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まんまる雑貨店

イントロダクション

ラベンダーベッドの静かな通りを歩きながら、彼は新しい住居の家具を探していた。広い部屋の中にどんな家具を置こうかと想像すると胸が高鳴る一方、「この選択は正しかったのだろうか」という迷いも頭をよぎる。期待と不安が入り混じる中、彼の足は自然と店の看板の前で止まっていた。

「これからの生活で何を始めようか…?」

そんな考えが胸を占める中、ふと目に留まった看板に足を止めた。手描き風の文字で——「まんまる雑貨店」と書かれている。店名からして親しみやすさを感じさせるが、その奥にどこか温かい雰囲気が漂っているようにも思えた。

彼は静かに扉を押し開けた。優しいベルの音が店内に響くと、木の温もりが感じられる空間が広がった。パステルカラーの壁紙とウッド調の家具が調和し、どこかカフェのような居心地の良さがある。扉を開けた瞬間、ほんのりと甘い木の香りが漂い、奥の棚からは微かにベルが揺れる音が聞こえてきた。窓際には青いカーテンが掛けられた大きな窓があり、その前にはマネキンが立っていた。マネキンは季節感のある服を着ており、その足元には小さな籠とレトロな蓄音機が置かれている。

「いらっしゃいませ。」

優しい声に振り向くと、カウンターの向こうから店主と思われるアウラ族の女性が微笑みながら近づいてきた。彼女は青い髪をふんわりと結い、耳には個性的な装飾が施されている。どこか親しみやすく、それでいて個性を感じさせる雰囲気だ。

「初めていらっしゃいますか?」彼女が尋ねた。

「はい、引っ越したばかりで、家具を探しているんです。」彼は少し緊張しながら答えた。

彼女は微笑みを絶やさずに「それは素敵ですね。どんな雰囲気の家具をお探しですか?」と続けた。その丁寧な対応に、彼の緊張は少し和らいだ。

店内を案内される中で、彼の目は棚やテーブルに並べられた雑貨や家具に引き寄せられた。壁には色鮮やかな花や蝶の額縁が飾られ、季節感を感じさせるドライフラワーが並んでいる。テーブルの上には陶器のポットやマグカップが置かれ、まるでお茶を楽しむひとときが想像できるようだった。その中でも特に彼の目を引いたのは、棚の一角に置かれた小さなオルゴールだった。蓋を開けると、繊細なメロディが静かに流れ出し、どこか懐かしさを感じさせる音色だった。

「このテーブルセットはいかがですか?」

彼女が指差したのは、小さな植物やぬいぐるみが可愛らしくディスプレイされた木製のテーブルセットだった。シンプルだが、どこか心温まるデザインに彼は一目惚れした。

「とても素敵ですね…これにしようかな。」

彼はそう呟きながら、指でテーブルの表面をなぞった。

「こちらは私が手作りしたものなんです。丈夫で長持ちしますよ。」

彼女の説明を聞きながら、彼はこのテーブルが新しい生活の中でどんな風に活躍するのかを思い描いた。休日にはこのテーブルでコーヒーを飲みながら本を読むことができるだろう。観葉植物を置けば、部屋に少し緑が加わる。彼の頭の中で、その光景が生き生きと広がっていった。

カウンターに戻ると、店主は手際よく購入手続きを進めていた。その間、彼は店内を見渡し、壁に貼られたアートや本棚に目を奪われた。どのアイテムも独自の物語を感じさせるような雰囲気を纏っている。

「新しい生活に、この家具が役立つといいですね。」

彼女の言葉に彼は微笑み、「きっと部屋が温かい雰囲気になります。ありがとうございます。」と感謝の意を伝えた。

商品を受け取り、店を後にしようとした時、彼はふと振り返り、「また来ます」と短く告げた。その言葉に彼女は柔らかな笑みで応え、「いつでもお待ちしております。」と一礼した。

店を出ると、柔らかな風が彼の頬を撫でた。新しい家具と共に始まる生活に思いを馳せながら、彼はゆっくりと自宅へと歩き出した。
まんまる雑貨店でのひとときは、彼の新しい生活の一歩を支えてくれる温かい記憶となるだろう。

店内の様子

店主さん
店内ハウジング
店内ハウジング
店内ハウジング

基本情報

まんまる雑貨店
MeteorDC Yojimbo ラベンダーベッド 15-4
マネキンショップとしては常時開業
#MulbeHouse

© SQUARE ENIX

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