リアルタイム 2020年6月10日 廃校
ちょっと驚いたことがあったから、リアルタイムで書く。
近所の小学校のこと。
少子化の影響で、20年か30年くらい前から、公立の小学校や中学校の廃校が進んでいる。
うちの近くの小学校も15年前にとうとう廃校になって、隣の学区の小学校と合併した。
そういえば、最近小学生の姿がメッキリ少なくなったのは、隣の学区の小学校に続く通学路が、うちと反対方向だからだと、数年前に気づいた。
子供の声がしなくて静かだけど、ちょっと寂しい。
廃校になった校舎は、シニアのサークルが使っていたり、芸術家の人たちの作業場だったり、
たまに催し物をやっているから、有効活用されている。
出入りする人たちの年齢層が高くなっているだけで、廃校の学校とは思えない綺麗さである。
そんな、一応運営されている小学校もステイホームで、老人の姿すらなく、寂しげだったが、
やっと緊急事態宣言も解除されて、ちらほら、通学する子供を見かける。
小学校の前の通りを、黄色い帽子をかぶってランドセルを背負った小学生が歩いていた。
あれ?隣の学区の小学校は反対方向なのに、廃校になった小学校に向かってあるいている。
そのうち、小学生が、1人、2人、と増えてきて、
おはよう、ひさしぶり、と声を掛け合っていて、
校門の前に、先生らしき女性が、その小学生を出迎えていた。
「おはよう、げんきにしてた?」
「先生、おはようございます」
え?どいうこと?
垣根の向こうの校庭に目をやると、たくさんの児童が、校庭の真ん中で整列している。
門は取り壊されたはずなのに、「〇〇区立○○小学校」という銅製の立派な門が朝日に光っている。
取り外されたはずのカーテンが、空いている窓からゆらゆら揺れるのが見える。
普通の、ごく普通の小学校の光景である。
でも、廃校になったことを知っている自分にとっては、異様すぎる光景だった。
まさしく、異次元の世界である。
この学校が廃校になったのは、15年以上前で、近所の子が通っていたらから、隣の学区まで遠くなって大変だということは、耳にタコができるほど聞いていた。
まさか、また、復活した?
人口が増える地域ではないから、その可能性はない。
だいたい、もし、復活したのであれば、近所なのだから、情報が入るはずである。
なんだろう、なんだろう。
やはり、異次元の世界なんだ。
それしか考えられない。
廃校になったはずの学校が、生きている世界。
人間だって死んだはずの人が生きているのだから、学校が生きているのも、ありえる。
そういえば、ここの世界では、家族を非常に大事にしているようだから、子供の数が多いのかもしれない。
もしかしたら、昔のピラミッド型の人口分布なのかもしれない。
この世界は、一体、何でできているのだろうか?
また、変なことを考えてしまう。
ここの世界は、デジタルなのかもしれない。
仮想空間。
バーチャルリアリティー。
やっぱり、死後の世界なのかもしれない。
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