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覚めない麻酔でハイになる(稽留流産手術後)

※稽留流産手術後の記録です。手術に関する詳細は書きませんが、流産に対する心境など書きますので辛くなる方は読まないでね。

ちなみに麻酔が覚めるまでの話は全て夫から聞いた話で、私は記憶がありません。

夫によると、私は手術室からは30分程度で出てきたらしい。
手術が始まったらお昼ご飯を食べに行ってね、迎えに来るまで一度家に帰ってもいいよと伝えていたが、
夫は私の手術が終わるまでずっとベッドのそばで待っていてくれた。私が麻酔で眠りに落ちたままベッドへ運ばれてくるのを確認してからようやく昼食に出たが、あまり食べれずにすぐ病院へ戻って来たそうだ。
何時間も起きない私の手を握り、夫はひとりで泣いていたらしい。
その後何度か目を覚ました私は
私「終わった?お昼ご飯は食べた?」
夫「終わったよ。はま寿司に行ったよ」
私「近くにあるの?いいなあ」
という会話を何度も繰り返した。

あとは「ハンバーガー食べれるかなあ」と言って眠りに落ちて、次起きた時は「びっくりドンキー食べれるかなあ」と言って眠りに落ちたらしい。肉食べたかったんだな、私は。

看護師さんに術後の紙オムツから、持参した下着とナプキンに付け替えるように言われてトイレにも行ったらしいのだが、そのままパンツとナプキンを抱えてトイレから出てきて「分からない」と言ったそう。麻酔、すごいな。

何回目かに起きた時、突然私の友人が恋人と破局した話をかなり詳細に話し始め、一通り話したところでまた寝たらしい。話すスピードはかなりゆっくりだったが、テンションは高かったそう。麻酔ハイである。

ここからは記憶があって、目覚めた時、夫は泣いていた。
19時を過ぎていて、寝坊したような焦りがあった。
ごめん、早く帰りたいよね!お腹すいた?お昼食べた?と聞いたら(起きるたび家族の飯の心配ばかりしている)
14時前からずっとここで待っていた、無事に終わって良かったとポロポロ泣いた。

5時間も。パイプ椅子で。何という愛。
しかし私はまだ微妙に麻酔が残っていて、何故がずっとニヤニヤしていた。

その後私が何だかニヤニヤふわふわしているので、看護師さんにもう一度寝てから帰りましょうと言われ、次に起きたのが20時30分ごろ。

家までの帰り道、夫は運転中もちょっと泣いていた。
私はまだ少しニヤニヤしていた。

自宅についたら、母が娘と留守番をしてくれていて、娘はおかえり!と笑顔でハグしてくれた。
日常が戻ってきた感じがした。
妊婦じゃない、つわりも無い、吐き気もない、私たちの日常。
ポッカリと心の何処かに穴があいていて、平気だと思っていても不意に涙が溢れる。
それでも私には大切な家族がいる。笑顔の可愛い娘と、一緒に泣いてくれる夫。
愛してくれる2人を愛しながら、抱けなかった赤ちゃんに1ヶ月と少しの間お腹にいてくれた事に感謝して、日常に戻っていく。

術後の自宅安静から、診察、胎児の死亡後検査についてはまた後日。


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