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年末帰省-東京近辺の河川敷ヒメマイ-


 年末に東京の実家に帰省することにした。この帰省期間中に、東京近辺の4つの大河川、利根川、荒川、多摩川、相模川の河川敷でヒメマイを採るという目標を一つ自分の中で設けてみた。

2024/12/28 相模川

 高校時代、相模川へオサ堀に行ったのは一度だけであった。それは愛川町で2匹のみというものだったが、そのポイントはまあ、なんというかまた行こうという気にはなれない場所で、今回はそこよりもやや上流部の河川敷へ足を運んだ。諸事情で採集時間は1時間半しか取れなかった。

 近くに山があり、河畔林が広く良さげな環境だと感じた。ウサギの糞を見かけた。木津川の河川敷でも野兎を見たことがあるのだが野兎は河川敷に生息しやすいのだろう。

こんな環境

 湿り気の強い材の表面付近からクロナガオサムシが出て来た。堀りでクロナガを採ったのは初めてで嬉しい。同じ材の40cmほど横からもう一匹出てきて雌雄を得ることができた。

クロナガオサムシ ♂
クロナガオサムシ ♀

 残念ながらこの採集についてもう書けることはない。相模川ヒメマイ敗戦…

2024/12/29 荒川

 埼玉某所へ糖蜜採集に行くついでに、糖蜜ポイント近くを流れる荒川の河川敷で少し掘ってみようというのんびりスケジュールで動こうとした。糖蜜は時期もあるのでアヤモクメくらい採れればいいやという程度の気持ちで中高の後輩2人と行った。

 ポイントへ向かう途中、新宿でのんびり散歩して家系を食べていたらポイント着が予定より大分遅くなってしまった。浪人生として過ごした去年、毎日1-3時間散歩していた新宿の街は相変わらず好きになれない空気に包まれていた。

浪人期に世話になった建物
京都では家系の選択肢が少ない

 遅くなったが日没時刻30分前にポイント着。後輩の1人(高一)は昼過ぎにはすでに着いていたそうだ。彼と河川敷に向かう。

 もう一人の後輩は日没時刻15分前ほどに着くらしい。日没時刻ごろに糖蜜を撒き始めたいので河川敷での採集時間は30分もない。草原に木がポツポツ立っているような環境で、掘りやすい材があまり落ちていない。

 手慰みにその辺に転がっていた固い材を裏返しバールでほじくってみる。「こんな材からマイマイは出ないと思うけどね」などと後輩と話していると案の定タダヨツとアオゴミくらいしか出ない。材の固さゆえにこれ以上掘る気力が無くなり「やっぱりいないね」などと言って材を裏返し元の場所に戻そうとした。見落としはないかと、材が元あった窪みの材の欠片が落ちているところに目を向けると、なんとマイマイカブリがテクテク歩いた。

荒川ヒメマイ クリア

 材の下に越冬窩を作っていたのか、材の表面部の柔らかいところに潜っていたのが材を返した衝撃でぽろっと落ちたのか、どういうわけでここに歩いているのかはわからないが綺麗な青色の胸を持つヒメマイマイカブリがそこにいた。京都では黒いホンマイマイしか見れないので久々の青いヒメマイに感動した。美しい。何はともあれ荒川ヒメマイ回収成功。

 その後10分ほど付近で掘ってみるも追加はなし。日没時刻はとうに過ぎ流石に暗くなって来たので切り上げて糖蜜を始めた。

 糖蜜を撒き終わるころには完全に暗くなってしまった。飛来は渋めだったものの、京都では産地を見つけられていないアヤモクメは無事に何頭か見ることができた。後から合流した後輩に「こんな時期にここで糖蜜なんて狂っている、2月中旬は楽しいが今の時期にやるなんて頭がおかしい」などと散々に言われ、ちょっと凹んだ。誘ったら二つ返事で行くって言ったくせに、、。

アヤモクメキリガ
ウスミミモンキリガ
ミツボシキリガ
アヤモクメキリガ
アヤモクメキリガ

 何度見てもアヤモクメは素晴らしい蛾だ。大きくてキリガの王様って感じがする(小並感)。頑張って京大から自転車で行ける範囲で採集してみたいものだ。

2024/12/30 相模川_リベンジ

 先日の相模川(12/28)ではクロナガしか採れなかったが、環境は良好だったため、時間さえあればマイマイくらい出せるはずだと信じリベンジに挑んだ。今回は先日いった場所付近で逆の岸へ行ってみた。

 広い河畔林で入った場所付近では材がそこら中に密集して積まれていた。こんなに多いと分散してしまい集団は当てにくいのだろうなとか思いつつ勘でいい雰囲気のものを崩していく。

固い材ばかり
クサオオアリの初期コロニー

 アリが出た。初期コロニーを見るのは初めて。

 写真は撮れなかったが野兎がいた。

 よく朽ちた素晴らしい立ち枯れがあり勝ちを確信したのだがゴミダマとテントウムシくらいしかいなかった。悲しい。

カメノコテントウ

 諸事情で今回も制限時間は約2時間ほど。結局、この日採れたオサムシはクロナガオサムシ1匹のみであった。これだけ良さげな河畔林があって1匹もマイマイを出せないとは、、。密度が低いのか採集のセンスがないだけなのか、もしかしたら上流部で山が近いとマイマイは少ないのかもしれない。

