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公立中高一貫校 適性検査の心構え? 「登場人物と友達になろう」

公立中高一貫校を受検するにあたり、6年生の春以降はとにかく沢山の過去問を解きました。塾に通っていれば自分の志望校の出題傾向のようなものを踏まえて対策ができるのかもしれませんが、通わない以上は正攻法でありとあらゆる出題形式に触れることで思考力を磨くのが良いだろうと考えたからです。効率的なアプローチでないのは百も承知です。

息子が受検した学校は適性検査Iと適性検査IIという2種類の出題がされることになっており、Iのほうは長文を読んでその内容に関する設問が少しと、内容を踏まえたり自分の意見や経験を取り入れたりしつつの作文という形式で、IIのほうは算数・理科・社会のテーマを複合的に取り入れた問題形式となっていました。今回はこのIIに相当する形式のお話です。

人によって苦手とするパターンはもちろん違うのでしょうが、うちの息子が一時期つまづいていたのは以下のような始まり方をする、会話形式の問題でした。

花子さん、太郎さん、先生が車の模型について話しています。

花子:モーターで走る車の模型を作りたいな。
太郎:プロペラを使って車の模型を作ることができますか。
先生: プロペラとモーターとかん電池を組み合わせて、図1のように風を起こして走る車の 模型を作ることができます。
・・・・・

東京都立桜修館中等教育学校 令和2年度 過去問より

まあこれから理科っぽい問題が始まるんだろうなという想像がつきますよね。実際、どんな形のプロペラを使うと車がよく進んだとか、モーターの重さがどうだとか、そういう情報が次々に現れるのでそれを読み解きながら設問に回答していくことになるわけです。

「問題文をよく読め」というアドバイスはどこの親御さんも一度は発したことがあるのではないかと思うのですが、うちもその通りで、情報の見過ごしや解釈間違いで正解にたどり着けないケースが多かったのですね。
本人ももちろんよく読んでいるつもりなのでしょうが、問題文もそれなりに分量がありますし、時間にも追われていますし、うまく整理できないまま問題に取り組んでしまうのが敗因なのかなと思いました。

あるとき、こんなアドバイスをしてみたのです。

この太郎くんと花子さんの友達になりなさい

そのココロは、とにかくこの世界に没入しなさいということです。
あとから出題される問題にどう回答しようかなどということはとりあえず置いておいて、太郎くんと花子さんがこれから何をしたがっているのかを理解し、共感してみようというわけです。

結局、こうした適性検査というのはもちろん小学校の教科で習った内容を総合的に駆使して思考する能力を試されているということなのでしょうが、要は課題解決なわけです。太郎くんと花子さんが直面している課題を解決する手助けをしてあげましょうということですね。

そうだとすれば、
「この人たち何がやりたいんだろう?」
「何でこんな実験の条件を選んだんだろう?」
「何と何を比較すればいいのだろう?」
「この実験結果は何を意味しているんだろう?」
という感じで、問題文の中の人に共感しながら自分事として問題に取り組んでいった方がより深く理解できますし、そもそも楽しく取り組めるはずです。これが試験であることを忘れるくらい没入できると成功なのだと思っています。(制限時間は気にしてほしいですが)

うちの息子だけかもしれませんが、よくあるパターンとしては一連の設問を「テスト問題」として1つ1つ解いていくだけで、全体としてなにをやっているのかに意識が行っていないことがありました。
この手の設問にはだいたいストーリーが設定されているわけで、1つ前の設問の答えを踏まえて続きのストーリーが展開されていたりします。それを設問1つずつ独立に考えていると、それでも問題は解けるとは思いますが面白くないですし「結局何をしてるんだっけ?」が明らかにならないまま回答を終えてしまうことになりますよね。それは非常にもったいないと思うのです。

というわけで、「登場人物と友達に」なったつもりで課題解決に協力してあげると、ストーリーに則って謎解きを楽しめるだろうというアドバイスに落ち着いたのでした。
息子は結構このアプローチを納得してくれて、おかしな勘違いや情報の見落としがその後は減っていったように思います。

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