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世界に一冊づつしかない「メモ帳」②

 「外国の絵はがきを メモ帳の表紙にしているんだって。 オシャレだろ」と友人が説明してくれました。

 確かに そうなのですが、ただの 絵はがき ではありません。「すでに使用された絵はがき」なのです

 きちょうめん に美しく書かれた筆記体の文字。黄色く変色した葉書には、所々にシミがあります。消印はどれも古く「1933年」なんてものもありました。昭和8年、第二次世界大戦より 6年も前です。

 私は自分でも なぜだかわからないくらい ドキドキしていました。

もちろん、書かれている内容は全くわかりません。

 遠い異国の地で、私が生まれる以前にも そこに人がいて、その人はその時の環境に適応しながら 自分のおもいを他者に伝えようとしている・・・「そんなことあたりまえだろ」と言われそうですが、頭ではわかっていたつもりでも、実際に目の前にアナログでその事実がいまあるのです。しかも私とは絶対に接点がない人ですし、はがきを描いた本人も、87年後の日本で、自分の 今 書いている絵はがきがメモ帳の表紙されるなんて思いもしなかったでしょう。

 とりとめのない文章で申し訳ありません。そのくらいその時の私は、訳も分からず興奮していました。

 「これ いくらですか?」

 少し離れたところで「新たなメモ帳」づくりをしている2人の店主に、私はききました。


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