大塚国際美術館への弾丸ツアー
ずっと行きたいと思っていた大塚国際美術館に遂に行って参りました。
1998年に開館され2023年に25周年を迎えた大塚国際美術館。
場所は淡路島を渡った先の徳島県の大毛島にあります。元々山を削って作られていて、広さも約3万㎡でめちゃくちゃ大きいです。GoogleのAIのGeminiで調べて見たら東京ドーム3.8個分で、4人で手を繋いで歩くと891歩かかる距離というイメージしにくい回答もありました。いずれにしてもとても広いということです。
展示されている作品は全て陶板で作られているため、近くで見るのもOK、触るのもOK、フラッシュをしなければ写真撮影もOKです!
因みにこの陶板2000年位持つそうです。
創設者はポカリスエットで有名な大塚製薬の大塚武三郎氏の息子の大塚正士氏。大塚国際美術館美術館の代名詞である陶板の元となる大塚オーミ陶業を1967年に設立して、名画の複製技術を開発しています。
その技術を使って世界の名画が1000点余り展示されているわけですが、古代から現代にわたって、美術雑誌などに掲載されている名画はほぼ網羅されています。
レオナルド・ダ・ヴィンチを始め、ゴッホ、日本人大好きのフェルメール、オランダの巨匠レンブラント、印象派の先駆者ターナー、現代アートのピカソ、アンディ・ウォーホルに至るまで、本当にこれでもかというほどの名画が揃っています。
そんな経緯で作られた大塚国際美術館。美術館そのものが素晴らしいのは言うまでもないのですが、贅沢な悩みとしては、1日で周るのはなかなか大変ということです。
朝、新幹線で新神戸へ向かい、そこからバスで約2時間、11時頃に美術館に到着しましたが、そこから鑑賞し始めてひと通り周れて、時間を見たら午後の4時近くになっていました。私は翌日の早めの時間に帰らなければならなかったため1日で周りましたが、この経験則から、1泊2日で大毛島内のホテルに泊まって、2日間かけてゆっくり観るというのがオススメです。
でも弾丸旅行で行ってでも観る価値はありますし、高い満足度が得られると思います。
作品に関しては先ほども触れたように、名画がこれでもかというほど展示されていますが、その中でも気になったものをいくつか挙げてみたいと思います。
まずは、ゴッホの7枚のひまわり。
以前もゴッホについてはノートに書きましたが、現存するひまわりは6枚で、そのうちの1枚はアメリカで個人所有されているため、一般に見られるのは5枚のみです。残りの1枚は戦前の日本の実業家であった山本雇用弥太が所有していましたが、第二次世界大戦時に消失してしまいました。
でも、この大塚国際美術館であれば、その7枚全てが一緒に見られます。復元されたひまわりは完成度も高くこれを観るだけでも行く価値はあります。
次にヤン・ファン・エイク兄弟のヘントの祭壇画。
北方ヨーロッパ絵画の最高峰であるヘントの祭壇画は幅3.3メートルを超える巨大なもので、12枚の絵で構成されています。
ヒトラー率いるドイツ軍に押収され何とか連合国軍によって回収されたこの祭壇画ですが、これもひまわりと同様に12枚のうち一番左下にあるものだけが現在も行方不明となっていて、今は複製されたものがはめ込まれています。
そして、大塚国際美術館の良いところは、この祭壇画の裏側も覗き込んで見られることです。通常の美術館であれば祭壇画の裏側まで見ることはできませんし、近付くことさえも難しいです。でも、それを可能としているのが陶板絵画の良さで、さらに原寸大なので迫力も満点です。
最後に挙げたいのは古代ギリシャ、ローマ時代の壁画なども豊富で、岩窟もリアルに再現されています。そこは陶板でなくても良いのでは?と思えるものも、高い技術力で忠実に複製されています。
システィーナ礼拝堂も美術館の正面を入るとすぐ現れて圧倒されますが、この古代ギリシャ・ローマ時代の作品もトルコのカッパドキアにある聖テオドール聖堂壁画など、現地で行くのもなかなか難しいものも、気軽に観ることができます。
10年近く行きたいなと思っていて、ようやく訪問できた大塚国際美術館。いざ行こうと思えばちょっと時間はかかりますが、行けないこともないので、行かれたことがないのであれば、是非足を運ばれることをオススメします!
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