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コンクオン通信2| 少数民族の村でホームステイ

ベトナム🇻🇳コンクオンにてJICA海外協力隊(コミュニティ開発)として活動中!


私の任地であるコンクオンには多くの少数民族が住んでいます。ベトナムの総人口占めるキン族の割合は90%なのですが、コンクオンでは人口の約70%がタイ族(Thái)(←タイ王国🇹🇭とは違いますよ)。

私の上司もタイ族。お隣さんもタイ族。

コンクオンのタイ族の村々では、コミュニティツーリズムが盛におこなわれています。具体的には、タイ族の伝統的な高床式住居にホームステイしたり、伝統的な食事、舞踊を体験することができたりします。

タイ族の高床式住居。このお宅ではホームステイを提供している(ヌア村)


私の仕事は(ざっくり言うと)コンクオンの観光を盛り上げる仕事なので、村々を回り事業者さんに現状や課題などを色々とヒアリングしています。課題探し中という感じです。

しかし課題を探すにしても現状のサービスの実態を知らなければ話し合いにならないので、3日間村に滞在し、自分も顧客としてホームステイを体験してきました。

ホームステイした感想を端的に言うと、

楽しすぎ。好奇心、爆発。

3歳児の如く現地の方に「これなに?」攻撃を繰り返す私。

今回はその3日間のレポートをさせていただければと思います。


泊まった村

コンクオンの街から車で10分にある人口600人の村、ヌア村(Bản Nưa)に泊まりました。

ヌア村には3つのホームステイがあり、どこも清潔で優しいオーナーの方が運営してました。

それぞれのホームステイはWebサイトは持っていないので、現時点で予約は電話かFaceBookから行います。

※今後、活動の中でBooking.comやAirbnbなどのOTAへの登録を進め、誰でも予約しやすいようにしたいと思っています(「地元のように旅をする」というAirbnbのコンセプトの方が村にマッチしてそう)。

高床式住居の中の様子

高床式住居の内部
私のスペース

高床式住居の中は広々していて、風が通がよく気持ちがよかったです。蒸し暑い気候にフィットした居住スタイルで、先人の知恵はすごいなと。

各スペースはカーテンで仕切られており、完全な個人スペースはありません。雰囲気は青年の家。

1泊200.000đ(1200円)。

初日

フランス人ご夫婦と宿泊

なんとこの日、宿泊者は私だけでなくフランス🇫🇷からのお客様も来ていました。

私の疑問は、ただ一つ。なぜここに外国人?

現状、ネット上に存在するコンクオンの情報はかなり少なく、知るきっかけも限定的です。そのため、このフランス人ご夫妻がどうやってコンクオンを知るに至り、かつ来訪したのか甚だ疑問でした。
驚きだったのは、当の本人達もコンクオンを知ったきっかけは不明だったこと。もう迷宮入り。何故かこの地に引き寄せられたのだとか。

コンクオンの観光スポットをあまりご存じないようだったので、とりあえずコンクオン観光マップを1部お渡しすると、大変喜んでもらえました。

コンクオン観光マップ。2016年〜2019年までJICAの草の根事業がコンクオンで実施されており、この地図もその一環で作成されたもの。有益だが、すでに限られた部数しか存在せず、入手も困難。情報も少々古くなっているので、今後アップデートし電子版として一般に公開したいと思っている。

初日のご飯

紫色のもち米、コンクオンを悠々と流れるラム川で採れた小エビを甘辛く味付けしたフライ、蒸し鶏、その他諸々。どれも美味かったです。

1泊目の夜のご飯
紫色のもち米はこの自然の薬草の色。
健康に良いそうですよ。


2泊目

40人の宿泊者!?👀

この日は団体でお客様が来られるとのことなので、朝から炊事や掃除で従業員のみなさん大忙し。

竹飯(Cơm Lam)調理中。竹筒の中にお米を入れ、バナナの葉で蓋をして火で炙り炊き上げる。


このホームステイでは調理や舞踊などで約30人の従業員が働いているらしく、となると、このホームステイが村の人口の約5%の生計を支えていることになります。

仮に他の3つのホームステイも同じく30人ずつ雇っているとすると、村の人口の15%がホームステイにより生計を立てていることになります。
観光産業が村にとって重要なビジネスであることは間違いありません。

村の中を散歩

ふらりと村の散歩へ。高床式住居が立ち並ぶ通りを抜けると、徒歩5分の距離に泉があります。

モックの泉(Suối nước Mọc)とよばれているのですが、様々な伝承があるようです。

例えば、天界に住む玉皇上帝(道教の神様)が従者である仙女を人間界に派遣する際に仙女の身を清めるためにこっそり作った、とか、不毛を嘆く村民が玉皇大帝に祈りを捧げたことで泉が湧き出た、とか、この地をさまよう聖霊が泉をつくった、とかとか。

川底が見えるくらい清らか


お客さん来訪、飲み会に参加!


泉から帰ってくると、今夜一緒に泊まるお客様がぞろぞろとホームステイに集まっており熱気に包まれてました。40名のビン市(コンクオンのあるゲアン省の省都)からのお客様。ありがたいことに私に対して非常にウェルカムで一緒になってワイワイと食事を楽しませてもらいました。

高床式住居の1階部分で飲み会

タイ族の伝統舞踊も堪能。参加型のパフォーマンスで、途中からお客様も混じってみんなで踊ります。

チェローダンス(Nhảy sạp)。軽快なリズムで竹に当たらないように踊りながら渡る。

キャンプファイヤーをしたり、カラオケしたり、

壺で発酵させるカンワイン(rượu cần)を飲んだり(人生初)、

竹のストローでチューチュー壺のお酒を飲む。
口当たりが優しく飲みやすいお酒。


かなり大満足。

村でのアクティビティ

ヌア村ではこれ以外にも農業体験として田植えやお米の収穫を体験できたり、魚釣り体験ができたり、牛車に乗って村を散策できたりできるらしいです。

加えて、タイ族の伝統的な織物や竹細工などの産業も盛んとのことで、次回ヌア村に行った際はそれらの工房も見せてもらいたいと思ってます(そして、できればそれらも体験プログラム化できないかと考えてます)。

少し都会からは遠いけど。。

コンクオンは、ハノイから車で6時間。飛行機+バスでは3時間の距離に位置し、交通の便は良くありません。現状、村の訪問者の90%はゲアン省在住のベトナム人で、他の省や国外の認知度が低いのが課題の一つです。ですが、少数民族の伝統文化を体験したり、ちょっと変わった未知のベトナムを知りたい方にはぴったりな場所だと思います。

ぜひみなさんにも村の人々の温かいおもてなしに触れてみてください。


ではまた!


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