コーヒー(カフェイン)の離脱症状と予防を論文からまとめてみた。急に断つと良くない👵
踊ってない夜を知らない。コーヒーを飲まない日々を知らない皆様こんにちは。大量の論文をトピックごとにまとめてみたサイト(Health Journal)を開発しているおもし論です。
今回は、コーヒーと依存症に関する論文があったので紹介します。
うつ病とコーヒー。コーヒーを飲む人はどうやらうつ病になりにくいらしい[論文紹介]では5万人の調査でコーヒー飲んでいる女性はうつ病になる割合が20%低いという結果などをまとめてコーヒーを猛プッシュしていたわけですが、今回は良いところだけでなくデメリットも取り上げてみます!
コーヒーの離脱症状で最も多いのは頭痛
コーヒーというよりカフェイン全般の話ですが、アメリカン大学心理学学科でカフェイン離脱に関する研究がありました。
研究によると48件の実験のうち37件(77%)でカフェインの離脱症状として頭痛が報告されています。
この研究ではいろいろな離脱症状についてまとめているので症状の一覧を書いてみました。
ちなみに自分はコーヒーを急に絶って数日後くらいに心当たりのあまりない頭痛を経験したことあるのでもしかしたら離脱症状だったのかもしれませんが、頭痛は思考のほとんどを奪ってくるので許せませんね。シャンクスの「失せろ」のような一声で消滅してほしい。
そして論文を調べてみると離脱症状の症例が10種類掲載されていました。そこでこの研究のまとめの中で症状の多かった順にベスト10でまとめてみます。
他に離脱症状にどんな症状がある?離脱症状ベスト10🏆😨
こんなに嬉しくないベスト10はどこにあるでしょうか?KOKO DEATH!!!!!
嬉しくない離脱症状ベスト10の紹介です。
頭痛、疲労(倦怠感)、エネルギー(活動性の低下)、眠気(覚醒度の低下)、満足度の低下、抑うつ気分、集中困難、頭がぼんやりする(頭がすっきりしない)、あくび
の順番で症状が出ていることが研究で示されました。もう少し見てみましょう。
1位 頭痛
48件の実験のうち37件(77%)で離脱症状として頭痛がありました。
2位 疲労(倦怠感)
カフェイン断ちをした際に疲労/倦怠感を報告した人は42件中23件、55%
複数の研究でカフェイン離脱による疲労/倦怠感は、時間とともに減少することが示されていてカフェイン再投与によって迅速に解消するそうです!え、投与したら収まるってドラッグと同じ仕組みなのでは??
3位 エネルギー(活動性の低下)
31件中16件、52%の実験で認められていますね。
エネルギー/活動性の低下ってなんやねん。というところですが、研究によると疲労感や倦怠感、やる気の低下、集中力の低下、思考の遅延、身体の重さ、動作の緩慢さなどを指すそうです。
これもカフェイン投与後に解消されたそう。
4位 眠気(覚醒度の低下)
35件中17件、49%の実験で認められている。
眠いとかぼーっとする感覚。カフェイン投与後に解消。
5位 満足度の低下
28件の実験のうち17件 (61%)
満足度の低下とは、カフェイン断ちをした際に気分が落ち込んだり、幸福感が低下したりする症状です。やはりこれもドラッグと同じ作用…!!
結局はこういうことなのか…!
6位 抑うつ気分
抑うつ気分は、カフェイン離脱症状として深刻な症状の一つです。29件の実験的研究のうち9件 (31%) で、この症状が認められています。
うつ病とコーヒー。コーヒーを飲む人はどうやらうつ病になりにくいらしい[論文紹介]ではうつ病が減っていたという研究ですが、離脱症状の場合はその逆です。
7位 イライラ
29件の実験のうち9件 (31%) で確認。
カフェインは集中力を高める効果があるため、カフェイン断ちをすると集中困難が生じることがあります。
8位 集中困難
34件の実験のうち14件 (41%) で、この症状が認められている。
イライラ良くない。
9位 頭がぼんやりする(頭がすっきりしない
25件の実験のうち15件 (60%) で、この症状が認められています。
認知機能低下の症状ですね。頭がぼんやりする、または頭がすっきりしないという感覚は、カフェイン断ちをした際に現れるです。
10位 あくび
12件の実験のうち7件 (58%) で、この症状が認められています。あくびは一番無害。というか「先生!コーヒーの離脱症状のあくびが出ます!保健室へいってもいいですか!」といった日にはチョークが自分へ向かって飛んでくることでしょう。
ちなみに眠気、集中力、覚醒、倦怠感あたりは概ね似ている症状といえば似ていますね。
10の症状をさらに3つにまとめると、"元気がない"、"心が落ちこむ"、"頭が痛い"の3つほどの症状に分けられるかと思います。
これらの症状は、カフェイン断ちをした際に現れる可能性があるものの、必ずしもすべての人に現れるわけではありません。また、これらの症状の程度や持続期間は個人差があります。
じゃあどのくらいまでコーヒーを我慢すれば離脱症状は防げるの?
