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ボート競技に関わるトレーナーとして考えること

現在主に関わらせてもらっているフィールドとしては、大学ボート部、NPO障害者ボートクラブ、日本代表チームですが、それぞれ関わりの深さや形には違いがあります。スポーツトレーナーとして様々なフィールドで関わる中で考えていることについてお話できたらと思います。

まずスポーツ選手にとっては競技力を向上させて試合での勝利を目指すことが主な目的ですが、トレーナーとしてそれをサポートするにあたっては競技力向上の手助けをするのみでなく、怪我や故障の予防・リハビリ、その他組織全体のセーフティマネージメントを行うことも重要であると考えます。

上の図は身体状況として元の状態を0、そこからマイナスの状態で関わる人たちや、プラスを目指すにあたって関わる人たちをまとめた図になります(もちろん主に関わる人を挙げただけなので、それぞれの有資格者がマイナス、プラスそれぞれ別のフィールドで関わることもあります。)トレーナーとしてプラス方面での関わりをストレングス・マイナス方面での関わりをメディカルと言うことが多いですが、以下関わっているそれぞれの組織における自分の役割を挙げてみようと思います。

〈京大ボート部〉ストレングス&メディカル
ストレングスとしては、ボート競技における主なトレーニングである水上や陸上での有酸素トレーニング以外のウエイトトレーニングや体幹トレーニングなど補助的なエクササイズのアドバイス。メディカルとしては、選手個別の身体評価とコンディショニング。また、部活に所属している学生トレーナーの指導を行って自分が現場に行くことができない時の選手の対応の質をあげるようなサポートを行っています。
〈NPO障害者ボートクラブ〉ストレングス&メディカル
ストレングスとしては、自分が直接選手に対するトレーニング指導を行うわけではなく、いくつか外部のトレーナー組織と連携してそこを選手が利用して日々のトレーニング回数を増やせるようなマネージメントを主に行っています。メディカルとしては、障害者特有の症状(てんかん発作など)に関する全体レクチャーを行ったり、選手個別の配慮(麻痺のある部分を補助するような道具の開発)を行ったりしています。それぞれの活動はメディカルチームを組織して、整形外科医・理学療法士・管理栄養士などのメンバーで連携して行えるようにしています。
〈日本代表チーム〉メディカル
日本代表チームにはジュニア、U23、シニアなど様々なカテゴリーがありますが、昨年は主にジュニアのサポートをさせていただきました。具体的には国内合宿や海外遠征への帯同を行って、その間で発生した怪我や身体の不調に対してのサポートを行うというものです。ボート競技は腰痛や肋骨痛などの症状が発生することが多く、また激しいトレーニングによって免疫が落ちて発熱したり内科的な不調も起こることがあるのでドクターとの連携のもと対処を行っています。

このように関わる組織によって活動の内容が違ってきます。その理由としては、組織内にいるスタッフの数や外部連携できる団体の有無、またそれぞれのスタッフが持つ能力やかけられる時間にもよります。様々な関わりが必要ということは、やはりトレーナーは身体の知識やコンディショニングの技術を磨くだけでなく様々な能力を身につける必要があるということだと思います。これからまたより具体的な内容についても書いていけたらと思いますが、専門である理学療法やアスレティックトレーナーとしての考えだけでなく、その他の分野に関してもトレーナー活動として活かせそうなものがあれば紹介していけたらと思います。

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