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こんな夜に

朝方4時半。
特に書きたいことがあったわけでもないのに、
思いつきでnoteを開き、今に至る。

日中は恐ろしいほど暖かい日も増えたけれど、
まだ朝晩は少し冷えるので少しだけ安心する。
夏が嫌いなわけではないけれど、暑いのが苦手なので、毎年この時期になるとどうしても夏に構えてしまう。

夏になっても我が家の猫2匹は、私にくっついて眠るのだろう。

一年前に越してきたこの家にももうすっかり慣れた。
当時オープンしたばかりのお気に入りだった飲食店は去年の年末に閉店してしまった。
町の風景が変わってゆくのをこれからも沢山目の当たりにして、そこにあったものをすっかり忘れてしまったりするのだろうな。

海の近いこの町は、いつも風が強い。

どうしようもない考え事でいっぱいになったとき、夜に1人で海へ行っては、ぽつんと一つだけある浜辺のベンチに座って、ぼーっと海を眺めていた日がいくつもあった。

遠くに見える工場の灯りを眺めては、ただ綺麗だなあと思うだけで。
頭と心を少しでも整理できればという気持ちで訪れた海で、考え事をきちんとしたことなど一度もなかった事に気がつく。

ただそういうポツンとした時間がきっと欲しかっただけで、それにピッタリの場所が海だったのだろう。

時折いくつかの流れ星をみた。

夜の海は真っ暗で、星がとても綺麗だった。
自分以外に誰もいないということが、私をどこまでも安心させた。

行きも帰りも歩いた。
当時は実家で暮らしていたので、海まで片道約1時間程歩いた。

音楽を聴きながら、ほとんど誰も歩いていない夜の町を歩くのもとても気持ちが良かった。

あれからもう一年半ぐらいだろうか。

夜に1人で出歩くこともなくなり、
なんなら髪もばっさり切った。

色んなことが駆け足で過ぎていった気がする。

来年の今頃はどうしているだろう。

どんなに季節が変わっても、海はずっとあの日と同じように、あの頃の私のような誰かの、こっそりと安心できる場所であり続けるのだろう。

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