恋わずらい

暗い空が続くと
そうであることが当たり前で正義なことのように
鬱になる
当たり前なのだから悩みはしないかと言えば
やはり気が滅入り物憂い
流行病のようにマスクか何か
防げそうなアイテムがあるわけでもない
形にならないものは治しようもない
恋と同じ
鬱は恋
恋は鬱
だとしたら
毎日恋煩いしている
あの低い黒い雲
深くて大きいあの雲の中に
私は恋をしているのだろう
だからといって恋のプロにはなれない
なれないないないないことばかりで鬱になる
鬱にだけなれる
だけどそれは正義で真っ当なこと
そうなることが当たり前なので
暗い空から降る雪のような
白い息を吹かす
あの人もあの人もあの人も
暗い空の下で
息は白い
息は白
白は息
だとしたら
恋は暗くて鬱は白なのか
白は恋の色で暗いが鬱なのか
そっかそうなのか
ならば鬱に恋してるのか
恋をする
当たり前のように
鬱は白い恋をする
暗い空の下で
それは当たり前で正しいことなのだから
治す薬はない
患うのが当たり前で正義で
恋は暗い雲の中で
白く消える息のよう