21_感染対策・ストレスに対するマネジメント【救急救命士国家試験対策】
国家試験定期試験出題内容のまとめ
【感染対策・ストレスに対するマネジメント】
1. 感染経路と予防策
接触感染: 感染源に直接接触することで成立する感染経路。手指消毒が重要。
飛沫感染: 咳、くしゃみ、会話などにより飛び散った飛沫が他人に伝播する。サージカルマスクの装着が推奨される。
空気感染: 飛沫の水分が蒸発し、小さな飛沫核が空気中に浮遊し吸入されることによって感染する。N95マスクが必要。
経口感染: 汚染された食品や水を摂取することで成立する感染経路。衛生管理と消毒が重要。
節足動物媒介感染: 蚊やダニなどによる刺咬や接触で感染する経路。
2. 消毒薬の使用
エタノール: アルコールの一種で、揮発性の無色液体。一般的な消毒に使用される。
次亜塩素酸ナトリウム: 塩素系の消毒薬で強い殺菌性があり、ウイルス汚染の消毒に適している。
3. 針刺し事故の対応
感染リスク: 主にB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染する可能性がある。
B型肝炎ウイルスの感染率: 無処置の場合、針刺し事故後の感染率は平均で約30%。
4. 結核・新型インフルエンザの対応
結核傷病者の対応: 傷病者にサージカルマスクを装着させ、救急隊員はN95マスクを使用する。
感染症対応後の処理: 使用したマスク、手袋、感染防止衣は感染性廃棄物として処理。
新型インフルエンザ対応: 搬送後に新型インフルエンザが判明した場合、速やかに保健所に報告。
5. ストレスとメンタルヘルス管理
惨事ストレス: 消防官や救急隊員は職業意識が強く、惨事ストレスが見過ごされることがある。「隠れた被災者」ともいわれる。
ストレス障害:
急性ストレス障害(ASD): 心的外傷後、1ヶ月以内に改善する。
心的外傷後ストレス障害(PTSD): 1ヶ月以上持続するストレス障害。急性型(3ヶ月未満)、慢性型(3ヶ月以上)、遅発型(6ヶ月後に発症)。
デフュージング: 災害後8〜12時間以内に、少人数で実施。自由な会話を通じてストレスの発散や軽減を図る。
ストレス耐性: ストレスに対してどの程度対応できるかという強さを指す。
問題
感染源に接触することで成立する感染経路のことを________感染という。
咳、くしゃみ、会話などに際して飛び散る飛沫(鼻汁、唾液のしぶき)に含まれる病原微生物が、他人の口や鼻の粘膜、結膜などに触れて成立する感染経路のことを________感染という。
飛沫の水分が蒸発し、径________μm以下の軽い粒子となったもの(飛沫核)を吸入して感染する経路のことを空気感染という。
病原微生物で汚染された________や水を摂取して感染する経路のことを経口感染という。
蚊、ハエ、ダニなどの節足動物による刺咬や機械的な接触で成立する感染経路のことを________媒介感染という。
エタノールはアルコールの一種で、________性の無色液体である。
次亜塩素酸ナトリウムは塩素系の薬剤で強い________性があり、とくにウイルス汚染の消毒に適している。
針刺し事故で感染の危険がある病原性微生物は、主にB型肝炎ウイルス(HBV)、 C型肝炎ウイルス(HCV)、および________である。
針刺し事故後に無処置であったときのB型肝炎ウイルス(HBV)の感染率は、平均で________%程度といわれている。
結核傷病者の対応として傷病者には________マスクを装着してもらう。
結核傷病者の対応として救急隊員は________マスクを装着する。
感染症傷病者の対応後使用したマスクや手袋、感染防止衣などの防護服は________廃棄物として処理する。
傷病者が搬送後に新型インフルエンザであると判明した場合には、速やかに________などに連絡する。
消防官などは 「訓練されていて強く、________である」「使命感が強い」 といった職業意識があるということで、惨事ストレスは長い間、見過ごされてきた経緯があり、「隠れた被災者」ともいわれる。
ストレスに伴う精神障害などの労災補償状況は年々________傾向にある。
ストレス障害には、悲惨な状況や恐怖の状況での活動体験(心的外傷)後に、ストレス反応が1ヵ月未満に改善する________ストレス障害(ASD)と1ヵ月以上持続する心的外傷後ストレス障害(PTSD)とがある。
心的外傷後ストレス障害は、持続期間や発症時期により、急性型(持続期間が________ヶ月未満)、慢性型(3ヶ月以上)、遅発型(6ヶ月経過後に発症)に分類される。
デフュージングは災害から________〜12時間以内のできるだけ早い時期に、少人数で実施する。
デフュージングは自由な________によって短時間にストレスの発散や軽減を図ることを目的としている。
