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Disruptiveなバチェロレッテ福田萌子

バチェロレッテ、面白かったですね。本当に第一回目のバチェロレッテが萌子様でよかった。破壊的イノベーションな令和のバチェロレッテを目撃できて大変楽しゅうございました。

「物議を呼ぶ」とは良くも悪くも軸がありビジョンを持つ人間にしかできないことなので、視聴者としての面白さは真也なり萌子なりの「自分!!!」の主張ができる人の方が面白いです。

その上で真也と萌子の決定的な違いは、真也は自分の弱さで他人を巻き込んで傷つけた点(別の人を選びながら、同時並行で他の女性に会ってゴールした)と、人の好意に寄りかかりたい気持ちを持ちながらも、自分の弱さの解消に他人を巻き込むことを是としなかった点だと思っています。

そんな真也と恵のバチェロレッテ評インタビューが出ていた。「すごく強い」の真也構文が散りばめられてて笑ってしまった。2人は仲がよさそうで、うまくハマったんだなぁというのを感じました。そして完全に真也の一目惚れだったことも語られており、勝負もクソもなかったな感がすごい。
(カップルストーリーとしては完璧なのでよいと思います)

「誰かに頼る選択は、利用するとは違うよ!!!」と叫びたくなりましたし、リトライ杉ちゃんの手を取ってトライすることは利用ではないのでは!?とも思いますが、その潔癖さと不器用さを含んでどうしようもなく萌子さんでしたね。ありがとうございます。

「どうあるべきか」の問い

萌子さんの潔癖にも見える自分の信念を曲げない姿と、その気持ちを言葉にできる姿は、彼女がバチェロレッテに出るきっかけとメッセージでもある「女性のエンパワーメント」に十分つながる行動だったと思います。

特にアフターローズにおいては、「一般的な日本社会の縮図及び男性の意識の持ち方」を再認識させられる場面が多々ありました。そして、萌子さんが「私の選択です」ということに対する風当たりが強かったのは萌子さんに限らない、日本において女性が自分の意思を貫いた時のアタリの強さの可視化でもありました。正直、見たくはなかったけれども。

けれど、外野とは別にそういった「融通のきかない、真っすぐで、少し空気の読めない萌子さん」に真剣に思いをぶつける男性が3名いたことは、それはそれで「世間一般的な”愛され”を目指さなくても、自分の軸と人へのリスペクトがあれば、自分と合う人とは巡り合う」ということも見せてくれたのではないでしょうか。これをアラサーポルノと呼ぶか、自分ができない擬態をしてまでの結婚に意味がないと取るかは意見が分かれるところですが。

その背景を踏まえた上で「自分と他人」という絶対に別の個体である相手と、どうコミュニケーションを取り、自分を貫くだけでなく、自分の変化も許容していくべきなのでは?という問いまで視聴者に与えたことを踏まえれば、この番組が大成功だったことは間違いないでしょう。

最終話が終わり、賛否両論が吹き荒れたバチェロレッテ。行き過ぎた内面描写と背景妄想をさも「あるように」書いた上にタイトルに誹謗中傷が入った地獄noteもありましたが(名前を言えないあの人状態)、私が気になったのが「番組のルールを破ったこと」に対する批判でした。

え、誰目線???

番組終了後の批判で多く、かつ疑問を持ったのは「彼女は番組ルールを破り、それを悪いとも思っていない。自分は自分!と主張し、番組を崩壊させたことへの謝罪もない。尊大である。」という批判です。萌子さんを無残様に例えた例もありました。

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が、再度いいたい。「え、そこ???」と。「誰目線???」と。

萌子さんは良くも悪くも真っすぐで、ある種信仰にも似た強い「利己的な欲求で人を傷つたり、嘘や誤魔化しをしない」を自分の軸としている人に受け止められました。

エピソードを見ると、最終的な決断に何も不思議なところがないという意味で、最後「誰も選ばない」ですら予定調和に見えました。その結論を下す思考の過程への疑義はもちろんありますが、彼女の中での軸に沿った決断をしていなければ、「エピソードを見ると何も不思議がない」結論が出るのは、率直に稀有な人材だなという感想を持ちます。

予定調和は「話題」にならない

番組ルールは「エンターテインメントを加速させる装置」です。

ルールはルールとして準拠すべきというのは一見マトモに見えますが、思考停止しているとも言えます。また、番組ルールは倫理的・コンプライアンス的な社会的ルールではなく、あくまでエンターテインメント文脈の装置でしかない点もポイントルールは倫理的・コンプライアンス的な社会的ルールではなく、あくまでエンターテインメント文脈の装置でしかない点もポイントです。反社会的ルール違反は何もしていない。

番組の最終ゴールが「真実の愛を見つける旅」としている以上、そのゴールに到達するために現ルールがそぐわないなら、ブチ壊すという判断は極めてまっとうかつ必要な視点でしょう。彼女は「形式上誰かを選んで、なんとなく場を濁す」ことをしなかった。

「付き合って、やっぱりだめで1年後に破局」という予定調和の選択でお茶を濁さず「誰も選べない」という結論を下す姿勢は萌子さんらしい形ではないでしょうか。もちろん、その洗濯における深堀に疑義はあるものの、「結婚をする」ということを誰より真剣に考えた時に、どちらも選べない決断をしている点は誰に何を謝る必要があるのか?と思いますし、「ルールなのだから謝れ」は暴論だなと感じます。

「自分の人生を選択する」その舞台としてバチェロレッテに上がったが、その後も続く自分の人生の選択において嘘は付けない、という選択を誰が責められようか!という話ですよ。

「不快にさせて申し訳ない」の対局にある姿勢

アフターローズを見た上で「迷惑をかけた番組スタッフへ一言謝罪があってもよかった」というものの考え方は、「不快な思いをさせて申し訳ありません」という謝罪にならない謝罪を受け入れていくことを是とする世界観だと私は思います。

彼女のすばらしい点は、当たり前に出るであるその誹り・批判を受け入れた上で選択と覚悟をしている点です。ルールに沿うのは簡単です。しかしルールが自分の信条と信念にぶつかった時に、批判が起こることを理解し覚悟した上で「私はそれはできません」と貫ける姿は高潔です。覚悟がある。

繰り返しになりますが、彼女は「見る人を納得させるために、自分が思ってもいないことをすること(誰かをその場で選んで取り繕う)こそが、何よりも一緒に歩いてきた出演者と番組制作者を裏切る行為である」という捉え方をしていたのでしょう。

アフターローズで糾弾された場面での切り替えしでも、その点は非常に感じられたと思います。「それはあなたの考え方で、私の考えではない」と強く主張した時に、私は彼女のすばらしさを再認識させられました。彼女には彼女の信念があり、それは他人や番組ルールに迎合するなんてことを選ばせなかった。

令和のバチェロレッテはDisruptiveな福田萌子であってよかったです。以上!

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