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プライドって何なんだろうね? ちょっと立ちどまって止揚してみようか。
一言でいうと「人間が勝手に抱えて、勝手に苦しむやっかいな荷物みたいなもの」。でも、それがあるから頑張れるし、自分らしくいられる。そういう面も確かにある。このエントリーは、そんな話だ。
プライドって何? ぼく桃太郎のなんなのさ?
プライドとは、自分のこだわりであり、自分を支えるもの。
人は誰しも「これは得意だ」「これだけは譲れない」と思うものを持っている。それは、絵を描くことかもしれないし、スポーツや勉強、あるいは、「誰にも負けたくない」という競争心そのものかもしれない。
こうしたプライドは、自分を成長させる力になる。「もっと上手くなりたい」「もっと認められたい」という気持ちが、努力を生み、研鑽につながるからだ。
あ、ちなみに「オタク」「日本人」「都会育ち」「少数者」など、生まれや所属といった集団属性を誇りにするのは、基本的に意味がないです。大切なのは、一介の人間として何ができるか、どう生きるかなので。
プライドは人を縛る。
そんなプライドは時に人を縛る。
自分のやり方にこだわるあまり、他の方法を試すことを拒んだり、負けることを恐れて挑戦を諦めたりすることがある。
「自分はこういう人間だから」と決めつけてしまえば、そこで試合終了。プライドが強すぎると、自分で作った「限界」の中に閉じこもってしまう。そうなれば、その人の「可能性」とは、しょせんそこまでのものでしかない。
さらに、やっかいなのは「プライドを捨てることすら、別のプライドになりうる」という点だ。
たとえば、ぼく自身、普通と違うオルタナティブな価値観に惹かれることがある。ナンセンスギャグ、臨済禅、加速主義、パンク―要するに「意味をぶっ壊すマインド」が好きなんだけど、ふと気づくと「そういうものを好きな自分」にプライドを持ってしまっている。「普通じゃない道を選んでる自分、カッコいい」と思った瞬間、それがまた新しいプライドになる。
つまり「プライドを粉々に破壊してくれるような考え方」にも、しつこくプライドが生えてくるのだ。「自分はプライドなんて持たない」と言いながら、それを誇りにしてしまう。
結局、プライドというのは完全に消すことができないものなのだろう。
じゃあ、どうすればいい?
人間は「自分らしくありたい!」「俺は俺の道を行く!」と思うくせに「でも認められたい!」「すごいね!って言われたい」とも思ってしまう。そのバランスをうまく取れないと、どっちつかずになり、「自分って何なんだ……?」と迷子になる。
プライドが強すぎると、本当の意味での「自分」を見失う。人間って、ほんと、めんどくさい生き物。
じゃあ、どうする?
プライドを生産性につなげる。
ひとつの方法は「何かに夢中になること」。でも、ここで気をつけなければならないのは、それが単なる自己満足で終わってしまうことだ。
たとえば、オタク的な趣味に没頭するのはいい。ただ、そこに生産性がなければ、ただの消費で終わる。ワンオブゼムの、一方向的な「推し厨」でしかない。
「好きなことをしている自分」に酔うだけじゃ、意味がない。だからこそ、「自分はこれが好き!」という気持ちを、どう形にするか、どう対峙するか、どう社会に還元できるかを考えることがとても重要なんだ。
社会の中で「自己のプライド」をどう扱うか。
「夢中であること」を「孤独でも大丈夫」といった個人主義の正当化の方便には使いたくない。人は完全にひとりで生きられるわけではないからだ。
そもそも、社会と関わりながらでなければ「これだけは絶対にやり遂げたい!」と思えるほどの目標や使命は、なかなか見つからない。
結局、社会とのバランスの中で、どう自分のプライドを立てていくか、が大切なんだ。
プライドは「守るもの」ではなく「何かを生み出すもの」
「プライドなんて全部ゴミ箱にぶち込んじまえ!」と思うこともある。
しかし、残念ながら、捨ててもまた別の形で湧いてくるのが、プライドというやつだ。
だからこそ、うまくコントロールし、手なずけ、味方につけるしかない。そうすれば、プライドは足かせではなく、自分を前に進める力になる。
プライドは「守るためのもの」ではなく「何かを生み出すもの」にすべきだ。そうすることで「自分が誰なのか」というアイデンティティの確立につながるだけでなく、社会にも何らかの価値や効用を生み出すことができる。
プライドを持つこと自体は、決して悪いことではない。それをどう活かすのか、それだけが大事なんだ。
◆25/01/29のX投稿(@pareorogas)を大幅改稿