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コンクオン通信4| ベトナムのテト、無事乗り越えた

初めてベトナムのお正月であるテトを体験したのであれこれ綴ろうかと思います。太陰暦で社会が回るベトナムでは、1月28日が大晦日、1月29日が新年ですが、前後合わせてなんと合計9連休(!)でした。
太っ腹!あんたが大将!

ただ9連休ゆっくりしたかいうとそうではなくて、お世話になっている同僚や先輩のご家族やご親戚のお宅を訪問して新年の挨拶周りをしてました。

各ご家庭では豪勢な料理とお酒でもてなししていただきました。

料理はどれも手の込んだものが多く、鳥料理も豚料理も牛料理も全部うまかったです。しかもヘルシーという。
ショッキングだったのは、村に行くと各家の庭先で豚が屠られていたこと。でもよく考えてみると屠殺という日本では見えないようになっているところがここではオープンに行われているだけなんだなと。素晴らしいことに豚は捨てることろが一つもないらしく、全臓器をもれなく料理するらしいです。確かに見たこともない部位の肉をたくさん食べました、膀胱とか。

要注意なのがお酒でした。
ベトナムのお酒はかなり強です。日本酒がおおよそ15度程度、泡盛で30度くらいだと思うのですが(30度ある泡盛も氷を入れたり水割りにするのが普通)、ベトナムでは30度以上あるお酒をグラスに注ぎそれを次々乾杯して飲みます。みんなで乾杯したり、一人ずつ指名制で乾杯したりを延々繰り返していくのです。
特に私に至っては、新顔なのでその場にいる人とご挨拶もかねて1杯ずつ乾杯していきます。
「CHÚC MỪNG NĂM MỚI(新年おめでとうございます)」で乾杯し、お酒をぐっと飲み干すと、ギュっと握手。飲んで握手。飲んで握手。飲んで握手。
お酒を飲み握手を経ると晴れて二人はお友達。

Cây mật gấu(直訳:熊の胆汁の木)と呼ばれる薬草から作られるお酒。度数35度。
お酒に豚の胆汁を絞っていれて飲むパターンもある。味は苦かった。豚の胆汁は腹痛に効く薬として使われるらしい。

飲み会で活躍してくれたのが私が日本から持ってきてた三線でした。特に「豊年音頭」や「唐船どーい」などの速弾き曲は人気で、飲み会に行くたびに「あの、チャカチャカ演奏する曲を弾いてくれ!」とリクエストが入るくらいでした。一方、「でんさ節」「鳩間節」などのゆったりとした曲は誰にも耳を傾けて貰えませんでした(もっと表現磨きます)。


このような挨拶&飲み会を1日3~5軒くらい続けます。多くの人と知り合えて新しい文化を知って、日本文化を伝えて、JICA海外協力隊冥利に尽きるのですが、やはり酔う。毎日朝起きるとまだお酒の匂いがしました。確実に健康には宜しくない。

ただ不思議なことにお酒を飲むとベトナム語が分かるようになるんです。シラフの時にはチンプンカンプンのはずなのですけど、お酒で心のバリアーが解けて相手の言葉がすんなり耳に入ってくるという感じです。
逆もまたしかりで、相手も私の杜撰なベトナム語を理解してくれるようになります。

決してお酒を飲んだからベトナム語が上手になったわけではずです。通常の会話では障壁となっていた「間違えたらどうしよう」という不安が酔うことによって減り、思い切って話せるようになっているだけかと思います。

この経験から導ける結論としては、

言語は「度胸」。

上手くなりたければガンガン話せということですね。シラフの時も。
でもシラフの時はいろいろ遠慮しちゃうんですよね。


…すみません、脱線しました。話を戻します。


そんなこんなで夜になると花火が打ち上ったり、爆竹が至る所でなり響きます。爆竹に至っては自家製だそうで、マッチのリン(赤いところ)を削って集めて作るそうです。テトのために。テトにかける熱量、あっぱれ。

熱狂的だったのは1月28日(大晦日)から1月29日(新年)に切り替わる瞬間で、街中でばんばん花火が打ち上げられ、轟音が、もう、天変地異のようでした。全赤ちゃんが泣いていたように思います。

このような生活を9連休中毎日続けました。やりきりました。達成感があります。
おかげ様で街での私の認知度と体重はうなぎ登りです。

さて、テトが明けてもう2日。街には少しテトの余韻が残っていますが、また仕事に専念したいと思います。明日は村に調査!頑張ります。

ではまた!

追記:ベトナムのTV番組に少しだけ出演しました(5:30あたり)。
私のテト中の様子が分かります。お時間があれば見てみてください!(ナレーションはベトナム語)。


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