頭に海が出来た話

鬱病になった最初の頃、頭に海が出来た、と思った。
正確な順番で言えば、脳が溶けて海が出来た。という感じがした。
その海は本物さながら引潮と満潮があり、決して浅くはなく、どこまで深いかはわからなかった。好きな人やすきなものが頭の中に入ってくると、引潮の間は遊んでいるけれど満潮になると全て溺れてしまっていた。頭に出口はないからね。
空っぽとは違う、常に海がざわめいている感覚、全てを飲み込んでしまう感覚が確かにあった。
今は海は落ち着いている。
あの頭の中の海を絵にしたいと思っている。
同じような方はいるのだろうか。

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