パラスポ!

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障害者スポーツの情報発信をしている一般社団法人パラスポの公式noteです。このページに掲載されている写真、記事は、パラスポで活動しているライターやカメラマンが取材・撮影したものです。無断での使用、複写、転載などはご遠慮ください。

最近の記事

パラ・バドミントン、ここに注目!

パラスポーツの中には、車いすの人が参加できるさまざまな競技・種目があるが、バドミントンの魅力について、パリ・パラリンピック男子(車いす)ダブルスで銅メダルを獲得した梶原大暉選手、村山浩選手に聞いた。 梶原大暉選手(WH2)は、「車いすの操作でいうと、他の競技にはあまりないバックの動作があり、ストップ&ゴーの動きもあります。チェアワークの方法は、選手それぞれ、障害によっても違います。そこは魅力の一つだと思います」と説明。 村山浩選手(WH1)は、「車いすは、WH1とWH2と

    • 【NEXT・次へ】車いすマラソン・鈴木、「メダリストだからこそ、できることを」

      パリ・パラリンピック車いすマラソン銅メダリストの鈴木朋樹は、「メダリストだからこそ、できることがある」と言う。 「メダリストということについて、正直、自分自身の受けとめ方はあまり変わっていないです。ただ、個人種目でメダルを獲ったことで、周りの方にすごく喜んでいただいて。さまざまな場所に表敬訪問に行かせていただいたりして、注目されているのを感じます。パラリンピアン(パラリンピック日本代表選手)とメダリスト(パラリンピックのメダル獲得選手)は違うんだなというのを感じています」

      • 【NEXT・次へ】陸上・川上 「競るレースでも、スタートをしっかり決める」

        パリ・パラリンピック男子(T13:視覚障害)100mの銅メダリスト・川上秀太は、4年後を見据えた次の課題として、「スタートの再現度」を挙げた。 去年の冬からスタートの強化に取り組んでいたが、パリ・パラリンピックの決勝ではスタートが上手く決まらなかった。前の選手を追う展開になり、3着。銅メダルを獲得したものの、悔しい結果になってしまったと振り返った。 4年後のロス・パラリンピックに向けて、海外の強豪選手たちと競るレースでも、自分のベストなスタートを再現できるようにしていきたい

        • 【NEXT・次へ】陸上・井谷 200mに専念

          100mは11秒50を切りたいと考えていた。 記録は11秒42。 パラ陸上・男子(T64:下腿義足)の井谷俊介(29歳)は、「スッキリした」と話した。 井谷は、今夏に開催されたパリ・パラリンピックで日本代表となり、パラリンピック初出場。200mで決勝に進出し、7位に入った。 しかし、世界トップ選手の走りをそばで見て、100mはスタート時点のパフォーマンスが自分と全く違うと実感した。200mはコーナーで自身の走りの技術を活かすことができ、100mよりは世界で勝負ができる可能性

        パラ・バドミントン、ここに注目!

          陸上800mで世界新、現役引退の山本がチャレンジ

          男子(T63:大腿義足)800mの世界新記録が誕生した。 第3回NAGASEカップ陸上競技大会(10月12日)で、山本篤(42歳、新日本住設所属)が2分44秒05走り、自身が持っていた世界記録(2分52秒06)を更新した。 山本は、北京(2008年)、ロンドン(2012年)、リオ(2016年)、東京(2021年)の夏季パラリンピック4大会に出場。北京とリオでは、走り幅跳びで銀メダルを獲得した。冬季も平昌パラリンピック(2018年)にスノーボードで出場した。 パリ・パラリンピ

          陸上800mで世界新、現役引退の山本がチャレンジ

          【NEXT・次へ】走り高跳び・鈴木「障害の勝負から、年齢の勝負へ」

          ラストジャンプは1m85。 「気持ちよく終わることができたと思います」 走り高跳びの日本記録保持者・鈴木徹(44歳)は、現役最後の跳躍をこう振り返った。 パラ陸上のデビュー戦は2000年の国内大会で1m74を跳び、この記録で同年開催されたシドニー・パラリンピックの日本代表が決まった。それ以降、パラリンピックにはアテネ、北京、ロンドン、リオ、東京まで6大会に出場した。2016年に2m02を跳び、現在の日本記録となっている。 義足の走り高跳び選手の数は、世界的にみても多くはな

          【NEXT・次へ】走り高跳び・鈴木「障害の勝負から、年齢の勝負へ」

          【NEXT・次へ】陸上・生馬「一番の違いはフィジカル」

          「世界のトップ選手との違いを1つに絞るのは難しいですが、一番はフィジカルだと思います」 陸上・男子(T54:車いす)100mの日本記録保持者である生馬知季は、パリ・パラリンピックを振り返り、こう話した。 パラリンピックは2021年の東京に続き、2度目。国内トップ選手として100mは決勝進出さらに上位を目指して臨んだが、予選敗退に終わった。 予選は2組(各組7選手が出場)行われ、各組の上位3着までの選手とタイム順で上位2選手の計8名が決勝に進出。生馬は予選2組目5着、タイムは

          【NEXT・次へ】陸上・生馬「一番の違いはフィジカル」

          【記者の雑記】推しが、推した。

          パリ・パラリンピックが開幕した8月29日、スマホでInstagramを眺めていると、私の「推し」のストーリーズが目に入った。プロ野球・オリックスバファローズの山下舜平大投手(22歳、愛称:ペータ)が写真を2枚、投稿していた。 1枚は、前日行われたソフトバンク戦で、ペータが登板した姿を捉えたものだ。オリックスの球団公式アカウントは毎試合、活躍した選手の写真をアップする。その中からペータが自身の写真をシェアすることはこれまでもしばしばあった。しかし、もう1枚は、ペータ自身が映った

