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2022年で終える一つのジャーニー。そして、新たに始める2023年。

 一年を終えるごとに、毎回思うのは「この一年がこれまでの人生で一番働いた」ということ。2022年こそ、最もあてはまる年になったと思う。

 まず、2冊本を書いた。

デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー

組織を芯からアジャイルにする

 どちらも、この数年を表現する2冊になっている。
 2020年コロナ禍がはじまると同時に、新たな自身の活動として、デジタルトランスフォーメーションに振り切ってきた。この文脈に振り切ったことではじめて見えてきたことが沢山ある。

 思っていた以上に状況は固いものであったし、その分これまでにない工夫が求められてきた。「アジャイルブリゲード」「組織アジャイル」も実践の中から生まれ、育ててきたことだ。そして、今も成長を続けている。

 目の前で直面する「その組織初の状況」を乗り越えていくためには、まともに戦えそうな武器がなくとも、とにかく手がかりを作っていく必要がある。それまでの知見を総動員して、どうにか仮説を持って臨む。
 臨めば、思いどおりになることはまずなく、そんな中から学びを得て、次のターンへと挑むよりほかない。まさに探索と適応。突破口を開こうとするその試みこそがアジャイルに他ならない

 事業だけではなく、組織を変えていくという活動にも仮説検証は必要になる。ならば、誰かが得た知見は同様に挑む他の人たちにとっても大いなる学びになるはずだ。何よりも、正解のない道のりをゆく人たちにとって、ときを同じくして挑戦する仲間を得られる場はきっと心強いものになっていくだろう。
 それゆえに新たにコミュニティを立ち上げた。「シンアジャイル」と冠したコミュニティの活動はまだまだこれからだ。

 2022年をふりかえるともう一つ欠かせない立ち位置としてリコーがある。リコーにおける活動もいよいよ2年近くに迫ってきている。特に、2022年は「リコーを芯からアジャイルにする」が名実ともに本格化し、そこに焦点をくっきりとあわせることができた。リコーにおける芯アジャイルも仮説を立てて、仲間を得て、漸次的に進めていく日々に他ならない。

 リコーはそのビジョンに「“はたらく”に歓びを」を掲げている。そのリコーが取り組むDX、組織変革が「眉間にしわをよせてやる」ようなものでは本望にはならない。リコーでこそ「元気が出るDX」でなければ、その理念と合致しない。数多くのDXを見て、取り組んできているからこそ、尚更ここに私はコミットを置く。

2023年という節目

 事業や組織を変えていく試み。その積み重ねが少しずつ、少しずつ結果へと繋がり、新たな状況を作っていくことになる。それを身を以て味わった3年だった。経過した期間の倍くらいは、仕事に実際の時間を投じてきた。そして2022年は、この3年を締めくくるには十分なほどの挑戦が出来た。
 3年と言えば伝統的な企業では中期経営計画のスパンにあたる。中計の功罪はさておき、漸次的に重ねてきた日々を別のアングルから捉え直すには良いきっかけになると言えるだろう。

 そんなことを2022年を終えて際になって考え始めた。この3年を始める前に想像していたこと以上のことが出来たと思う。その一方で向かいたい先への道のりの遠さをありありと感じている。これから先も、事業と組織の変革に伴走していくことに変わりない。
 それでいて、これまでの3年と全く同じでは3年という長さでの適応には欠けることになる。次の一年に漢字一文字をあてはめるならば? といういつもの社内のアクティビティでは「変」という字を選んだ。次の3年での焦点の当て方を変えていこう。2023年もきっと面白い、元気が出る年になる。

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