フランスで家をシェアする。#1〜家探し編〜
みなさん、こんにちは。
今日は、フランス・リールでのコロカシオン(colocation: シェアハウス、ルームシェア)についての導入、家探しの仕方についての体験談です。
フランス学生都市・リールについてはこちら↓
私がコロカシオンを選んだ理由
私が渡仏したのは、2021年8月末のことでした。
その当時はConfinement(自主隔離)が明けた後でしたが、入国時の他映画館やレストランではワクチンパスポートを提示する必要があった時期でした。なので、学生都市・リールとはいえど、留学生の数はとても少なかったです。
にも関わらず、当時Crousの学生寮は個人留学生が応募できる時期には空きがありませんでした(交換留学生やフランス政府奨学金受給生は入居が優遇されますが、その他個人留学で来ている学生はフランス人学生の募集後にまわされるので、9月入居は厳しい現状があります)。
そのことをあらかじめ予測していたぱれすぅ〜は、学生寮以外で安く住う方法を模索していました。その時、当時通うことが決まっていたリール大学の学生向けホームページでコロカシオンが紹介されていました。
※情報は当時、フランス語でしか提示されていませんでした。他のフランスの大学のホームページでも大学側が住宅情報を記載していたりするので要チェックです。
元々、フランス語学科でパリでのホームステイ経験もあったためか、フランス人と暮らすことに恐怖よりもワクワクしていたぱれすぅ〜。
気づけばそのホームページで紹介されていた情報をもとに家探しを始めてました。
最初のコロカシオン:LivinFrance→仲介業者『Colocatère』
私が利用したのはlivinFranceという、家探しの他、家や健康用の保険、ビザなど学生支援を目的としたサイトです。このサイトとcampus Franceで提示されている情報を照らし合わせつつ、フランス生活を開始するためのイロハを身につけました。LivinFranceは英語バージョンもあるため、当時フランス語B2レベルでしたが、困ったら英語を読んでました。
家探しに関していえば、このサイトを使うことで仲介料が発生するので初期費は若干かかりますが、今考えると利用してよかったと思います。
というのも、コロカシオンを管轄するColocatèreという不動産会社の社員は、金銭トラブルになりうる内容に対しても返信が遅く、仕事が雑だったからです。
その点、LivinFranceの人はwhat's upでのやり取りでも迅速に対応してくださり、Colocatèreの社員が返信しなかった内容を伝えたところ、事がすぐに進展しました。
問題点:フランスあるある、ホウレンソウがいい加減
実は、家探しを始めたのは6月だったのですが、LivinFranceとColocatèreの間の情報更新がうまくいっていなかったのか、入居予定が3件流れていました。そして、予約が取れていないことも知らされなかったこともあり(なかなか返信がないので自分からコンタクトを取り、ことの次第を知りました)、家探しにはヤキモキした記憶があります。結局8月頭になってやっと決まったという結構ギリギリな展開でしたが、フランスでは結構ざらにあることなので注意が必要です!!!
