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母の幻の手作り餃子ハンバーグ。

実家の母がハンバーグを作ってくれました。
ハンバーグ食べたいけれど、年齢のせいか胃もたれがしてしまうため、
食べるのは母の作ったハンバーグのみと決めています。

さっぱりしているからではありません。
むしろケチャップ、ソースもたーっぷりふんだんに使われいてます。
おまけに今日はナポリタン付きでした。
たまになら、胃もたれも我慢できるからです。

味は、もちろんおいしいです。無理などしていません。
本当にそう思っています。
ただ一つの例外を除いては・・・・。

母はもうすぐ80代。娘の私なんかよりも家事に趣味にチャキチャキと動いています。
昭和の団塊世代おそるべしです。

料理は作るの嫌いといいつつも、家族がリクエストしたものはちゃんとつくってくれます。
テレビで見何故か作料理もお披露目してくれます。
私たち家族は「おいしい」と言いながら食べています。

唯一、無言になってしまったもの。それが「餃子ハンバーグ」なのです。
味は想像して頂けると思いますが、簡単に言えば餃子にデミグラスソースをかけたようなものです。

お肉は餃子の味。ソースはデミグラスソース。
口の中で餃子とソースがどうしても混ざり合いません。

母は餃子のタネを作りすぎてしまい、そのまま餃子にするのもなんかねえと
思ったときに閃いたのが「そうだ、ハンバーグにすればいいんじゃない」
そう、ギョーザハンバーグの出来上がりです。

無言でもそもそ食べる私たちを見て、母も一口食べました。そして何も言わずに箸を動かし続けました。
私たちも黙って餃子ハンバーグを食べ続けました。
餃子ハンバーグがその後、食卓に上らなくなったのはいうまでもありません。

いいのです。ご飯をたべれるだけありがたいのです。
誰かが作ってくれるご飯を食べれるだけありがたいのです。
文句を言うなんて罰が当たります。

かくいう私は子供のころ、母が作ってくれた餃子に飽きてしまったときがありました。
たまたま買ってきた冷凍餃子の味があまりに斬新で、こっちの方がおいしいと思わず言ってしまい、母に大激怒されたのを今でも覚えています。

お母さん、あの時はごめんなさい。
やっぱりお母さんが作ってくれた餃子が一番おいしい。
皮がパリパリじゃなくても、肉汁が出なくても、餡が皮からはみ出していも

懐かしい、食べなれた味が一番おいしい。
これは、大人になってからじゃないと気づけない。
自分が苦労して、始めて人の苦労が分かる。

だから大人も悪くない。
人は感謝の気持ちが大事。
だから、お母さん。いつも気遣ってくれてありがとう。

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