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組織を芯からアジャイルにする

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「組織を芯からアジャイルにする」ために。あなたの居る場所から「回転」を始めよう。
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#プロダクト

プロダクトづくりの「芯」にある、2つの約束事とは何か

 私達はなぜプロダクトづくりをしているのだろう?  その理由は人によって様々だと思う。ユーザーに価値を届けるために。ビジネスの成果をあげるために。そもそもつくるということが好きだから。チームで一つのことを実現していくでワクワクしたいから。どれもその人にとっての原動力に足ることだろう。  私は、プロダクトとソフトウェアという言葉を使い分けるようにしているが、ここでいう「プロダクトづくり」はいずれも含めている。取り組みによっては、単一のプロダクトに焦点をあわせるよりは「事業」

「アジャイルなプロダクトづくり」

 プロダクトづくりには2つの状況がある。何もない、ゼロから臨む場合と、すでにあるプロダクトをより良くしようとする場合とで。いずれの場合にも、「何が正しいのか?」に答えるための仮説検証と、作りながら確かめていくアジャイルの二刀流で臨む必要がある。  ただ、指す言葉は同じでも、「ゼロから」と「すでに」で適用する方法は変わる。置くべき焦点が異なる。そうした文脈の違いを捉えながら、どのようにしてアジャイルにプロダクトをつくるのか。ここを語るための本を書いた。文字通り「アジャイルなプ

プロダクトをつくろう。そして、そこから「物語」を取り出そう

 最近の関心どころから、井庭さんの創造システム理論を紐解いていた。「創造」そのものをシステムとして、人から外部からして捉えることで、その本質を見ようとするアプローチは、「創造」だけに留まらず広く適用が考えられる。例えば、組織システムもその一つとして。  井庭さんの理論では、「創造システム」と関わるためのすべが「パターン・ランゲージ」であり、それは「発見」に導かれるためのメディア(媒介物)となる。創造的な状況に進むには、何かしらの切欠が必要になる。そこでパターンを用いる。パタ

「かたち」と「しくみ」を、「俯瞰」と「詳細」で捉える

 最初に考え始めたのは、「プロダクト作りの上で、網羅的に検討するためにはどのように捉えれば良いか?」だった。何らか構造的に考えることになるだろうと思った。  観点としては何が必要だろう。外から捉える視点、内側を捉える視点、2つ要りそうだ。前者は利用者の視点、後者は作り手の視点。後者のみしかないと、使われないプロダクトを頑張って作るという構図になっていくし、前者しかなければ持続的な開発はできない。外側と内側という構造を常に意識する必要がある。  観点はもう一つある。全体を捉

左と右をあわせることで「問い」に答えられるようにする (ターゲット・ソースモデル)

 何をするにしても、「左と右をあわせる」という感覚がコツになる。左は合わせる先、Target。右は、合わせる元、Source。  何のことはない概念だが、物事の変数が多いときほど役に立つ。例えば、プロダクト開発を行う際に、考慮するべきことは山程ある。顧客は誰か、課題は何か、価値は何か、実現手段は何か、自分たちにそれが出来るのか、競合は誰か、儲かるのか…。すべての問いに答えていくことになるが、同時に考えることは難しい。  今追うべきTargetは何か? まず「合わせる先」か