談話喫茶べるぽっと
イントロダクション
ラベンダーベッドの静かな通りに佇む「談話喫茶べるぽっと」。
冒険者たちの間で「どこか懐かしく、温かい時間を過ごせる場所」として知られるこの店は、ひっそりとアパルトメントの一角に居を構えている。
扉の上に控えめに掲げられた木製の看板には、手描き風の文字で店名が記され、傍らに吊り下げられたランタンの明かりが柔らかく道行く人を照らしていた。
扉を開けると、木の温もりとハーブティーの香りがふわりと漂い、訪れる者を優しく迎え入れる。目に飛び込むのは、ウッドロッジスタイルを基調とした店内。丸太を模した壁のテクスチャが山小屋のような雰囲気を醸し出し、暖色系のランタンが放つ柔らかな光が空間全体を温かく包んでいる。
「いらっしゃい。」
日焼けした肌に健康的な笑みを浮かべた店主が、カウンター越しに声をかけてくる。ミコッテ族の男性で、どこか冒険者らしい軽やかさと、ロッジを切り盛りする頼もしさを併せ持つ雰囲気だ。その姿がこの空間に欠かせない要素として自然に馴染んでいる。
店内の壁にはアンティークな時計やモノクロの風景写真が飾られ、ノスタルジックな空気感を漂わせている。棚には色とりどりのティーポットや、ハーブティー用の瓶が並び、その細かなディテールがこの店の丁寧さを物語っている。まるで長い旅路の途中に立ち寄る、心休まる場所のようだった。
席に腰を下ろすと、木の温かみが背中に心地よく伝わる。テーブルには小さなランプが置かれ、その灯りがティーポットをほのかに照らしている。メニューは手書きで、どのページにも店主の人柄を感じさせる温かみがあった。ハーブティーからコーヒー、さらには小さな焼き菓子まで、気取らず、それでいて丁寧に作られた品々が並んでいる。
「今日は何になさいますか?」
店主が柔らかく声をかける。注文を告げると、彼は軽く頷き、カウンターでティーポットにお湯を注ぎ始めた。その手際は無駄がなく、けれども急ぐこともない。ティーポットから立ち上る湯気がランタンの光を通じてゆらめき、静かな時間が流れていく。
近くの席では、一人の冒険者が暖かなカップを手にしながら、窓の外を眺めていた。外に広がる木々の風景が、ここがまるで山間のロッジにいるかのような錯覚を引き起こす。カウンターでは、店主と常連客らしきエレゼン族の女性が軽く言葉を交わしていたが、その声も控えめで、全体の静けさを崩すことはない。
注文したハーブティーがテーブルに運ばれる。ティーカップの縁に彩りを添える花びらが、ほんのりとした香りを放っている。口に含むと、柔らかな甘みと爽やかな酸味が広がり、体の芯まで温かくなるようだった。
店主がカウンター越しに微笑み、「ゆっくりしていってくださいね」と一言添える。その声が、この空間全体をさらに穏やかなものにしていた。
ここ「談話喫茶べるぽっと」は、名前の通り人々が語り合い、静かに時間を過ごすための場所だ。それは訪れる者にとって、新たな冒険に向かう前の準備、あるいは一日の終わりに心を休めるための特別なひとときになる。
外に出ると、夜のラベンダーベッドの涼しい風が心地よく吹き抜けた。
だが、店の中で過ごした温かな時間は、まだ心に静かに灯り続けていた。
店内の様子
基本情報
煉瓦と木調の喫茶店
【談話喫茶べるぽっと】
MeteorDC Yojimbo ラベンダーベッド 10区 リリーヒルズ 6号室
不定期営業
#談話喫茶べるぽっと
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