災害に対応した組織は、部隊ミーティング、精神科医や心理カウンセラーなどメンタルヘルスの専門家の対応により隊員のストレスを軽減させることを目的に________や心理的デブリーフィングを導入している。
ストレスを引き起こす原因を受けた時にどの程度対応できるかと言う強さでありどの程度適切に対処できるかと言う強さのことを________耐性という。
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解答
感染源に接触することで成立する感染経路のことを接触感染という。
咳、くしゃみ、会話などに際して飛び散る飛沫(鼻汁、唾液のしぶき)に含まれる病原微生物が、他人の口や鼻の粘膜、結膜などに触れて成立する感染経路のことを飛沫感染という。
飛沫の水分が蒸発し、径5μm以下の軽い粒子となったもの(飛沫核)を吸入して感染する経路のことを空気感染という。
病原微生物で汚染された食品や水を摂取して感染する経路のことを経口感染という。
蚊、ハエ、ダニなどの節足動物による刺咬や機械的な接触で成立する感染経路のことを節足動物媒介感染という。
エタノールはアルコールの一種で、揮発性の無色液体である。
次亜塩素酸ナトリウムは塩素系の薬剤で強い殺菌性があり、とくにウイルス汚染の消毒に適している。
針刺し事故で感染の危険がある病原性微生物は、主にB型肝炎ウイルス(HBV)、 C型肝炎ウイルス(HCV)、およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)である。
針刺し事故後に無処置であったときのB型肝炎ウイルス(HBV)の感染率は、平均で30%程度といわれている。
結核傷病者の対応として傷病者にはサージカルマスクを装着してもらう。
結核傷病者の対応として救急隊員はN95マスクを装着する。
感染症傷病者の対応後使用したマスクや手袋、感染防止衣などの防護服は感染性廃棄物として処理する。
傷病者が搬送後に新型インフルエンザであると判明した場合には、速やかに保健所などに連絡する。
消防官などは 「訓練されていて強く、冷静である」「使命感が強い」 といった職業意識があるということで、惨事ストレスは長い間、見過ごされてきた経緯があり、「隠れた被災者」ともいわれる。
ストレスに伴う精神障害などの労災補償状況は年々増加傾向にある。
ストレス障害には、悲惨な状況や恐怖の状況での活動体験(心的外傷)後に、ストレス反応が1ヵ月未満に改善する急性ストレス障害(ASD)と1ヵ月以上持続する心的外傷後ストレス障害(PTSD)とがある。
心的外傷後ストレス障害は、持続期間や発症時期により、急性型(持続期間が3ヶ月未満)、慢性型(3ヶ月以上)、遅発型(6ヶ月経過後に発症)に分類される。
デフュージングは災害から8〜12時間以内のできるだけ早い時期に、少人数で実施する。
デフュージングは自由な会話によって短時間にストレスの発散や軽減を図ることを目的としている。
災害に対応した組織は、部隊ミーティング、精神科医や心理カウンセラーなどメンタルヘルスの専門家の対応により隊員のストレスを軽減させることを目的にデフュージングや心理的デブリーフィングを導入している。
ストレスを引き起こす原因を受けた時にどの程度対応できるかと言う強さでありどの程度適切に対処できるかと言う強さのことをストレス耐性という。
練習問題
問題1
感染源に接触することで成立する感染経路を何というか?
A) 経口感染
B) 空気感染
C) 接触感染
D) 飛沫感染
E) 節足動物媒介感染
答え: C) 接触感染
問題2
咳、くしゃみ、会話などで飛び散る飛沫に含まれる病原微生物が他人の口や鼻の粘膜に触れて感染する経路を何というか?
A) 空気感染
B) 飛沫感染
C) 経口感染
D) 接触感染
E) 節足動物媒介感染
答え: B) 飛沫感染
問題3
飛沫の水分が蒸発し、径5μm以下の軽い粒子を吸入して感染する経路を何というか?
A) 空気感染
B) 接触感染
C) 飛沫感染
D) 経口感染
E) 媒介感染
答え: A) 空気感染
問題4
病原微生物で汚染された食品や水を摂取して感染する経路を何というか?
A) 空気感染
B) 接触感染
C) 飛沫感染
D) 経口感染
E) 媒介感染
答え: D) 経口感染
問題5
蚊、ハエ、ダニなどの節足動物による刺咬や機械的な接触で成立する感染経路を何というか?
A) 経口感染
B) 空気感染
C) 節足動物媒介感染
D) 飛沫感染
E) 接触感染
答え: C) 節足動物媒介感染
問題6
エタノールの性質で正しいものはどれか?
A) 不揮発性
B) 黒色の液体
C) 揮発性の無色液体
D) 固体
E) 黄色の液体
答え: C) 揮発性の無色液体
問題7
次亜塩素酸ナトリウムの性質で正しいものはどれか?
