Bar Bull'Dog
イントロダクション
エンピレアム拡張区の静けさに包まれた夜、雪に覆われた街並みを歩く冒険者の目に、ひときわ豪華な建物の扉が映り込む。その扉の上には、さりげなく「Bar_Bull'Dog」と記された金属製のプレートが輝いている。外から見ただけでは、その中にどんな空間が広がっているのか想像もつかない。
ただ、扉の隙間から漏れる暖かな光が、外の冷たい夜とは違う別世界への入り口を予感させる。
扉を押し開けると、冒険者は息を呑んだ。目の前に広がるのは、洗練されたエレガンスと温もりが調和した空間。壁には滑らかな石材が使われ、間接照明の柔らかな光がその表面をほのかに照らしている。
正面にはカウンターバーがあり、その背後には無数のボトルが整然と並べられていた。ボトルが灯りを受けてキラキラと輝き、その輝きが店全体に豪華さを添えている。
カウンターの周囲には、赤いバラの装飾が絶妙なバランスで配置されていた。鮮やかな赤が空間にアクセントを加え、暖色の照明と相まってどこかロマンティックな雰囲気を漂わせている。さらに店内を見渡せば、アンティーク調のグラモフォンや、ノスタルジックなデザインの小物が目を引く。
これらのアイテムが、ラウンジ全体にクラシックな品格を加え、まるで時間が静止したかのような感覚をもたらしていた。
冒険者が奥へと進むと、ふと聞こえる水のせせらぎが耳に届く。
ガラス越しに見える小さな水の流れが、店内に清涼感を加えている。
その透明感が、落ち着いた照明やシャンデリアの豪華さと不思議な調和を見せ、冒険者の心を自然とリラックスさせていた。
カウンターの向こう側には、左目に眼帯をしたハイランダー族の店主が
静かに立っていた。彼の鋭い目つきにはどこか威厳があり、
その眼帯がただのファッションではなく、彼の過去を物語る何かを秘めているように見える。
しかし、その手元は落ち着いており、丁寧にグラスを磨く仕草が、この豪華な空間に相応しいプロフェッショナルな気配を漂わせていた。
「席はこちらへどうぞ。」
低く落ち着いた声が冒険者を促し、赤いソファが並ぶラウンジエリアへと
案内する。冒険者が腰を下ろすと、柔らかなクッションが体を包み込み、
窓越しに見える雪景色がどこか非現実的な美しさを際立たせていた。
天井に吊り下げられたシャンデリアが穏やかに揺れ、ステンドグラスの光がその輝きを一層引き立てている。
グラスがカウンターから運ばれ、冒険者の前にそっと置かれる。
黄金色の液体がシャンデリアの光を受けて輝き、その香りがゆっくりと立ち上る。冒険者が一口含むと、口の中に広がる滑らかさと深い味わいが、外の冷たさを忘れさせるほどの温かさをもたらしてくれた。
周囲の客たちは、誰もが静かにグラスを傾け、控えめな会話を交わしていた。その中には一人で物思いにふける者、店主と軽く言葉を交わす者、
あるいは水の流れをじっと眺める者もいる。
この場所は、ただのバーではない。豪華な装飾に包まれながらも、
どこか心の安らぎを見つけるための避難所のような場所なのだ。
「Bar_Bull'Dog」は、その名前に反して威圧的な空気など全くなく、
むしろ、迷いや疲れを抱えた者たちが心の中で新しい力を見つけるための
場所だった。エレガントな空間と、店主の落ち着いた存在感が融合した
この店では、ただ静かに時が流れていく。
そして、その中で生まれる物語は、また新しい夜を迎える準備を進めていくのだった。
店内の様子
基本情報
Bar Bull'Dog
MeteorDC Mandragora エンピレアム 29-46
不定期営業
#今夜もDoggieBack
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