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中学受験あるある?五月病について
今回は受検についての話ではなく、入学後の話をしたいと思います。
中高一貫校に入学して、ちょうど5月から6月の始め頃に我が家で起こったちょっとした出来事についての紹介です。
一言で言ってしまえば五月病ということなのでしょう。
最初に「おや?」と思ったのは、5月の後半の週末に家族で出かけた帰り道のことでした。コロナ禍ではありましたが親類の都合で土日で遠方に出かける必要があり、日帰りはきついので土曜は現地のホテルに宿泊しました。
特に旅行というほどのレジャーでもなく、ただ車で遠くに出かけて一泊して帰ってきたというくらいのものなのですが、その帰りの車中で息子が寂しそうにしているのが気になりました。
コロナの影響もあり、もちろん受検もありましたから旅行らしい旅行はしばらくできていませんでした。そういう事情から、久しぶりの遠出がそれなりに楽しかったので家に帰るのが悲しくなったのかなと、その時は解釈していました。
学校に行きたくない
さすがにその直後ではなかったと思うのですが、ある朝に「学校に行きたくない」と言い始めました。妻も私も学校は無理してまで行くものではないと思っていたので、それなら休むことにしたらと提案したのでした。幸いにして私も在宅勤務でしたし、ゆっくりとベッドで寝ているなり好きなことをしているなりしなさい、と。
4月に入学して2ヵ月が経つか経たないかくらいの時期ですから、深刻ないじめというのもなかなか考えにくいかなと思いつつ、色々と話を聞いてみると本人曰く直接的には以下のようなストレスがあるようでした。
クラスメートと話すことは話すが、それほど親しくなれない
そもそも休み時間も次の教科の準備で忙しく、給食も黙食なので友達と話すチャンスが少ない
ある教科の先生の言動が好きになれない
いじめだったり、授業についていけないなどの理由でなくて良かったと思ったものの、やはり新しい環境や新しい生活に馴染むのは容易なことではないのだなと感じました。
息子の通っていた公立小学校は中学受験する子が珍しいわけではありませんが、都心部のように半分以上が受験組というようなことはありません。加えて、私立中よりも公立の中高一貫受検が多いくらいでしたので、受かればそこへ行くし、そうでなければ地元の公立中に通うというパターンがほとんどのようでした。
そうすると結局のところ大半の友達は地元の公立中に通っているのですよね。それを知っているからこそ、複雑な気分になってしまったということのようです。
もちろんそういうことを含めて本人も納得の上で中学受験をしたはずではあるのですが、いざその状況になってみると自分の選択に疑問を持ってしまうのかもしれません。
大抵の場合、中学受験を勧めるのは親であるケースが多いでしょうし、私の家もそうです。本人も納得とは言いながらも、「親の希望だから」と受験に挑戦した部分もきっとあるはずです。そうであるがゆえになおさら新生活への順応にストレスを抱えてしまうのだと思います。
幸いにしてそれほど深刻な事態にはならず
その後どうしたかという話ですが、散発的に何度か学校を休むことはありましたが最終的には楽しく学校へ通うようになりました。我が家の場合は、ということですが。
実際、息子に聞いてみると一定の割合で休みがちの生徒や保健室登校の生徒がいるとのことです。もちろんその詳しい原因は分からないのですけれどね。
息子とは色々と話をしました。
苦労して受検して入ったからと言って、必ずしもそこに通い続けなければならないわけではないので、地元の公立に通うという選択肢もあるよという話もしました。
もちろんそれはそれで初めはきまりの悪い思いをすることになりますから簡単なことではないでしょうが、言いたかったのは「選択肢を狭めなくていいよ」「逃げ道はあるよ」ということでした。
親子共々たくさんの努力をして受検でいい結果を得た、という思いが強ければ強いほど「後戻りはできない」と考えがちなので、それをまずは否定する必要があると考えました。
次に試したことは、おそらくこれが効果を発揮したのだろうと思いますが、通学ルートの変更でした。
自宅から学校までは少し遠いながらも徒歩で通っていたのですが、同じ方向から通う友達がいなかったためいつも1人で歩いていました。小学校の時は登下校の道すがらに友達と話す時間が楽しかったのでしょうし、その時間によって親しくなっていった面が大きかったわけです。
そこで、少し遠回りにはなるのですが下校は友達と一緒に学校から駅まで歩いて、そこからバスや電車で帰ってくるようにしたら、と提案してみました。
厳密には学校のルールに抵触しているかもしれませんが、楽しく通える方がいいに決まっています。何か言われたらその時はその時ということでまずは始めてみたのですが、これが当たりだったようです。
今日は誰々と一緒に帰ってきたと楽しそうに話してくれるようになり、やがて学校に行くのを嫌そうにする様子は見られなくなりました。自分の学生時代を思い返しても、やはり友達と過ごす登下校の時間というのは格別のものだったと改めて思いますしね。
公共交通機関を使うということで、地元の学校に通うのとは違う雰囲気を感じられるのも良かったのかもしれません。
というわけで我が家では事なきを得た五月病であったわけですが、前述の通り休みがちのクラスメートが実際にいるわけですので、親子共々考えさせられる経験だったと思っています。
今更ですが、本人の意に沿わない受験という色合いが強くなってしまうと、こうした落とし穴にはまるリスクが高いように思った次第です。
家から離れた中学校に通うとなると、たまたま同じ方向から通う友人に恵まれないと登下校の時間を1人で過ごすことになるのも、大丈夫な子は大丈夫なのでしょうが、注意が必要なポイントだと実感しました。
ただの体験談で普遍的な解決策などは何も提示できていませんが、皆さんの何かしらの参考になれば幸いです。