マデイラ2022世界選手権を終えて。世界記録を見てみよう!
2022年6月に幕を閉じたマデイラ2022 World Para Swimming 世界選手権。
イタリアが金メダル27個を獲得し、2020東京パラに続いてパラ水泳の強さを見せつけた。
金メダル数ランキングは、1位はイタリア、2位はアメリカ、3位はブラジルであった。
ロシア・ベラルーシ・中国が参加していない中ではあったものの、ハイレベルなレースが多かった様に思える。
今回は世界記録を樹立した3選手に注目してマデイラ2022世界選手権の振り返りをしていこう。
Antonio Fantin
100Fr S6クラスで金メダルを獲得したAntonio Fantin選手。
2001年生まれのまだ20代になったばかりの若きエースである。
東京パラで自身が出した1:03.71をわずかだが上回って,1:03.65というタイムで世界記録で優勝した。
前半50mを31.61,後半50mは32.04というラップで泳いでいる。
前後半のタイムがほぼ一緒でおよぐことのできる選手はほぼいない。
Antonio Fantin選手は飛び込みを行わず下からスタートであることから序盤スピードを出しにくい。しかし後半50mはまったく落ちることのないピッチを武器に,他の選手に追いつき追い越してしまう。
健常者の世界では考えられないレース展開である。
一体どういう練習をして体力をつけているのか気になる。。。
Ellie Challis
女子SB2クラス50Brで世界新記録を樹立したEllie Challis選手。
2004年生まれイングランドのアスリートである。
飛び込んで10mに達するまでに周囲の選手との差をつけ,そのままの勢いでゴールし優勝している。
2回に1回の呼吸でリズムで安定した泳ぎをしている。
このSB2クラスの50m平泳ぎはパラリンピック種目ではないため,大きな国際大会では世界選手権でしか見られない。
今回の破った世界記録は自身が2019年の世界選手権の時に出した記録であった。3年ごしで1秒の記録更新であった。
メディアでも彼女は取り上げられることが多い。
彼女のヒストリーを紹介いたショート動画では練習環境や彼女が周りの友人に影響を与えている存在であることが示されている。
今後も安定した泳ぎを魅せてくれることであろう。
Timothy Hodge
男子SM9クラスの200IMで約14年ぶりに世界記録を更新したTimothy Hodge選手!
彼も2001年生まれととても若い選手である。
Timothy Hodge選手は2:13.43というタイムで優勝している。
2008年の北京パラリンピックでまだ高速水着が許されていた時代にオーストラリアの英雄 Matt Cowdrey選手が出した記録を更新した。
得意のバタフライで飛び出しそのままリードを譲らずにゴールした。
東京パラリンピックでは2分15秒台の2位に終わる結果であったが,そこから1年で2秒ほど記録を伸ばしたことになる。
今後もマルチな種目でメダルを獲得することが期待される選手である。
終わりに
翌年、2023年にもマンチェスターで世界選手権が行われる。
その世界選手権では、今回出場選手のいなかった国であるロシアや中国、ベラルーシの参加があるかもしれない。
そうなった場合には今回と大きく違った順位となるだろう。
2024年のパリパラリンピックに向けて記録争い激しくなることが予想される。
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編集長
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