見出し画像

カフェ Clair de Lune II

イントロダクション

ミストヴィレッジ拡張区の夕暮れ、静かな街並みに溶け込むように佇むカフェ「Clair de Lune II」。その店は静かに流れるピアノの旋律で知られ、訪れた者に特別な時間を提供してくれる。

冒険者はいつものように無言で扉を押した。
長い旅路を終えた体には、カフェから漂う穏やかな空気が染み渡るようだった。店内に入ると、温かみのあるオレンジの光が壁やテーブルを優しく包み込んでいた。ピンクとオレンジを基調とした内装には植物がバランスよく配置され、遊び心あふれる装飾品が点在している。マカロン型の椅子や小さなディスプレイは、見るだけで心がほぐれるようだ。

耳を澄ませると、どこからともなく柔らかなピアノの音色が漂ってきた。
その音はどの方向から響いているのかは分からないが、店全体を包み込むように広がり、空間に穏やかな命を吹き込んでいる。冒険者は無言で視線を巡らせたが、店内にピアノの姿は見当たらない。

「いらっしゃいませ。」

優しい声に顔を向けると、カウンターの奥にエレゼン族の店主が立っていた。赤いドレスに白いショールを羽織った姿は、気品にあふれ、どこか物静かな魅力を放っている。整ったブロンドの髪には赤いリボンが結ばれ、その姿が店内の柔らかな光と調和していた。

冒険者は無言のまま軽く頷く。店主はそれに気を悪くすることなく、柔らかな笑みを浮かべて「どうぞ、ゆっくりおくつろぎください」と声をかけた。冒険者は窓際の席に腰を下ろし、ピアノの音色を聞きながら視線を窓の外へ向けた。

海に沈む夕陽がステンドグラス越しに差し込み、店内を優しく照らしている。冒険者は静かに、そしてどこか神妙な面持ちでその景色を見つめた。

やがて、店主が飲み物を運んでくる。透き通るようなハーブティーがグラスに注がれ、小さな焼き菓子が添えられていた。飲み物から漂う優しい香りが、心をほぐしていくようだった。

冒険者は一口ハーブティーを飲むと、目を閉じてその余韻を楽しむ。喉を滑り降りる感覚とともに、旅の疲れが次第に消えていくのを感じた。耳に届くピアノの旋律が、その感覚をさらに深くする。目を閉じていると、音の一つ一つがまるで話しかけてくるかのようだった。

冒険者は無言のまま時間を過ごし、やがてグラスを空にすると静かに立ち上がった。カウンターの店主に向かって軽く頭を下げると、彼女は穏やかな声で「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております」と告げた。その言葉が、冒険者の心に静かに響いた。

扉を開け、外に出ると、夜の帳が街を包み始めていた。静かな店内で過ごしたひとときが、彼の旅路に新たな力を与えてくれたのは間違いない。耳にはまだ、どこか不思議なピアノの旋律が静かに響き続けている気がした。

店内の様子

店主さん
店内ハウジング
店内ハウジング
実際の様子

基本情報

静かにピアノの音色を楽しむゆっくり系空間
カフェ   Clair de Lune II
MeteorDC Ramuh ミストヴィレッジ 3-39
不定期営業

© SQUARE ENIX

いいなと思ったら応援しよう!