2日目 ~フェリーとシャワーとサンゴ垣~
二日目
起床。奇跡的にアラームと同時に起きることができた。コンディションは上々(若干首が痛い。寝違えた?)。よく眠れた。
なかなか離してくれないベッドに別れを告げ、同室の友人たちと共に朝食へ。コーヒーが美味かった。
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スーツケースを運んでバスに乗り、フェリーに乗る港、運天港に向かう。着くと、既に姿を表しているデカいフェリーが一隻。
これに乗って伊平屋島に向かうわけだ。
港にはやはりというかなんというか、かなりの軽石が漂着していた。上を歩けそうなほど密集していて、そこだけ水の色が違うのではないかと錯覚する。
この旅行が始まる前々から「軽石の影響でフェリーが欠航するかもしれない」とは聞かされていた我々。どうなるかはその日までわからない状況だったので、本当にウンk間違えた運航してくれてよかった。
アナウンスが流れ、いよいよ発進!!搭乗時間は一時間ちょっと。さあ、船内を冒険しよう!!
フェリー内は3階建てになっていて、結構広い。自販機やらテレビやらもあって、3日くらいなら住めそうな感じ。
そして何より、甲板に出ると本当に景色がいい!海はありえないくらい青くて、空とのコントラストが綺麗。この日は一日中気持ちのいい晴れで、太陽もよく照っていた。船からでる水飛沫には稀に虹が見えて、キラキラ光って美しい。
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しばらく景色を眺めていると、前方にうっすらと二つの島が見えてきた。手前が伊是名島、奥が我々の向かう伊平屋島だ。だんだん鮮明に見えてくる島に興奮を隠しきれない。
伊平屋島は、想像していたよりもはるかに大きい。陸には2つの山が仲良く並んでいて、ひょっこりひょうたん島を彷彿とさせる。
そして片方の山には謎に露出した岩肌が。
断層になっているのがフェリーの上からも確認でき、いったいどんな風に出来たんだろう、と地学選択者の血が騒ぐ。残念ながらこの度の旅で訪れることはできなかったが、友人の話によるとアレはチャート(放散虫などの生物の化石が堆積してできる地層)だったらしい。やはり伊平屋島も、昔は海底に沈んでいたということだ。
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民泊先の方は、我々のフェリーがついた頃にはすでに港に迎えに来て下さっており、すぐに対面できた。5~60代くらいの明るい女性の方で、名前は仮にNさんとしておく。港のすぐ近くで、青い屋根の居酒屋をやってらっしゃった。
Nさんのお宅はお店とは別にあって、港から車で10分くらいのところの、木造の平屋だった。初めて実際に見られたサンゴ垣(サンゴを積み上げて石垣のようにしたもの)
と、かっこいい石の屋根に興奮を隠し切れない。彩度の高い空と、やけに根っこが頑丈そうな緑色の木のコントラストが映えていた。
なんというか、伊平屋島の景色は全体的に彩度が高い。沖縄本島とはまた違った景色だ。
離れに案内され、荷物を一旦置いて母屋に向かうと、Nさんのお母さん(以下おばあちゃん)がいらっしゃって、暖かく出迎えて下さった。
話によるとNさんのお宅はかなりの大家族で、家系図を書いたら平安時代の天皇の家系図みたいになりそうな予感。近所にはNさんの旦那さんや従兄弟、孫なども住んでいらっしゃって、民泊期間中、様々なところでお世話になった。
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おばあちゃんがご飯を用意してくださっていて、我々は早速昼食をいただくことに。
献立はカレーライスとソーキ汁(豚の骨付きの塊がゴロゴロ入った味噌汁)。どっちもめちゃめちゃ美味かった。味がしっかりしてるのにくどくない。ホテルの朝メシをかなりの量頂いたにも関わらず、箸の進みは早かった。おかわりもした。
昼食が終わるとクラスごとのビーチレクがすぐにあって、Nさんの娘さんとお孫さん(7歳くらいの男の子。かわいいね。)に車で送っていただいた。
