映画「きみはいい子」で知る日常の裏
日曜日の朝から心が少し暗くなってしまう映画を観てしまいました。「きみはいい子」という映画をご存知でしょうか。
◆あらすじ
問題に真正面から向き合えない教師、幼い頃に親に虐待されたことで自分の娘にも虐待をしてしまう母親、それぞれの視点から現代社会に普通に存在している問題を炙り出すような作品になっています。
◆かつて子供だった人は皆知っている風景
授業を妨害するガキ大将、影でコソコソといじめる女子、病気であることを理解されずにいじめられる男子、そんなどこの教室でも見られている風景の中で行動する新米教師の姿が描かれています。この映画を見れば、小学校教師からみる教室の風景はこうなっているのかと共感してしまいます。
◆優しさをもらった人は人に優しくなる
閉鎖された環境でいじめは無くなることはないかもしれません。学校での子供のいじめ問題はその典型的な例です。映画に登場する教室でも二人の生徒がいじめにあっています。主人公の先生は、最初はそのいじめ問題に対して、真正面から向き合おうとせず、避けていました。しかし、あることをきっかけに具体的な行動をします。ある宿題を出しました。
「明日までに家族から抱きしめられてきてください。」
生徒は当然嫌がりますし、やってこないと言い張る生徒も大勢います。でも、翌日一人一人の生徒に話を聞くと、皆誰かに抱きしめられる経験をしてきました。そして皆、「幸せな気持ち」「赤ちゃんの頃の気持ち」「何とも言えない気持ち」を感じたと言います。なぜこんな宿題を出したのか。生徒に聞かれた先生は困りながらも言います。
「皆、良い気持ちを感じられたと思う。人に対してこんな気持ちを与えられる人になってほしい。」
こんなことでいじめが無くなるわけでは決してありません。でも、少なくとも抱きしめられた時の感情を知っている人は人に優しくなれるはずです。
映画の中で主人公の姉が冗談交じりに言います。
「親に優しくされた子供は人に優しくなる。こうやって優しい人が増えれば世界は平和になる。母親はすごい仕事なんだよ」
大人だって子供だって完璧な人間は誰だっていません。そして、子供の性格は親の影響だけで決まるわけではありません。でも優しい気持ちを子供に知ってもらうことはできるはず。
◆最後に
現実をありのままに描いている映画。一人きりで生きている人はどこにもいない。皆誰かと繋がっていて、様々な感情を抱えて生きている。日常に溢れる光景の中にこんな世界があるということを知れる映画でした。
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