待ち人事件
私が住み始めて3ヶ月ほど経った頃。大学から家に帰ると、家の前で大きなスーツケースを持ったラテン系美女が立っていました。私は若干警戒しつつ家に入ろうとすると話しかけられ、
「あなたって〇〇(本名)?」と聞かれ…。
結論から言うと、彼女はメキシコ人留学生でその日から入居する予定だった同居人でした。
当時コロカシオンにいたのは、フランス人3人と私の4人で、一部屋空いていました。
しかし、Colocatèreの社員は彼女とのアポを忘れ、かつ同居人4人に入居者の知らせをしてませんでした。
そのため、話しかけられた時は若干パニックでしたが、フランスという異国の地で外国人が思い浮かばない日本名を言われた時、「この人は家の共同契約書を持っているんだな」と察して家に入れました。
その日は結局Colocatèreの社員は来ず、美女Mちゃんは鍵を持ってないため自分の部屋にも入れず共有スペースのソファで毛布を被って寝ていました。
と、こんな感じでトラブルも発生しうる国ですが、その分私以外の当時の同居人たちがその後Mちゃんをサポートしていたので、助けを求めればなんとかなる国でもありますw
とはいえど、Colocatèreにもいいところがあります
Colocatèreの社員は仕事が雑であるという点で日本人的には若干ストレスでしたが、家自体はとても住みやすい環境だったと思います。
私が個人的に良かったと思う点は以下の通り。
契約や普段のやり取りで英語で書いても大丈夫。
家自体はコロカシオン専用に改装されているため、とても綺麗・おしゃれで住み分けがはっきりしている。
自分の部屋の鍵がしっかりついている(フランス流の変な鍵ではない)。
電気代も部屋ごとに計測されているため、光熱費の払い戻しもある。
自分の部屋の中にシャワー、洗面台、トイレがついている。
家具付きのため、家電製品(冷蔵庫、電子レンジ、オーブン、洗濯機、乾燥機など)や細々とした生活用品(キッチン用品、棚など)を買わなくて良い。
家のトラブルがあった時は同居人のフランス人に助けを求めたり、Colocatèreが最終的に処理してくれたりする。
若干価格層が高めのため、住人に変な人が少ない(当時住んでいた物件は家賃光熱費込みの月490euros。家の保険と家賃がちゃんと払える人しか入居できないため、学生か仕事をしている人がほとんど)。
超過で払ってしまっている分は、数ヶ月後に返ってくる。
というように、仲介業者によってシステム化されたコロカシオンを最初は利用し、フランスならではのトラブルやいいところも悪いところも経験しました。
メールの返信が遅かったり、アポをすっぽかされたり、といったことは、この企業だけではなく他の場面でも遭遇するので、日々うまくいかないケースを考えながら行動していく必要があります。
※フランス人全員がルーズというわけでもありません。
今のコロカシオン:個人契約でより安く快適に『Leboncoin』
フランス生活一年目、大学も無事に終えた頃。
この頃には、土地勘も言葉のニュアンスもわかってきていて、同居人との会話で私の選んだColocatèreが若干高めであることがわかってきました。
確かに住んで一年、同居人の入れ替わりは激しく、程度のいいコロカシオンのおかげでいいこともありました。例えば、風呂やトイレが別だから目立ったトラブルは少なく、フランス人ならではの家の行事(例えばクリスマスシーズンはみんなでラクレットを食べたり、クリスマス市に一緒に行って移動式観覧車に乗ったり、お酒を飲んで熱唱したり、同居人の誕生日にバーに行って祝ったりw)に参加できたのはとても楽しかったです。
ただ、5人のシェアハウス生活は人間関係が難しい場面もあったりしました。Colocatère騒動に巻き込まれたMちゃんが来るまでは、外国人は私だけで同居人たちでのイベントでは会話から一人置いてけぼりを感じたこともありました。
また、私を嫌っている人もいた時期があったので、その時はキッチンに立つたびに緊張していたのを覚えてますw
そんな時、友人から勧められたのがLeboncoinというサイト。
これはフリマ系のサイトなのですが、その中にコロカシオンの欄があり、自分の条件に合わせて検索できます。
私は、最初に住む場所として選んだ街が結構住み心地が良かったので、その街周辺で420euros以内で検索しました。
すると、結構な数がヒット!
