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37_吐血・下血・腰痛・背部痛・体温上昇【救急救命士国家試験対策】


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国家試験定期試験出題内容のまとめ

【吐血・下血・腰痛・背部痛・体温上昇】

1. 消化器系疾患

  • トライツ靭帯: 十二指腸と空腸の境界部に位置。

  • 上部消化管出血: 消化管出血の大部分を占め、タール様便が特徴的。

  • 下血: 消化管からの出血が肛門から排出される。

  • マロリーワイス症候群: 痛みはなく、飲酒後の反復嘔吐後に起こりやすい。

  • 食道静脈瘤破裂: 肝硬変の既往を疑うべき病態。

  • 急性胃粘膜病変の誘因: 薬剤、酒、ストレス。

  • 消化器系疾患に伴う貧血・黄疸の判断: 結膜で確認。

  • 鉄剤服用: 黒色の便が見られることがある。

2. 腰痛・背部痛

  • 関連痛: 腰痛や背部痛は関連痛に分類されることが多い。

  • 急性大動脈解離:

    • スタンフォードA型: 前胸部から背部、腰部に移行する激痛。

    • スタンフォードB型: 背部痛で始まることがある。

  • 腰椎圧迫骨折: 胸腰椎移行部で発生しやすい。

  • 腰部脊椎狭窄症: 間欠性跛行が特徴的な歩行様式。

  • 大動脈解離の特徴: 痛みの部位が変動し、上下肢左右差の血圧差がみられる。

  • 腹膜刺激徴候: 消化管穿孔や膵炎で見られる。

  • レッドフラッグサイン: 腰痛・背部痛患者で要注意所見がある際に使用。

  • 好まれる体位: 股関節と膝関節を屈曲した側臥位が筋・骨格系疾患での腰痛時に好まれる。

  • 搬送先: 全身状態が安定し要注意所見がない場合、整形外科のある医療機関へ。

3. 体温調節と発熱

  • 正常体温上限: 腋窩温で37.0℃以上を体温上昇と判断。

  • 体温調節の中枢: 視床下部が担当。

  • シバリング: 体温低下時に骨格筋の小刻みな不随意収縮がみられる。

  • 体温上昇時: 血管は拡張し、酸素消費量と二酸化炭素生産量が増加する。

  • 解熱薬: プロスタグランジンの産生を抑制し、体温を下げる。

  • 危険な体温: 40.5℃を超えると体温調節機能が障害され始める。高熱は39.0℃以上。

  • マラリア: 四日熱マラリアでは72時間ごとに悪寒戦慄と高熱が発作的に起こる。

  • 発熱時の影響: 体温が1℃上昇するごとに心拍数が6〜10/分、呼吸数が2〜4/分増加する。

  • 発熱の原因: 感染症をまず考慮。


問題

  1. ____靭帯は十二指腸と空腸の境界部にある。

  2. 上部消化管、下部消化管のうち消化管出血の大部分を占めるのは____消化管からの出血である。

  3. ____とは、消化管からの出血が肛門から排出されたものである。

  4. ____症候群は痛みはない。

  5. 上部消化管出血の際にみられる便は、____である。

  6. ____静脈瘤破裂では肝硬変の既往を疑う。

  7. 消化性潰瘍による痛みは____部で発生する。

  8. 急性胃粘膜病変の誘因となるものでは、薬剤、酒の他に____がある。

  9. 飲酒後の反復嘔吐後に起こる病態として最も考えられるのは____症候群である。

  10. ____服用時には黒色の便をみる。

  11. ____とは、気道内への出血を咳とともに喀出したものである。

  12. 消化器系疾患を疑った際の貧血、黄疸の判断は____で行う。

  13. 体性痛、内臓痛、関連痛のうち、腰痛・背部痛の多くは____痛に分類される。

  14. 急性大動脈解離のうち____型では背部痛で始まることがある。

  15. 腰椎圧迫骨折は____移行部で発生しやすい。

  16. ____型の急性大動脈解離では、前胸部から始まった激痛が背部に移動して腰の方に下降していく。

  17. 腰部脊椎狭窄症で見られる歩行様式は____である。

  18. 痛みの部位が変動するのは____に特徴的な症状である。

  19. 血圧の上下肢左右差は____に特徴的な症状である。

  20. 消化管穿孔や膵炎では____がみられる。

  21. 腰痛・背部痛傷病者における要注意所見は、またの名を____という。

  22. 筋・骨格関係疾患での腰痛は____と膝関節を屈曲した側臥位を好むことが多い。

  23. 腰痛・背部痛患者において、全身状態が安定し要注意所見を認めない時は____のある医療機関に搬送する。

