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「年をとっても、やれることをがんばるしかないんです」

私は障碍者の入所施設で働いています。
最近、仕事をしていてしみじみ思うことがあります。
それは、「みんな、年を取ったなあ」と感じることです。

もちろん自分も含めてですが。その証拠に最近、仕事の合間に話すことと言えば、身体の不調か家族の介護と決まっており、なかなか明るく笑い飛ばせないシビアな現実もあります、

そんなある日、私は記録が全然終わらず、必死の形相で記録をパソコンに打ち込んでいました。就業時間はもうすぐそこまで迫っていました。

すると、ピンコーンという高らかな音と共にナースコールが鳴りました。
私はコールを受ける場所から遠かったので、近くにいる先輩が受けてくれるのかなと期待をしていると、先輩が椅子に座ったままぼそっと一言。

「ねえ、なんか鳴ってない?」「えー、そう?・・・・」
ガクッ。思わずパソコンに頭をぶつけるところでした。
いえいえ、鳴ってるに決まってるでしょ! 私は心の中でツッコミ、先輩がとる気がないと分かった瞬間、猛ダッシュをしてナースコールをつかみ「もしもし?!どうしました?!」と叫びました。

利用者からの返事は
「ねえ、トイレットペーパーないんだよね。持ってきてくんない」でした。

周りを見渡せば、65歳、67歳、69歳の大先輩方。そう、皆さん日々の過酷な業務に体力も精神力もすでに限界です。もう動きたくないと目が申しておりました。

この中で一番若いのはアラフィフ女子の私ですが、「すみません、私も疲れてます」などと口が裂けても言えるはずもなく・・。
気力を振り絞り、トイレットペーパーをつかんでトイレに走ったのは言うまでもありません。

私の働く職場にはついに20代がいなくなりました。退職したわけではなく皆、いつの間にか30代になってしまったのです。
職場の中心は私たちアラフィフ世代です。50代、60代が占める割合は全体の
7割にはなるでしょう。

この先、若い人がこのまま入ってこなくなったらいったいどうなるのでしょうか・・・。もう不安でしかありません。
他の職場もなかなか若い人が入ってこないというのが悩みと聞いています。

確かに3K、今やもっとかもしれませんが割りに合わないと感じているのかもしれないなあとは思います。

それでも、20代の若い人に入ってきて欲しいと、どこも切実な願いを抱えていると思います。

うちの職場で一番、切実に願っているのは一番若いA君でしょう。
20代前半で入職し、今やフロアーリーダにまでなったのに、未だに一番年下で皆からはまだ下っ端扱いをされてしまう気の毒さ。
早くA君に、年下の可愛い後輩とつるませてあげたいと願う日々です。

そういえば誰かは、忘れてしまいましたが、
「今日が人生で一番若い日」という言葉を聞いたことがあります。

一番大事なのは年齢に囚われることでなくて、今を大切にすること。
まずはこの現実をちゃんと受け止めていきたいと思います。

こんな文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。







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