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ドカ貧の日本

何だか暗いタイトルになってきましたが、東京マーケットがいよいよ新興国株価の様相を呈してきました。

というのも、為替安、株高のセットは歴史的に見てもトルコやアルゼンチンのようなインフレに苦しみ為替安で輸出、観光頼りとなる新興国によくある現象です。

今日本は春闘でも5%を超える賃金インフレで、しかも失われた30年、バブル期以降の株高で景気が良さそうな雰囲気を醸し出しています。でも肌感としてそんなに景気良い?と思われている方が多いと思います。

それもそのはず。現在の消費者物価指数は少し落ち着きましたが、一時は賃金上昇率よりも物価上昇率の方が上回っていて、さらに賃金上昇と言っても一部の大企業を除く多くの中小企業ではなかなか賃上げされていないからです。

最近ニュースでは日銀のマイナス金利解除が話題になっていました。マイナス金利は簡単に言えば、銀行が日銀に一定額預けているキャッシュに対して、利息を付けずに預けているだけで目減りさせることで、日銀への預けさせずに市中にお金をバラ撒いて景気を刺激しようという政策です。この政策を解除するということは、金利上昇ということなので、首を絞めるように経済の過熱を取り払うということになります。

もちろんアメリカやヨーロッパと比較すると僅かな引き上げになるので、急激な金融引き締めにはなりませんが、当然、経営者としてはお金を借りるのに利息が増えるので、設備投資も遠慮され、人件費も上げにくい状況になります。

このマイナス金利解除についても、折角賃金が上がり出したのに日銀は何をやっているんだといお叱りが多方面から聞かれますが、中央銀行としては正しい政策で、特に賃金インフレはクセになり、抑え込むのが難しいため、かなり気を遣ってコントロールしていかなければなりません。

そこでここからが大事な点で、通常は金利上昇するとただ預けておくだけでノーリスクで利益が得られるので為替高、つまり円高になりますが、マイナス金利解除が報道された後は一瞬円高に動きましたが、その後は再度50年振りの位置での円安に動いています。

それはなぜか?
単純に言えば、理想買いの現実売りで、材料出尽くしということもありますが、理由の一つは、マイナス金利を脱却してもファンダメンタルズ、つまり経済指標は良くならないと世界から思われていることです。
また、世界的に金融緩和の方向に動き出しているにも関わらず、日本だけインフレ政策をとっていることから、世界からのまだまだ金利上昇させろというインフレプレッシャーもあります。
さらに日本にはアメリカの半導体大手のエヌビディアような高付加価値の企業が殆どなく、AIによる生産性向上も図れてません。

今後、ドルで持った方が良いかなと思う人が増えれば増えるほどさらに円安になり、銀行から預金が引き出されると、銀行倒産が始まりバタバタと瓦解していくというシナリオもひょっとするとあるかもしれません。

当然、私自身この状況を望んでいるわけではなく、少しでも力になりたいと思ってはいますが、理想と現実には差があるため、個人防衛できるところはしていこうという考えでいます。

そのためには投資が重要になってきます。冒頭でも新興国について触れましたが、為替安で株高になるなら資産の目減りを防ぐためには、株式投資ということになります。

過去のバブル期のようにただ預けておけば10年で倍になるという状況は直近の未来では起こり得ないので、金融を学びつつコツコツと積み立てていくしかありません。

この金融リテラシーはなかなか一朝一夕で身に付けられるものではありませんが、親も勉強して家庭でも普段の会話の中でさらっと話せるようにならないといけない世界がすぐ間近に迫っています。

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