろ #80 | 御在所岳 ④ （かとう）

ある日、テレビをつけたら、俳優の本上まなみが『御在所岳』に登っていた。山登りが趣味だという彼女が数ある山の中で１番の『絶景』と選んだのが、この御在所岳の景色だった（山頂ではなく途中の見晴らし台）。

昨晩泊まったサウナがある四日市の市街地を眼下に、向こうには伊勢湾が見える。東北や関東、八ヶ岳や南アルプスとはまた違った景色。

一丁前に「山に登る理由」を聞かれることがあるのだけれど、やはりこの「絶景」がなんといっても大きな理由の１つだと思う。車では入れない道だったり、自分の手と足でよじ登らないと見えなかったりするのがまたいい。音や風、草木の匂いなどを全身で感じながら、カメラのレンズをも超越した人間の『目』というレンズで見る景色は、映画や写真集では替えられない。
乾いたスポンジがたくさんの水を吸うように、ぼくはその場に立って全身で息を整える。

その時、体を打つ脈の感じとかを、ひそかにひとり楽しんでいたりする。

下山。帰りは少しだけハードな岩山を一気に降っていく。

御在所岳の登山口がある『菰野（こもの）町』は『湯の山温泉』と呼ばれる温泉地。たくさんの宿泊地、日帰り温泉があるので、温泉で全身の疲れをその日のうちに落として帰ったとさ。

おしまい。

まあ、その、いろいろ。

泣いても笑っても10分。

PARK GALLERY
ディレクター・加藤 淳也
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