全国通訳案内士試験に合格してしまった話

今一番役にたたない資格かも

合格率約8%、国家資格の中では中程度の難易度といわれる全国通訳案内士試験(仏語)に合格してしまいました( ;∀;)

「おめでとう。」といわれる度に「いやいや、今、一番役にたたない資格をとってしまいました。」と自虐的に答えています。合格したのはもちろん嬉しいですが、2018年からは資格がなくても有償で通訳やガイドができるようになってしまったので働きたいだけなら資格は必要はないです。また今後数年間はインバウンド観光業が暗黒時代なので、いますぐ重宝する資格ではないでしょう。

でも、海外で大学を卒業してしまっている私は日本国内の学位を持っていません。社会的な信用獲得のために日本の国家資格のひとつくらいとっておこうと思ったのが資格取得のモチベーションでした。

通訳案内士資格についてのもやもや

通訳案内士の試験勉強中、もやもやしたことが多かったです。私はフランスで通訳案内士と同等の国家資格・政府公認通訳ガイド資格をもっているので、日本における資格に対する考え方とフランスにおける資格に対する考え方を比較することができました。いやはや、日本とフランスの間には随分と差があります。

フランスの資格と日本の資格を比べると大きく3の差があります。

①独立して働くためのプログラム

フランスで資格をとるためには、かならず大学か専門学校に通わなければいけないというプログラムでした。マーケティングの授業もあれば企画書制作が課題だったりと、すぐ独立できるかということに重きをおいたプログラムでしたし、実践授業も毎週のようにありました。日本の場合は学校に通うことは義務ではないですし、自己学習だけでも試験にさえ受かれば合格よいですね。

②必要とされる知識の範囲

フランスでは、フランスの文化遺産の価値を海外にも高めるためにある通訳案内資格なので必要とされる知識はとにもかくにも歴史と美術史です

日本の場合はとにかく超広範囲の知識を求められます。歴史や地理だけでなく最近はやった映画や流行語大賞や食べ物についてなど…。まぁこの点日本とフランスどちらがいいとかいう話ではないです。美術が好きな私としてはフランスの資格は取りやすかったけど、日本の資格は詰め込む情報が多いので苦労したという次第です。

③資格を得たあとのメリット

フランスでは資格を取るとヨーロッパ全土の美術館・博物館の入場が永久に無料になりますし、入場の際に列ができてても並ばず優先入場できます。ちなみに通訳ガイドだけでなく、教育関係者、メディア関係者も対象となる優遇制度です。なぜならこの業界の人達は美術館や博物館に行くことが仕事だからです!

アホな私は日本も同様に優遇してくれるのであろうと早とちりしていました。フランスの資格を取得した後に日本の某国立美術館にいき、通訳ガイド証をだして「無料になりますか?」とチケットセンターにきいて、怪訝な顔をされました( ;∀;) 日本の資格を持っていたら無料になるのかな?と思って調べたらそのような優遇措置はありませんでしたヽ(`Д´)ノプンプン

美術館・博物館経営は簡単ではないと理解していますが、美術館・博物館が仕事場となる通訳案内士くらいには入場無料にしてほしいですねぇ。こういうお願いはだれにすればいいのでしょうか。

最後に

すいません、ちょっと文句じみた書き物になってしまったかもしれません…。実は通訳案内士資格を有効的に使える日が来ることを楽しみにしています。とりあえず合格証をもって自治体に登録しにいかねば!


2020秋からフランス国内の展示会視察や企業訪問をしながらレポート記事を投稿していく予定です。現在その資金が必要なのでサポートをお願いいたします!