 カミキリムシの幼虫は持ち帰って素揚げにいて頂いた。久々に味わう冬の味覚。

カミキリムシの幼虫の素揚げ

2025/01/02 利根川

 高一来の友人のマルコに案内してもらう形で、蝶研同期のnigrofuscata(本人希望のネックネーム)を加えた3人で茨城某所へ行った。

 河川敷に降りてそろそろ掘り始めようかなどと話している時、ちょうど道沿いに立ち枯れがあったので適当に崩してみる。固い材の柔らかい部分を少し崩すと早速1頭出て来た。開始0分で利根川ヒメマイ回収成功。色は黒めだが中々な大きさのメスである。

ヒメマイマイカブリ

 開始早々一瞬で採れてポテンシャルの強さを感じたが、その後周辺の河畔林で1時間ほど掘り続けるも追加はなし。電話口で聞くマルコの成果も2頭のみだそうで少し場所を変えようかと一旦集まった。nigrofuscataは川に近い場所へ行き、そこで集団を当ててすでに2桁採っていた。

 少し移動してまた散らばって掘り始める。1匹ずつぽつぽつとたまに出てくるがそんなにいない。

 割れと言わんばかりの素晴らしい雰囲気の立ち枯れを発見。上の方は地面からでは手が届かないので登るしかなさそうだ。

いかにもな物件(写真は去り際に撮影したもの)

 ゴム底の長靴だったが案外滑らなかった。最近冬の河川敷での採集には靴下にセンダングサなどが付かないよう長靴を履いている(靴下に付くのが一番厄介なので)。

 登ってまず手前付近を掘ってみる。板状の固い部分があるがこの下に絶対いるはずだと信じ、折れないかと桑でガンガンぶったたく。とうとう折ることはできなかったが、もう叩くのをやめてくれと言わんばかりに板の下からマイマイが2匹のこのこと這い出て来た。

地面からの高さは2mくらい

 本命の先端部は思っていたよりも固かったが掘り進めると2匹出てきた。その後手前から追加で1匹出してこの材はおしまい。思っていたより少なかった。

 少し行った先ではマイマイの密度がやけに高く、良さげな材はどれも掘ると必ずマイマイが出て来た。特に、長さ3mほどの細めの材からは集団ではなかったもののポツポツと入っていて合計で9頭も出たのにはたまげた。青から緑まで様々な綺麗な色の個体がお腹いっぱい採れた。一度の採集でこんなにマイマイカブリを採ったのは初めての経験だった。

ヒメマイマイカブリ
越冬窩に入っているヒメマイ
クワガタの坑道に潜っていた。

 柔らかめの材を掘ると大き目の部屋があり、オオヨツボシのお尻が見えた。ここでオオヨツボシゴミムシ初採集。いるとは聞いていたのだが正直採れる気がしていなかったので本当に嬉しい。部屋の奥にはアオゴミ数匹とヒメマイ2匹が入っていた。

オオヨツボシゴミムシ
オオヨツボシゴミムシ

2024/01/03 多摩川

 日野市、稲城市、府中市ラベルの多摩川ヒメマイは過去に採集したことがあるのだが、その辺りはすでに同業者に粗方掘られているであろうから、ブログなどであまり見ない照島市へ行ってみた。

 中々しんどい藪漕ぎを何度も強いられあちこちトゲまみれにされた代償に見合わず、全くと言っていいほどの虚無採集だった。年始早々何をしているんだろう、、。

2025/01/04 相模川_リベンジ_リベンジ

 相模川ラベルだけは何としてでも落としたかったので2度目のリベンジを決行。確実に落とすため絶対にいるであろう中流域へ行った。先日の2度の相模川採集で行った場所よりも10km以上下流へ行った厚木市の河畔林へ足を運んだ。採集時間は1時間半。

 始めてから1時間ほど経ったころ、少し土の積もった朽ち木の上の方からようやくオサムシが出た。久々に見るアオオサはやけに大きく感じた。その付近の土と朽ち木を少しずつ崩していくと、とうとうヒメマイが出た。3度目にしてようやく相模川ヒメマイ回収成功。

ヒメマイマイカブリ

 付近にあったボロイ材を崩すとまた出た。集団で入っていてもいい気はしたのだが1頭のみ。

ヒメマイマイカブリ
ここから出た

 さらに、すぐ傍に中が空洞またはフレークで満たされているであろう固めの材があったのだが、表面の固い部分を頑張ってベキッと折って剥がす1頭出て来た。

ヒメマイマイカブリ

 先の2個体の胸の色は黒っぽくて暗い紫だったのだがこの個体は割かし青い。メスの方が色が黒っぽい気がするのだがやはりそれもあるのだろうか。

 これにて年末帰省は終了、この日の夜に夜行バスに乗って京都に帰った。多摩川はそのうちリベンジするかもしれない、できれば稲城とかその辺で。

写真

 ボンドパック後にTGの深度合成で写真を撮ってみた。

荒川
利根川
相模川

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