架空送電線路で発生する主要な損失

架空送電線路で発生する損失は抵抗損とコロナ損になります。 

What is the resistance loss?
抵抗損って何?


送電線路の導体に電流が流れるとき、電流の二乗に比例したジュール損が生じます。

PL=3rI^2【J】

r:線路抵抗【Ω】
I:線路電流【A】

どのように対策するのでしょうか?

上記の式から、電流及び抵抗が大きくなれば、ジュール損が大きくなります。従いまして、電流と抵抗が小さくすることで、抑制することができます。


①電圧階級を上げる。

  P=√3VIcosθ

  ∴I=P/√3Vcosθ

電圧階級を上げることにより、送電線路に流れる電流が小さくなります。


②電線の太線化を図る。

電線を太線化をすることにより、ケーブル導体の断面積が増加します。従いまして、同じ電流を流す場合、太線化した方が電流が流れやすくなるため、ジュール損が低下します。


③並列回路数を増やす
等価断面積のケーブル並列回路数を増やすことで、電流を半分に分流し、一条辺りに流れる電流を抑えることができ、ジュール損を低減できます。

What is the corona loss?
コロナ損って何 

コロナ損
電線の周囲は空気絶縁となっています。雨により、水滴が付着した状態になると、電線下面に推上に広がるため、電位傾度が上昇し、空気絶縁が最大値で30kV/cmを超えた時にコロナ放電が生じます。この時に発生するのがコロナ損である。

対策
①電線に凹凸がない形状し、極部電界を強めないようにする。
②外形を大きい電線を使用する。
③電線を多導体化する。