詳しい住所は書かれていないですが、交通や生活の利便性、そして自室として使う部屋や共有スペースの写真を載せていることがほとんどなので、それらの情報をもとに良さげな部屋を選択します。
家主が直接募集をかけていることがほとんどなので、サイト内から家主に直接連絡し内見のアポを取ります。
この時点で返信してこない人もいれば、入居の条件を満たしていないと断れられる(男女、年齢や仕事などの制限がある物件もあります)こともあります。
アポで直接内見すると、家の構造や使い方、大家さんや同居人になりうる人たちとの交流もできる、というより同居人として大丈夫かチェックされるので結構大事です。
その場で入居するか連絡することもできますが、場合によっては直接電話番号などを聞いて後日返答という形もあります。
私の場合は、内見を3件詰めていたので後日連絡形式にしたところ、検討していた一件は埋まってしまっていたことがありました。結果的に今の家は人間関係も良好で立地もよく住みやすいですが、家自体が古かったこともあり最初は心配でした。
しかし、生活を通して互いをよく知るようになってくると、案外一人暮らしより安心できたり楽しめたりすることもあります。私が個人的に思った良かったところとカルチャーショックについて以下の通り、まとめてみました。
Leboncoinの良いところ◎
直接家主との直接的なやりとりのため、家賃相場が安い(私の今住む物件は家賃光熱費込みで月350euros,住宅補助を差し引くと月250eurosです)
入居前に内見ができるため、人間関係や生活環境を具体的に想像できる
フランス人のお家に住むため、フランス人流の生活リズムや習慣をより身近に経験できる
家電や家具、生活雑貨が揃っているので、買わなくて良い(フランス人は食にこだわっている人が多いため、自分では買わないようなキッチン用品が充実していることもある)
家主によっては、夏休みの不在時の家賃(7、8月分)を免除してくれることがある(私の家主は、入居日が8月30日でも8月分の家賃は免除してくれた。フランスでは一般的にこうした場合は8月一ヶ月分を請求されがち。)
慣れている家主はCAF(住宅補助)やVisale(無料の身元保証人制度)などの対応がスムーズ
家主と住む場合、怪我から個人的な生活の悩みなど、現地の人ならではの対処法を教えてくれる
家主と一緒に住む場合、家トラブルは直接相談でき、対応も早い(人による)
フリマなので、同居人との相性がよくないと思えば、すぐに他の物件を探すこともできる
長期休暇限定での滞在先探しもできる
場合によっては猫や犬、鶏と一緒に住める
フランス初心者には厳しい点△
フランス語力、交渉力必須。
一般的な家であることがほとんどなので、トイレや風呂、キッチンは共用。
お風呂の時間を気遣う必要がある。
古い家の場合は、鍵が特殊な可能性がある(開け閉めにコツがいるものや50年前くらいの鍵をそのまま使っていたりする)。
フランス人の衛生観念に慣れる必要がある。
家によっては壁が薄く生活音がよく聞こえる(だが、それを気にせずに生きている人がほとんど)。
一緒に住む人との相性が合わない場合は難しい。
Leboncoinはいろんな人(主にフランス人)が利用しているので、一概にいえない部分が多いですが、フランス生活に慣れてきたら一度挑戦してみるのもアリかと思います。
家探しについて大切にしていることについては以下の記事で書いているので、覗いてみてください。↓
まとめ コロカシオンで彩のある生活を
コロカシオンの家探しについて体験談を書きましたが、いかがでしたしょうか。
私は現在、フランス人家主とフランス人苦学生H君と同居猫2匹と生活していますが、とても楽しく過ごしています。
個人的には、ワイワイしている家より安心できる家の方が好きなのですが、今の家はまさに後者で、同居人はとても優しく穏やかで、同居猫には日々癒されてます。
また、フランス語で会話する機会も前の家以上に増え、自分一人では調べないような言葉ともよく遭遇しています。
冒頭でも少し書きましたが、フランス語への探究心が後押ししたコロカシオンは結果として、より自然なフランス語を見聞きし実際に使っていく良い機会をもたらしてくれています。
フランス語での会話は時にストレスに感じることもありますが、猫にフランス語で話しかけたり、思いっきり日本語のyoutubeや音楽を聴いたりして発散することも。同居人は日本に関する話題を振ってくれることもあり、気づいたらストレスを忘れています。
元々人との関わりはあまり得意なタイプではないですが(交友関係はどちらかというと狭く深くタイプ)、自分の中の当たり前やルールを少しずつ和らげるという意味でも私は今の生活を気に入っています。
なので、もし興味がある方はぜひ試してみてください!
では〜!
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