  24. ____温で37.0℃以上を体温上昇とみなす。

  25. 体温調節の中枢は____にある。

  26. 体温低下時は____という骨格筋の小刻みな不随意収縮がみられる。

  27. 体温上昇時、血管は____する。

  28. 解熱薬は____の産生を抑制することによって体温を下げる。

  29. 体温上昇時、____消費量は増加する。

  30. 体温上昇時、____生産量は増加する。

  31. 体温が____℃を超えると体温調節機能自体が障害され始める。

  32. 高熱となるのは____℃以上である。

  33. ____マラリアでは、72時間ごとに悪寒戦慄、高熱の発作を繰り返す。

  34. 発熱で体温が1℃上昇すれば、心拍数は____/分、呼吸数は____/分増加する。

  35. 体温上昇の原因としては、まず____を考えるのが一般的である。

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解答

  1. トライツ靭帯は十二指腸と空腸の境界部にある。

  2. 上部消化管、下部消化管のうち消化管出血の大部分を占めるのは上部消化管からの出血である。

  3. 下血とは、消化管からの出血が肛門から排出されたものである。

  4. マロリーワイス症候群は痛みはない。

  5. 上部消化管出血の際にみられる便は、タール様便である。

  6. 食道静脈瘤破裂では肝硬変の既往を疑う。

  7. 消化性潰瘍による痛みは心窩部で発生する。

  8. 急性胃粘膜病変の誘因となるものでは、薬剤、酒の他にストレスがある。

  9. 飲酒後の反復嘔吐後に起こる病態として最も考えられるのはマロリーワイス症候群である。

  10. 鉄剤服用時には黒色の便をみる。

  11. 喀血とは、気道内への出血を咳とともに喀出したものである。

  12. 消化器系疾患を疑った際の貧血、黄疸の判断は結膜で行う。

  13. 体性痛、内臓痛、関連痛のうち、腰痛・背部痛の多くは関連痛に分類される。

  14. 急性大動脈解離のうちスタンフォードB型では背部痛で始まることがある。

  15. 腰椎圧迫骨折は胸腰椎移行部で発生しやすい。

  16. スタンフォードA型の急性大動脈解離では、前胸部から始まった激痛が背部に移動して腰の方に下降していく。

  17. 腰部脊椎狭窄症で見られる歩行様式は間欠性跛行である。

  18. 痛みの部位が変動するのは大動脈解離に特徴的な症状である。

  19. 血圧の上下肢左右差は大動脈解離に特徴的な症状である。

  20. 消化管穿孔や膵炎では腹膜刺激徴候がみられる。

  21. 腰痛・背部痛傷病者における要注意所見は、またの名をレッドフラッグサインという。

  22. 筋・骨格関係疾患での腰痛は股関節と膝関節を屈曲した側臥位を好むことが多い。

  23. 腰痛・背部痛患者において、全身状態が安定し要注意所見を認めない時は整形外科のある医療機関に搬送する。

  24. 腋窩温で37.0℃以上を体温上昇とみなす。

  25. 体温調節の中枢は視床下部にある。

  26. 体温低下時はシバリングという骨格筋の小刻みな不随意収縮がみられる。

  27. 体温上昇時、血管は拡張する。

  28. 解熱薬はプロスタグランジンの産生を抑制することによって体温を下げる。

  29. 体温上昇時、酸素消費量は増加する。

  30. 体温上昇時、二酸化炭素生産量は増加する。

  31. 体温が40.5℃を超えると体温調節機能自体が障害され始める。

  32. 高熱となるのは39.0℃以上である。

  33. 四日熱マラリアでは、72時間ごとに悪寒戦慄、高熱の発作を繰り返す。

  34. 発熱で体温が1℃上昇すれば、心拍数は6〜10/分、呼吸数は2〜4/分増加する。

  35. 体温上昇の原因としては、まず感染症を考えるのが一般的である。



練習問題

問題1

トライツ靭帯はどの部位に存在するか?
A. 食道と胃の境界
B. 胃と十二指腸の境界
C. 十二指腸と空腸の境界
D. 直腸と肛門の境界
E. 空腸と回腸の境界

答え: C
トライツ靭帯は十二指腸と空腸の境界部にある。


問題2

消化管出血の大部分を占めるのはどこからの出血か?
A. 上部消化管
B. 下部消化管
C. 大腸
D. 小腸
E. 直腸

答え: A
消化管出血の大部分を占めるのは上部消化管からの出血である。


問題3

下血とはどのような現象か?
A. 上部消化管からの出血が口から排出されたもの
B. 消化管からの出血が肛門から排出されたもの
C. 肝臓からの出血
D. 喀血に似たもの
E. 胃からの出血が食道に逆流したもの

