母が私のために泣いた日。
私は母を泣かせたことが何度かある。
まず、思春期の頃。
私の反抗期はとても長く、母には苦労をかけまくっていたと思う。
朝帰りはするし、学校には行かないし、挙句の果てには家出もした。
私の生活態度について言い合いになるなんてしょっちゅうだったが、その日は少し違った。
具体的に何について揉めていたのかは忘れてしまったが、私が「お前なんて母親じゃない」と言い放った時。
それまで言葉に勢いのあった母がハッと黙り、表情からは怒りが消え、見開いた目からポロリと涙が落ちた。
私は何も言え