A) アルコール系薬剤
B) 殺菌性が強く、ウイルス汚染の消毒に適している
C) 殺菌性が低く、消毒には不適
D) 冷却剤として使用される
E) 常温で固体である
答え: B) 殺菌性が強く、ウイルス汚染の消毒に適している
問題8
針刺し事故で感染の危険がある病原性微生物に該当しないものはどれか?
A) B型肝炎ウイルス(HBV)
B) C型肝炎ウイルス(HCV)
C) ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
D) インフルエンザウイルス
E) 以上すべて該当する
答え: D) インフルエンザウイルス
問題9
針刺し事故後に無処置であったときのB型肝炎ウイルス(HBV)の感染率はどれくらいか?
A) 10%
B) 20%
C) 30%
D) 40%
E) 50%
答え: C) 30%
問題10
結核傷病者の対応で、傷病者に装着させるマスクの種類はどれか?
A) N95マスク
B) フェイスシールド
C) サージカルマスク
D) 医療用ガスマスク
E) 布マスク
答え: C) サージカルマスク
問題11
結核傷病者の対応で、救急隊員が装着するマスクはどれか?
A) サージカルマスク
B) 布マスク
C) フェイスシールド
D) N95マスク
E) ガスマスク
答え: D) N95マスク
問題12
感染症傷病者の対応後、使用したマスクや手袋、防護服などはどのように処理するか?
A) 一般廃棄物として処理
B) 感染性廃棄物として処理
C) 燃やさないで処理
D) 破棄せず再利用
E) 消毒後再使用
答え: B) 感染性廃棄物として処理
問題13
傷病者が搬送後に新型インフルエンザであると判明した場合、まず連絡するのはどこか?
A) 保健所
B) 警察署
C) 消防本部
D) 家族
E) 病院の受付
答え: A) 保健所
問題14
消防官が「訓練されていて強く、冷静である」「使命感が強い」といった職業意識を持つことで、惨事ストレスが見過ごされてきた職業的特徴は何と呼ばれるか?
A) 潜在被災者
B) 隠れた被災者
C) 植え付けられた被災者
D) 強化された被災者
E) 自覚なき被災者
答え: B) 隠れた被災者
問題15
ストレスに伴う精神障害などの労災補償状況はどのように推移しているか?
A) 減少傾向
B) 増加傾向
C) 横ばい
D) 大きく減少
E) 急激に増加
答え: B) 増加傾向
問題16
急性ストレス障害(ASD)と心的外傷後ストレス障害(PTSD)の違いは何か?
A) ASDは1ヶ月以上、PTSDは1ヶ月未満
B) ASDは1ヶ月未満、PTSDは1ヶ月以上持続する
C) ASDは3ヶ月以上、PTSDは1ヶ月未満
D) ASDは急性型、PTSDは遅発型
E) どちらも1年以上持続する
答え: B) ASDは1ヶ月未満、PTSDは1ヶ月以上持続する
問題17
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の遅発型はいつ発症するか?
A) 発症から1週間以内
B) 3ヶ月以内
C) 6ヶ月以上経過後
D) 1ヶ月以内
E) 1年以上経過後
答え: C) 6ヶ月以上経過後
問題18
デフュージングは災害からどのくらいの時間内に行うのが理想か?
A) 2~4時間
B) 4~8時間
C) 8~12時間
D) 12~16時間
E) 16~24時間
答え: C) 8~12時間
問題19
デフュージングの目的として正しいものはどれか?
A) 治療方針を決定するための会議
B) 隊員のスキル向上
C) 自由な会話によるストレスの発散や軽減
D) 救急活動の統計データ収集
E) 訓練の進行確認
答え: C) 自由な会話によるストレスの発散や軽減
問題20
ストレスに対する対処能力の強さを表すものはどれか?
A) 精神的耐久性
B) ストレス回避
C) ストレス耐性
D) 忍耐力
E) 柔軟性
答え: C) ストレス耐性
参考文献:救急救命士標準テキスト
救急救命士試験対策に最適!『救急救命士 基礎から応用まで 試験対策問題集』のおすすめポイント
救急救命士を目指している学生の皆さんに、講義での学習に加えてしっかりとした試験対策ができる問題集をご紹介します!その名も『救急救命士 基礎から応用まで 試験対策問題集』です。
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主な対象者
専門学校・大学の学内試験を控えている学生
国家試験対策の基礎固めをしたい学生
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効率的な学習の3ステップ
講義の復習
授業で強調された内容をメモし、理解できなかった部分は講師に質問!参考書や資料を活用して理解を深めましょう。問題を解く
問題を解くことで理論を実践に結びつけ、時間制限を設けることで試験本番への準備が整います。特に間違えた問題を重点的に復習することが重要です。解答と選択肢を見直す
間違えた問題を振り返り、なぜ間違えたのかを理解して次に活かしましょう。微妙な選択肢の違いにも注目し、落とし穴に気づく力をつけていきます。
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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト
21_感染対策・ストレスに対するマネジメント
①音声解説
②聞き流し1問1答
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