100mg以上のカフェイン分のコーヒーを常用している人が急に断つと離脱症状が生じる可能性があるようです。
色々な症状があることはわかったものの、今飲んでいるコーヒーの量はどのくらい減らせば良いのでしょうか。
そのような論文があるのかないのか調べたのですが残念ながら見つけることができませんでした。
しかし、先の研究では1日100mgのカフェインを投与している被験者に離脱症状が現れたそうなので100mg以上のカフェインを常用的に摂取している場合は起こり得る旨が記載されています。
と記載があるように、1日100mgのカフェイン量を急にストップした場合に注意が必要です。
で、カフェイン100mgってどのくらいコーヒー飲めんの?
というところですが、コーヒー1杯(150ml)当たりのカフェイン量はおよそ80mgだそうなので1日1杯くらいしか飲めません。
「は?1日1杯くらいまでしか飲めない??それって殆ど飲めないのと同義なのでは?コーヒー好きが1日1杯で足りるとでも思ってます?!1杯目は慣らし運転なのでノーカンでしょ。ねぇ!もっとこう、10杯、いや100杯くらいまでは許して欲しい。許してくれ。いや許せせええええええ!!ドラッグを憎めえぇええええ!!!?」
とコーヒー好きの読者の皆さんもそう思ったかもしれません。ほんとそれなんです。
国際水準では400mg/日までを推奨してるらしい
ですが安心?してください。一方で各国や各組織の許容推奨値は1日400mgだそうです。
厚生労働省、WHO、アメリカ食品医薬品局 (FDA)、欧州食品安全機関 (EFSA)といった期間では400mgまでと言われています。
ただし厚労省の場合、妊婦さんは200mgまでを推奨しています。
とはいえだからと言って100mgから急に断つとコーヒーの離脱症状が見られることはわかっているので、どのみち沢山コーヒーを飲んでいるコーヒー好きは一生死ぬまで飲み続けなければ離脱症状を完全回避することは難しそうです。
嘘です。断ちたい場合は少しずつ量を減らしていきましょう。
ちなみに年齢や体重別で許容量を知りたい場合は食品安全委員会のまとめた表が参考になると思います。
しっかり予防するなら1日1杯、国や機関の推奨を信じるなら1日3,4杯を目安に
人によっては仕事に手がつかないレベルで症状が現れる人がいるそうです。
カフェインリセットをしてみたら結構よかったよという話 - けんすう の記事では1日に3、4杯にキープしていたものの急に辞めると頭痛や吐き気が生じてしまい、カフェインを辞めたら体調が良くなったという体験談もありました。
私個人で言えば、いざとなれば少しずつカフェインを減らしていけば良いとは思うものの心配な人は1日1杯程度に抑えると良さそうです。
一応380件の研究まとめでは400mgまでのカフェイン摂取では悪影響は関連づけられないことが一般的らしい(健康な成人に限る)
ToxStrategies inc.というアメリカの毒物学(Toxicology)とリスクアセスメントを専門とする機関向けコンサルティング系の会社が複数の研究内容を総括した論文(システマティックレビュー)を出しています。
論文の中で
としており複数の研究でも概ね400mgというのは悪影響がない範囲として報告されているようです。
ただしこの研究では詳細な因果関係まではわからないとしています。
(2001年〜2015年までの研究をまとめているので最近はもっと新しいことが判明している可能性あり)
コーヒーは力なり、だが力に飲まれるなかれ
体に良い可能性が様々に示されているコーヒーですが成分であるカフェインにはやはりリスクがあるようです。こんなに美味しくてリスクが存在しないわけないのです。
ただそのリスクが急に断つと症状がどうやら出やすいようなので対策はしやすいです。
そしてうつ病とコーヒー。コーヒーを飲む人はどうやらうつ病になりにくいらしい[論文紹介]などの記事でも基本的に3、4杯程度だとコーヒーのメリットを享受できそうだと示されていました。どうやら得られることが各研究で示されているのでその程度に抑える方が良さそうです。
繰り返しですが他人よりカフェインに敏感な人や各個人の体格、体質によっても許容量は変わるはずのためそこのところは各々で容量を抑えていきましょう。
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