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汽水域 #01 | 2024.8.6 午後 9:35 ー 阿部朋未

これはある意味独り言といいますか、それでいて写真はこれからまだまだ撮るところなのですが⋯。

どんな展示にしたいかと考えた時に、もちろん今井さんとふたりで力を合わせて良い展示にしたいと思っているのですが、じゃあ「良い展示」や「良い写真」ってなんだろうと考えたんですね。

これまでの打ち合わせでも上がっているように、田舎と都会を行き来して見えてくるものや、そのどちらにも少なからずモヤモヤやジレンマがあるのは事実で、それを感じているのは自分だけではないとも思っています。それをどのように撮ろうか、今まさに考えあぐねているところです。

そんな中、昨年の個展を経て気づいたのは、個展の展示作品の舞台である京都や東京、そして石巻、そのどこに居ようが、良くも悪くも「自分は自分でしかない」ということでした。それに気づけた瞬間、少し大丈夫になれた気がします。

自分の写真には力がある、なんて烏滸(おこ)がましいことは言えないですが、でもわざわざ足を運んで実際に展示を見てくれた人に何ができるかと考えた時に、

「何かを与えるよりも、出身や住んでいる場所がどこであろうが、その人(鑑賞者)が自身のそのままを少しでも受け入れていいと思える」

ような展示にしたい、と思いました。

これからどう変化していくかは未知数ですが、今回の私個人の制作における1本の筋、もといヒントとしてこの文章を今書き残しておきたいと思います。

阿部朋未

阿部朋未(アベトモミ)
1994年宮城県石巻市生まれ。
尚美ミュージックカレッジ専門学校在学中にカメラを持ち始め、主にロックバンドやシンガーソングライターのライブ撮影を行う。同時期に写真店のワークショップで手にした"写ルンです"がきっかけで始めた、35mm・120mm フィルムを用いた日常のスナップ撮影をライフワークとしている。2019年には地元で開催された『Reborn Art Festival 2019』に「Ammy」名義として作品『1/143,701』を、2018年と2022年に宮城県塩竈市で開催された『塩竃フォトフェスティバル』に SGMA 写真部の一員として写真作品を発表している。2023年3月、PARK GALLERY にて個展『ゆるやかな走馬灯』を開催。
https://www.instagram.com/tm_amks
https://twitter.com/abtm08

阿部朋未 × 今井さつき
写真展『汽水域』開催
2024年10月23日(水)~ 11月3日(日)

PARK GALLERY では、10月23日(水)より、写真家の阿部朋未と今井さつきを招いて、写真展『汽水域』を開催します。

汽水域とは淡水と海水の交じり合うところ。悠然とした河口のイメージもあれば、時間の流れや出会い、循環を感じる言葉でもあります。

今回の展示では、故郷を拠点にしながら写真家として各地を行き来してきたふたりが、それぞれの暮らしの中で見つけた「視点」を、東京という場所で重ね合います。日々抱えてる思いや感情が写真となって混じりあう場所は、まさに汽水域。それは停滞しているように見えて、またそれぞれの行方に向かっていくための場です。ゆらゆらとたゆたうような写真を眺めながら、ふたりが抱える痛みや、居場所を感じてみてください。

阿部朋未 × 今井さつき
写真展「汽水域」
2024年10月23日(水)~ 11月3日(日)

PARK GALLERY(東京)
東京都千代田区外神田3-5-20

営業時間
13:00-20:00(水〜土)
12:00-19:00(日)

入場無料 | 月火定休

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