28_傷病者搬送【救急救命士国家試験対策】
国家試験定期試験出題内容のまとめ
【傷病者搬送】
1. 身体力学と搬送技術
ボディメカニクス: 骨・関節・筋の相互関係や力学的原理を活用した、安全で確実な傷病者搬送に必要な知識。
背筋を伸ばす: 傷病者搬送時に身体を密着させることで、背筋が伸び、効率的に大きな筋肉を使える。
重心を低くする: 搬送時に重心を低くするとバランスが安定。
基底面積: 狭すぎると腰や身体に負担がかかる。
2. 搬送方法と技術
意識障害の傷病者の体位変換:
1人法: 後頸部と上腕部を保持し、側臥位から仰臥位にする。
2人法: 頸部と骨盤を支えながら仰臥位にする方法。
抱き上げ搬送: 歩行困難だが体動が激しくない傷病者に適用。
支持搬送: 下肢負傷などで歩行困難な場合に用いる。
緊急搬送1人法: 衣類の奥襟を把持し、後方へ引きずって搬送する。
緊急搬送2人法: 上腕とベルトを把持して、頭側に引きずる。
緊急搬送毛布法: 毛布やシーツで傷病者を包み、両肩を浮かせて後方へ搬送する。
3. 搬送器具
サブストレッチャー: 狭隘な場所や階段からの搬送に適用。
エアストレッチャー: 空気挿入マットで床や階段のスライド搬送が可能。
布担架: ポリエステル繊維を塩化ビニールで覆ったターポリン製で、防水性あり。
レスキューシート: 4カ所の持ち手で椅子状にして搬送可能。
バスケット型ストレッチャー: 全身固定された傷病者を長距離搬送、つり上げ救出に使用。
メインストレッチャー: 高さ調整と傷病者の病態に応じた体位の調整が可能。
バックボード: 外傷傷病者の全身固定に使用。
スクープストレッチャー: 骨盤骨折、腸管脱出、異物刺さりなどの傷病者に適用。
4. 救出技術
救出搬送: 狭い場所や乗用車からの救出に適用。
緊急救出: 事故車両から迅速に傷病者を救出する方法。
ホバリングとダウンウォッシュ: 空中に静止する飛行状態をホバリングといい、地面に吹き付けられる風をダウンウォッシュという。
問題
傷病者を搬送する際、身体を密着させることにより、________が伸び、大きな筋肉を使うことができる。
基底面積が________すぎると、腰や身体に負担が大きくかかる。
傷病者を搬送する際、重心を低くすることで________が安定する。
ボディメカニクスとは人体の骨・関節・________などの相互関係あるいは力学的原理をいい、安全・確実な傷病者搬送に不可欠な知識である。
意識障害のある傷病者を腹臥位から________へ体位を変換する方法には1人法と2人法がある。
体位変換1人法は、傷病者の後頸部と伸ばした手の反対側の________部を保持して、側臥位にし、ゆっくりと仰臥位にする方法である。
抱き上げ搬送の対象は、________不可能な傷病者で、激しい体動がない場合である。
支持搬送の対象は、意識障害がなく、________の負傷などで起立歩行の困難な傷病者である。
緊急搬送1人法は、傷病者の衣類の________を把持し、後方へ搬送する方法がある。
乗用車の座席などの狭隘な空間から、傷病者を救出し運び出す方法を________搬送という。
緊急搬送2人法は、傷病者の上腕と________を把持し、頭側へ引きずり搬送する方法である。
傷病者の身体を持ち上げず、________を引きずる方法を緊急搬送と呼ぶ。
緊急搬送毛布法は、傷病者を毛布やシーツに包み、________を浮かせ気味に後方へ搬送する方法である。
緊急搬送1人法は、傷病者の背部から________に手を入れ、傷病者の前腕を把持し、後方へ搬送する方法がある。
サブストレッチャーは________や狭隘な場所からメインストレッチャーまでの搬送に使用する。
エアストレッチャーは空気が挿入されたマットがクッションとなり、________や階段でのスライド搬送が可能な搬送器具である。
布担架は素材が________繊維を塩化ビニールで覆ったターポリン(防水布)になっている。
レスキューシートは________カ所の持ち手を持ち、椅子状にして搬送する。
つり上げなどの救出や長距離搬送では________、スクープストレッチャーに全身固定したうえで、バスケット型ストレッチャー(舟型担架)に乗せ、救出搬送する。
メインストレッチャーは数段階の________が調整でき、また傷病者の病態に応じた体位をとることができる。