答え: B
下血とは、消化管からの出血が肛門から排出されたものである。


問題4

マロリーワイス症候群の特徴として正しいものはどれか?
A. 胸痛を伴う
B. 心窩部痛が特徴
C. 痛みはない
D. 発熱を伴う
E. 悪心・嘔吐を伴う

答え: C
マロリーワイス症候群は痛みはない。


問題5

上部消化管出血時にみられる便の特徴はどれか?
A. 血便
B. タール様便
C. 下痢便
D. 白色便
E. 脂肪便

答え: B
上部消化管出血の際にみられる便は、タール様便である。


問題6

食道静脈瘤破裂が疑われる際に考慮すべき既往症はどれか?
A. 慢性胃炎
B. 肝硬変
C. 慢性膵炎
D. 高血圧
E. 糖尿病

答え: B
食道静脈瘤破裂では肝硬変の既往を疑う。


問題7

消化性潰瘍による痛みが発生する部位はどこか?
A. 右上腹部
B. 左上腹部
C. 心窩部
D. 下腹部
E. 背部

答え: C
消化性潰瘍による痛みは心窩部で発生する。


問題8

急性胃粘膜病変の誘因にならないものはどれか?
A. ストレス
B. 酒
C. 運動不足
D. 薬剤
E. 脱水

答え: C
急性胃粘膜病変の誘因となるものでは、薬剤、酒の他にストレスがある。


問題9

飲酒後の反復嘔吐に続いて起こる病態として最も考えられるのはどれか?
A. 消化性潰瘍
B. 食道癌
C. マロリーワイス症候群
D. 胃炎
E. 肝硬変

答え: C
飲酒後の反復嘔吐後に起こる病態として最も考えられるのはマロリーワイス症候群である。


問題10

鉄剤服用時にみられる便の特徴はどれか?
A. 白色便
B. タール様便
C. 黒色便
D. 血便
E. 黄色便

答え: C
鉄剤服用時には黒色の便をみる。


問題11

喀血とはどのような現象か?
A. 消化管からの出血が口から出る
B. 鼻血が逆流する
C. 気道内への出血を咳とともに喀出したもの
D. 血液が口から自然に流出する
E. 胃からの出血が喉に上がる

答え: C
喀血とは、気道内への出血を咳とともに喀出したものである。


問題12

消化器系疾患を疑った際に貧血や黄疸を判断する場所はどこか?
A. 手のひら
B. 唇
C. 結膜
D. 舌
E. 皮膚

答え: C
消化器系疾患を疑った際の貧血、黄疸の判断は結膜で行う。


問題13

腰痛・背部痛が関連痛として分類されることが多い理由は何か?
A. 痛みが動きに伴う
B. 痛みが明瞭である
C. 痛みが他の部位に由来する
D. 痛みが断続的である
E. 痛みが鋭い

答え: C
腰痛・背部痛の多くは関連痛に分類される。


問題14

急性大動脈解離のスタンフォードB型は、どの部位で痛みが始まることがあるか?
A. 背部
B. 胸部
C. 腹部
D. 下肢
E. 頸部

答え: A
急性大動脈解離のうちスタンフォードB型では背部痛で始まることがある。


問題15

腰椎圧迫骨折が発生しやすい部位はどれか?
A. 胸部
B. 頸部
C. 胸腰椎移行部
D. 仙骨
E. 骨盤

答え: C
腰椎圧迫骨折は胸腰椎移行部で発生しやすい。


問題16

スタンフォードA型の急性大動脈解離では、痛みがどのように広がるか?
A. 背部から胸部に広がる
B. 前胸部から背部に移動し、腰に下降する
C. 腹部から上肢に広がる
D. 腰から脚に広がる
E. 頸部から胸部に広がる

答え: B
スタンフォードA型の急性大動脈解離では、前胸部から始まった激痛が背部に移動して腰の方に下降していく。


問題17

腰部脊椎狭窄症で見られる特徴的な歩行様式はどれか?
A. 間欠性跛行
B. かかと歩行
C. つま先歩行
D. 引きずり歩行
E. すり足歩行

答え: A
腰部脊椎狭窄症で見られる歩行様式は間欠性跛行である。


問題18

痛みの部位が変動するのはどの病態の特徴か?
A. 消化性潰瘍
B. 急性膵炎
C. 大動脈解離
D. 胆石症
E. 胃炎

答え: C
痛みの部位が変動するのは大動脈解離に特徴的な症状である。


問題19

体温調節の中枢があるのはどこか?
A. 延髄
B. 視床下部
C. 脊髄
D. 小脳
E. 大脳皮質

答え: B
体温調節の中枢は視床下部にある。


問題20

体温が1℃上昇すると心拍数はどれくらい増加するか?
A. 2〜4回/分
B. 6〜10回/分
C. 11〜15回/分
D. 16〜20回/分
E. 21〜25回/分

答え: B
発熱で体温が1℃上昇すれば、心拍数は6〜10/分増加する。

参考文献:救急救命士標準テキスト



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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト

37_吐血・下血・腰痛・背部痛・体温上昇
 ①音声解説
 ②聞き流し1問1答

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