5つのみる
子育ての基本。それは、子どもを「みる」ということだろう。
昨日までの自分に問いたい。
「自分の子どもをちゃんとみてますか?」
当たり前だろ?毎日みてるわ!と、即答しそうな自分がいるので100回問いたい。
なんのために?どんなふうに?どういうところを?それで?それで?それで?
2、3回は自信を持って答えられるかもしれないが段々と迷いがでてくる。きっと10回も掘り下げて答えることはできないだろう。
一緒に暮らしているので毎日顔を合わせる。会話もする。じゃれあって遊ぶ。叱る。怒る。ケンカもする。
それでもちゃんとみてるのかと問われるとどうだろう?
そもそも「みる」ってどういうことだろう?
調べてみると、どうやら「みる」という行動には5つの種類があるらしい。
1. 見る
まずは見ないと始まらない。すべての「みる」の始まりだ。明るいところで子どもを視界に入れる努力をしよう。なるべく早く仕事を切り上げて帰る。一緒に食事をする。同じ空間で同じ時間を共有する。ひとり没頭する趣味の時間はなるべく子どもが寝た後で。
2. 観る
子どもを取り巻く環境を観察しよう。学校の様子や先生の評判、仲のいい友達。何が流行っているのか。クラスの子は習い事や塾や学童に通っているのか。勉強や体育の成績はどうか。身長は高い方か。算数は得意な方か。かけっこは速い方か。いろいろな体験を用意してあげよう。新しい体験にはお金と時間を使うべきだ。未来にも目を向けよう。これからの学校教育はどう変わるのか。10年後の社会はどうあるべきか。
3. 視る
じっくりと子どもを注視しよう。本人も気づいていないような細かいクセ。心が弾むポイントや会話の中で笑い出してしまうボーダーライン。不機嫌になったときの言葉遣いや怒り出すきっかけ。熱中するものが変わる瞬間。昨日よりも成長したほんの小さな毎日の変化。
4. 診る
子どもを診察するようにみよう。体調や怪我の具合はもちろん。心の病気にかかっていないか。悪いクセや考え方や行動などを見つけたときには、その原因やそこに至るプロセスはどうなのか。良い行動も。挨拶ができた、お手伝いができた、ひとりで宿題ができた、褒められるような良い行動はなぜ起きたのか。
5. 看る
子どもの新しい可能性を見出す、良いところをキープする、さらに伸ばす。そんなサポートを。悪いところは治す。病気を看護するように。悪い考え方や行動を治すのは子ども自身だ。親は手を出せない。とても無力だ。それでもほんの少し手助けすることはできるかもしれない。ところで「悪い」とは何だろう?たとえば誰かを悲しい気持ちにさせてしまう行いは悪いことだろう。何が良いことで何が悪いことなのか?子どもと話し合うことが必要だろう。悪いこととその理由を子どもの言葉で共有することができれば親の役割は終わりかも知れない。
さいごに
「子どもを他の子と比べるのは良くない」という言葉を耳にする。比べてもいいんじゃないか。だって自然に比べてしまうものだから。比べることは「観る」こと。5つの「みる」のうちたったのひとつだ。しかも「観る」の中でもほんの一部分。「みる」という膨大な行動の中で考えればほんの数パーセントだろうか。だったら罪悪感など持たずにどんどん比べればいい。大事なのは広く深く「みる」こと。だけどそんなことを完璧にできるひとなんているわけがない。だから愛情を持って「見る・観る・視る・診る・看る」にチャレンジし続けることに意味があるんじゃないか。5つの「みる」を続けた結果、そこには成長した素晴らしい子どもに「魅せられる」自分がいるはず。そう願うわけです。
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