バックボードは主に________傷病者の全身固定に用いる。
スクープストレッチャーは________や腸管脱出、異物の刺さった傷病者の搬送に使用する。
ホバリングは上向きの推力と機体の________が釣り合うことにより、空中の一点に静止した飛行状態をいう。
ホバリング中に、地面に吹き付けられる風を________という。
緊急救出とは、いち早く事故車両から傷病者を________する方法である。
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解答
傷病者を搬送する際、身体を密着させることにより、背筋が伸び、大きな筋肉を使うことができる。
基底面積が狭すぎると、腰や身体に負担が大きくかかる。
傷病者を搬送する際、重心を低くすることでバランスが安定する。
ボディメカニクスとは人体の骨・関節・筋などの相互関係あるいは力学的原理をいい、安全・確実な傷病者搬送に不可欠な知識である。
意識障害のある傷病者を腹臥位から仰臥位へ体位を変換する方法には1人法と2人法がある。
体位変換1人法は、傷病者の後頸部と伸ばした手の反対側の上腕部を保持して、側臥位にし、ゆっくりと仰臥位にする方法である。
抱き上げ搬送の対象は、歩行不可能な傷病者で、激しい体動がない場合である。
支持搬送の対象は、意識障害がなく、下肢の負傷などで起立歩行の困難な傷病者である。
緊急搬送1人法は、傷病者の衣類の奥襟を把持し、後方へ搬送する方法がある。
乗用車の座席などの狭隘な空間から、傷病者を救出し運び出す方法を救出搬送という。
緊急搬送2人法は、傷病者の上腕とベルトを把持し、頭側へ引きずり搬送する方法である。
傷病者の身体を持ち上げず、下肢を引きずる方法を緊急搬送と呼ぶ。
緊急搬送毛布法は、傷病者を毛布やシーツに包み、両肩を浮かせ気味に後方へ搬送する方法である。
緊急搬送1人法は、傷病者の背部から腋下に手を入れ、傷病者の前腕を把持し、後方へ搬送する方法がある。
サブストレッチャーは階段や狭隘な場所からメインストレッチャーまでの搬送に使用する。
エアストレッチャーは空気が挿入されたマットがクッションとなり、床や階段でのスライド搬送が可能な搬送器具である。
布担架は素材がポリエステル繊維を塩化ビニールで覆ったターポリン(防水布)になっている。
レスキューシートは4カ所の持ち手を持ち、椅子状にして搬送する。
つり上げなどの救出や長距離搬送ではバックボード、スクープストレッチャーに全身固定したうえで、バスケット型ストレッチャー(舟型担架)に乗せ、救出搬送する。
メインストレッチャーは数段階の高さが調整でき、また傷病者の病態に応じた体位をとることができる。
バックボードは主に外傷傷病者の全身固定に用いる。
スクープストレッチャーは骨盤骨折や腸管脱出、異物の刺さった傷病者の搬送に使用する。
ホバリングは上向きの推力と機体の重量が釣り合うことにより、空中の一点に静止した飛行状態をいう。
ホバリング中に、地面に吹き付けられる風をダウンウォッシュという。
緊急救出とは、いち早く事故車両から傷病者を救出する方法である。
練習問題
問題1
傷病者を搬送する際、身体を密着させることで得られる効果はどれか?
A) 背中が丸くなる
B) 大きな筋肉が使えなくなる
C) 足の筋肉が負担を受ける
D) 背筋が伸びる
E) 身体のバランスが崩れる
答え: D) 背筋が伸びる
問題2
搬送時に基底面積が狭すぎると、どのような影響があるか?
A) バランスが良くなる
B) 負担が小さくなる
C) 腰や身体に負担が大きくかかる
D) 腕の筋肉が発達する
E) 疲労が少なくなる
答え: C) 腰や身体に負担が大きくかかる
問題3
搬送時に重心を低くすることで得られる効果はどれか?
A) 負担が増える
B) 筋力が低下する
C) バランスが安定する
D) 呼吸が浅くなる
E) 移動が困難になる
答え: C) バランスが安定する
問題4
ボディメカニクスに含まれる要素はどれか?
A) 骨と筋の連動性
B) 神経と血管の関係
C) 心臓と肺の機能
D) 骨と筋肉の相互関係
E) 消化器系の働き
答え: D) 骨と筋肉の相互関係
問題5
腹臥位から仰臥位へ体位を変換する際に、意識障害のある傷病者に使用される方法はどれか?
