冬の平日の河川敷
2024/12/12
関西でオサ堀をしたい!本格的に寒くなっていくこの時期、まだ見ぬ関西のマイマイへの渇望は日に日に膨張するばかりであった。スケジュールと相談して週末に木津川へ行く計画を立てた。近場での採集とはいえ、行くと決まってからはアレコレ想像してそわそわしてしまう。なにせ、関西に越してからの初めてのオサ堀である。東京在住だった高校時代、あまり遠出できなかった私にとってマイマイといえば多摩川や相模川で出るヒメマイくらいであった。京都に来たからには採るしかない、基亜種を。
行く予定の流域を衛星写真で何度も何度も確認していくうちに期待と採集欲は際限なく膨れ上がり、ましてポイントは違うが蝶研同期が出席を犠牲にして行ってマイマイ6頭出したなどという話を聞いては、もう居ても立ってもいられない。来たる週末への予備試合として、授業3つ切りゾウムシを敢行して先輩から聞いたオススメのポイントへ向かった。
オサ掘り
出席必須の1限が終わるや否やママチャリを爆漕ぎしたところ、11時前にはポイントに着くことができた。エノキの大木が多く夜の糖蜜でミツボシキリガが爆発しそうな予感を覚える。材も多く落ちていて良さそうなポイントである。
材はたくさん転がっているが掘って良さげな材があまり見つからない。北向き(北に向かって登り)の斜面でぽつぽつ崖になっている所をひたすら掘っていく。根が絡んだ上の部分をバールで崩していくと、、
出た!!
土と共に落ちて来た黒い物体はヤコンだった。関東では見ないオサムシで嬉しい。
次の崖。
出そうで出ない、次。
出そうな気がする。
出た!
崖もそこそこに、良さげな材があったので掘ってみる。そこそこ太い。頑張って蹴れば折れそうな部分があるので気合で折ってみた。
折った断面に細長い足が見える。
!!ホンマイマイ!!
初採集である。非常に嬉しい、なんでも頑張れるこれで。思っていたよりも小さかった。この先たくさん掘って色々な個体を集めたい。
折ったあたりはいい感じに赤く朽ちてフレーク状になっていた。崩していくとコカブトが数頭出てきた。赤くなっていない周辺部からはヤコンが出た。
探索を続けていると下の写真のような崖が長く続いていた。
こういう空洞があるような崖ってどうなのだろうか。とりあえ崩してみる。
スジアオが出た。さらにしばらく掘り続けてみたが追加は得られなさそうなので次へ。
ちょっとした小さい起伏の側面が崖状になっていたので掘ってみる。
ヤコンが出た。
特に用はないがシデムシも。オオヒラタシデムシは東京では無数に見たが心なしか京都に来てからはあまり頻繁に見ない気がする。
教科書に載ってそうな根返りを発見。南向きだがどうだろう。崩してみるも何も出ない。
やはり南向きは日が当たって乾燥するから良くないのだろうと思い北側に回って根が絡んだ一帯を崩す。何も出なかった。
その後、ポイントを離れ自転車で他の河畔林を周ってみるも null。後先考えず藪漕ぎをし続けた結果、全身センダングサまみれかつイバラであちこち切り裂かれて満身創痍。
糖蜜
日も落ちて来たので初めの場所に戻って糖蜜をした。幸い常緑の低木がそこそこ生えていて撒く場所には困らなかった。この近辺の事情はよく知らないが埼玉の河畔林の糖蜜ではアヤモクメやイチゴが得られたので少し期待。
ノコメトガリが大量に飛来。ここではノコメトガリが一番多いようだ。
!!!
ウスキトガリ!!念願が叶った!!
実は人生初採集である。珍種というわけでもないはずだが、なぜか今の今まで縁がなく自分の中でこの蛾はもはや神格化されていた。ようやく採れて非常に嬉しい、なんて素晴らしいんだ、、。
ノコメトガリしかおらんやんけ。
ホシオビもいた。
この日見たクロチャマはこの1頭のみ。
この日見たチャマもこの1頭のみ。普段行かない環境での糖蜜はワクワクする。
ここはウスキトガリの個体数が多いようで、この日は最終的に8頭得られた。来年は早い時期にきてビカを採りたいところ。
言わずと知れたキリガ界のマスコット、ミッ〇ー。たくさん来る予感がしてたが、この1頭のみであった。新鮮な個体で素晴らしい。
食草から察せられる通り河川敷の蛾のイメージ。久々に見た。
12月も中旬に入る中、まだいて姿を見せてくれた。これでテロルタ3兄弟が揃った。
京都に来て初のオサ堀として結果は上々。いいスタートを切れたと思う。週末はマイマイ2桁出すぞー!!!
自己紹介
今年京都に来た弱い大学生虫屋です。文章を書くのがあまり得意じゃないです。採集の記録を駄文に絡めてぽつぽつ書いていこうかなあ、と。