          【記者の雑記】推しが、推した。

          放物線を描いた声援

             JR三宮駅で神戸市営地下鉄に乗り、総合運動公園駅で降りると、隣の車両に乗っていた小学生たちも降りてきた。3、4年生くらいだろうか。20人ほどが列をつくり、ぞろぞろと改札に向かう階段を上っていく。彼らの列のすぐ横を歩いている女性は、引率している学校の先生のようだ。 「ねぇ、これから何すんの?」 私の前を歩いていた男の子が、隣の子に囁く声が耳に入った。 「さぁ・・・」 隣の子の返事は、はっきりしない。 一般の乗客と一緒になる場所では、余計なおしゃべりをしないように、事前に先

          放物線を描いた声援

          「絶対王者」不在の東京マラソン(3)

           東京都庁前のスタート地点から神田方面へ長く続く坂道を、選手たちが一気に下っていく。序盤5キロから10キロまでの間に、7人ほどで形成されていた先頭集団から2人、3人と選手が振り落とされていく。選手同士は時々、急激にスピードを上げるなどの「揺さぶり」を掛けあっているようだ。  ある選手が急に加速すると、他の選手たちも離されまいと対応して速度を上げる。速度を上げるタイミングが遅れると選手間の差が開き、加速した選手が一気に前へ出て、遅れた選手は引き離されてしまう。急激に速度を上げ

          「絶対王者」不在の東京マラソン(3)

          「絶対王者」不在の東京マラソン(2)

           3月3日。東京の上空は青く澄み渡っている。 東京駅の丸ノ内改札口を出ると、すでに、東京マラソンのゴールが設置されていた。これから始まる交通規制のため、警察官の姿があちこちに見える。丸ノ内のオフィスビルにある取材者用のプレスセンターまで歩いて向かう。頬に当たる外気は、寒くはなかった。スマホで確認した気温は9度。マラソンを走るランナーには少し暖かいかもしれないが、暑すぎることはないだろう。  オフィスビルの7階に設けられたプレスセンターの会議室には、大型のスクリーンにテレビ画

          「絶対王者」不在の東京マラソン(2)

          「絶対王者」不在の東京マラソン(1)

          「マルセル・フグがいない」 1月30日に発表された東京マラソン2024(3月3日開催)車いすマラソン男子の招待選手の資料を見て、こう思ったのは、毎年このマラソンを取材している私だけではないだろう。 マルセル・フグ(スイス、38歳)は2023年、世界の6つの都市(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)で開催されるマラソン6大会「ワールドマラソンメジャーズ」のすべてで優勝し、完全制覇した。 レースで勝つだけでなく、記録についても世界トップだ。2021年11

          「絶対王者」不在の東京マラソン(1)

          【車いすバスケ・天皇杯】神奈川VANGUARDSが2連覇

          天皇杯・第49回日本車いすバスケットボール選手権大会(2月4日、東京体育館)の決勝は、神奈川VANGUARDSが埼玉ライオンズと対戦し、47対44で優勝した。神奈川は大会2連覇。 決勝は、第3Q終了時点で35対39。神奈川は埼玉に4点のリードを許していた。しかし、神奈川は第4Qに差を詰めて同点。44対44となり、試合の残り時間は40秒を切った。 神奈川の古澤拓也(3.0)が決めて2点リードし、その後、埼玉のファウルで得たフリースローで1点を追加した。 チームの強みであるデ

          【車いすバスケ・天皇杯】神奈川VANGUARDSが2連覇

          【IBSA柔道グランプリ大会】視覚障害柔道の国際大会、東京で開催

          IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)の柔道グランプリ大会東京2023が12月4日、5日、東京体育館で開催される。グランプリ大会は、パラリンピックや世界選手権に次ぐ、国際大会で、東アジアでは初めての開催となる。 2024年夏のパリ・パラリンピックを目指す選手たちはまず、出場権獲得につながるポイントを獲得する必要があるが、今大会はポイントが付与される大会の一つに位置付けられている。 大会前日の3日は、講道館で、今大会でのメダル獲得が期待される瀬戸勇次郎選手(男子J2、73Kg

          【IBSA柔道グランプリ大会】視覚障害柔道の国際大会、東京で開催

          【大分国際車いすマラソン】ハーフ男子・2位、初出場の韓国キム・ジョンボム

          大分国際車いすマラソン(11月19日)のハーフマラソン男子(T34/53/54)で、今大会初出場のキム・ジョンボム(韓国、27歳)が2位に入った。記録は46分59秒だった。 表彰式の後、レースの感想を尋ねると、ジョンボム選手は、「今大会への出場は初めてだったのですが、良い結果を出せて嬉しく思います。また、出場したいです」と笑顔を見せた。 メイン種目に位置付けているのは400m。「400mはまだ、今の成績では来年のパリ・パラリンピックは難しいので、次のロス・パラリンピックを目

          【大分国際車いすマラソン】ハーフ男子・2位、初出場の韓国キム・ジョンボム

          【大分国際車いすマラソン】マラソン女子・喜納4位、上位との実力差実感

          大分国際車いすマラソン(11月19日)のマラソン女子(T34/53/54)で、日本の喜納翼(3歳)は4位で、記録は1時間44分49だった。 今大会、女子のマラソンは、カテリーヌ デブルナー(28歳、スイス)、マニュエラ シャー(38歳、スイス)、スザンナ スカロニ(32歳、アメリカ)の3選手がスタート直後から先頭集団を形成し、終盤まで競り合う展開となった。初出場のカテリーヌが着順で優勝。1時間35分11の同タイムで、マニュエラが2位に入った。3位のスザンナは1時間35分13

          【大分国際車いすマラソン】マラソン女子・喜納4位、上位との実力差実感