A) 1人法
B) 3人法
C) 車椅子法
D) 立位法
E) 直接法
答え: A) 1人法
問題6
体位変換1人法において保持する場所はどれか?
A) 足部
B) 上腕部
C) 腰部
D) 肩部
E) 背部
答え: B) 上腕部
問題7
抱き上げ搬送の対象となるのはどのような傷病者か?
A) 歩行不可能な傷病者
B) 意識がない傷病者
C) 歩行可能な傷病者
D) 激しい体動がある傷病者
E) 自力で立てる傷病者
答え: A) 歩行不可能な傷病者
問題8
支持搬送が適している傷病者はどれか?
A) 意識がない傷病者
B) 歩行可能な傷病者
C) 下肢の負傷があるが意識はある傷病者
D) 歩行不能な傷病者
E) 搬送不要な傷病者
答え: C) 下肢の負傷があるが意識はある傷病者
問題9
緊急搬送1人法において把持する場所はどれか?
A) 上腕
B) 足首
C) 腰部
D) 衣類の奥襟
E) 手首
答え: D) 衣類の奥襟
問題10
乗用車などの狭い空間から傷病者を救出する方法を何と呼ぶか?
A) 緊急搬送
B) サブ搬送
C) 支持搬送
D) 救出搬送
E) 安全搬送
答え: D) 救出搬送
問題11
緊急搬送2人法で把持する場所はどれか?
A) 肩部と腰部
B) 上腕とベルト
C) 足首と腰部
D) 首部と肩部
E) 腰部と足首
答え: B) 上腕とベルト
問題12
緊急搬送で引きずることが多いのはどの部位か?
A) 背部
B) 下肢
C) 腕部
D) 頭部
E) 手部
答え: B) 下肢
問題13
緊急搬送毛布法において浮かせ気味にする部位はどれか?
A) 足部
B) 背部
C) 腹部
D) 両肩
E) 頭部
答え: D) 両肩
問題14
緊急搬送1人法で傷病者を搬送する際に手を入れる部位はどこか?
A) 腋下
B) 足部
C) 腰部
D) 頭部
E) 手首
答え: A) 腋下
問題15
サブストレッチャーが使用される場所として正しいのはどれか?
A) 広い廊下
B) 狭隘な場所
C) 室内
D) 病院のエレベーター
E) 車内
答え: B) 狭隘な場所
問題16
エアストレッチャーが使用される場所として正しいのはどれか?
A) 階段や床
B) 室内のベッド
C) エレベーター内
D) 車内
E) 救急車内
答え: A) 階段や床
問題17
布担架の素材として使用されているものはどれか?
A) 綿
B) ナイロン
C) ターポリン
D) ゴム
E) 金属
答え: C) ターポリン
問題18
レスキューシートは持ち手がいくつあるか?
A) 2カ所
B) 3カ所
C) 4カ所
D) 5カ所
E) 6カ所
答え: C) 4カ所
問題19
つり上げや長距離搬送で使用されるストレッチャーはどれか?
A) バックボード
B) サブストレッチャー
C) バスケット型ストレッチャー
D) スクープストレッチャー
E) エアストレッチャー
答え: C) バスケット型ストレッチャー
問題20
メインストレッチャーの特徴として正しいものはどれか?
A) 高さの調整ができない
B) 傷病者の体位が変えられない
C) 数段階の高さ調整が可能
D) 背部の固定ができない
E) 軽量で折りたためない
答え: C) 数段階の高さ調整が可能
参考文献:救急救命士標準テキスト
救急救命士試験対策に最適!『救急救命士 基礎から応用まで 試験対策問題集』のおすすめポイント
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主な対象者
専門学校・大学の学内試験を控えている学生
国家試験対策の基礎固めをしたい学生
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効率的な学習の3ステップ
講義の復習
授業で強調された内容をメモし、理解できなかった部分は講師に質問!参考書や資料を活用して理解を深めましょう。問題を解く
問題を解くことで理論を実践に結びつけ、時間制限を設けることで試験本番への準備が整います。特に間違えた問題を重点的に復習することが重要です。解答と選択肢を見直す
間違えた問題を振り返り、なぜ間違えたのかを理解して次に活かしましょう。微妙な選択肢の違いにも注目し、落とし穴に気づく力をつけていきます。
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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト
28_傷病者搬送
①音声解説
②聞き流し1問1答
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