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車を降りて開けたほうへ向かうと、どこまでも真っ白なビーチ!!………というわけではなく、軽石が結構漂着してる。レクレーションのビーチバレーとサッカーをするのにもなかなか不便(踏むと痛い)で、まずはクラスメート達と軽石の撤去作業を行った。コートにする一部分だけといえどもキリがなくて割と大変。
基本は小石か砂利ぐらいの大きさなのだが、たまにジャガイモぐらいデカいのもあった。
あちこちに軽石が漂着していたが、それでもやっぱり綺麗な白のビーチ。砂の粒が結構大きく、にぎるとふわふわした感触。人をダメにするクッションの中身を思い出した。
バレーは僅差で負けた。無念。
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家に帰りしばらくすると、突然謎の放送で音楽が流れ始めた。時計を見てみると17:30。注意して聞いてみると、「子供たちはおうちへ帰りましょう」…的な内容が聴こえてくる。どうやら島中で流れている様子。夕焼けチャイムはどの地域にも存在するらしい。子供たちは慌てて家路を急いだことだろう。
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夜ご飯は、前述した港のNさんのお店でいただいた。
献立はステーキ、伊勢海老の味噌汁、刺身…などなど。相変わらずめちゃくちゃ美味い!!伊勢海老の味噌汁は、うわさを聞いたことはあっても食べるのは初めてだった。が、期待を簡単に、まるで4つしか積んでいない跳び箱のように乗り越えてくれるほど美味かった。お米のお替りもさせていただいた。
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夕食が終わり、再び家に戻ってきた。
この日はもう風呂に入って寝るだけで、同じ民泊先の班員たちと風呂の順番を決めた。私は6人中2番。友人達とお話(詳細は省く)をしながら、一人目の期間を待った。
帰ってきた一人目の友人は、何やら微妙な表情。おばあちゃんに「浴槽は使えない」と言われており、シャワーだけの入浴となったからだろうか。
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まあいい、実際に入ってみれば分かる。私は寝間着とタオルと石鹼、そして明日のパンツを持って、離れのさらに奥にある風呂へ足を進めた。
友人の表情が微妙だった理由は、入ってすぐに分かった。おそらくは私がこれまで体験した中で最もハイレベルな風呂だったであろう。
まず、ドアクローザー(ドアが閉まるスピードを一定に保ち、「バァン!!」ってなるのを防いでくれるヤツ)がぶっ壊れてる。がちがちに錆びてて、よくわからない何かが堆積しているその姿はまるで古城の様。
これは我々の寝ている離れのドアも同じで、我々はドアが閉まるギリギリまでノブを握り、セルフで優しく締めないと鼓膜がぶっ壊れるという上級者御用達のドアと付き合うこととなっていた。
まだまだこんなもんじゃあないぜ。脱衣所が存在しない。服の着脱は全て、風呂場で行う。一応ワゴンカートが衣類を置くように用意されているのだが、普通にシャワーが届き得る位置に置かれているため、一瞬でも気を抜けば危険が危ない。新品のパンツがビショビショになってしまう。
だが、まだまだラスボスが残っている。そう、最たる難関はシャワーだった。
あのシャワーから流れる水を文字で表現するとしたら、
「しょわわわゎゎゎ・・・」
と、いった感じだろうか。小さいころ持っていた、小さいゾウさんのじょうろを思い出させる水圧。シャンプーは一向に流れる気配がなかった。そして水温の調節には、数ミリレベルで蛇口をひねる制度が求められるというおまけつき。一体何回「熱っ」と「冷たっ」を口にしただろうか。
部屋に戻り、タオルを干す。「どうだった?」と聞いてくる友人には、「レベルが高い」とだけ言っておいた。
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全員が風呂に入り終えると、そのまま流れで皆布団へ。明日は丸1日を伊平屋島で過ごすことになる。シークワーサーを取りに行ったりするらしい。どんな知らないことが待っているか楽しみだ。
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おまけ
島の猫。伊平屋島には結構野良猫が多い。人慣れもしていて、近くでお写真奉ってもお逃げにならない。かわいいね。