1.発電所の大枠について
水力発電所の発電方式には、水路式、ダム式、ダム水路式に分類されます。
水路式発電所とは何でしょうか?
水路式発電所は、河川の自然勾配による落差を利用して発電する方式です。
水の流れは、取水ダム→取水口→導水路→沈砂地→導水路→ヘッドタンク→水圧鉄管→水車→放水路→放水口となります。
ダム式発電所とは何でしょうか?
ダム式発電所とは、ダムによって、水をせき止め、水の貯水位による落差を利用して発電する方式です。
ダム水路式発電所とは何でしょうか?
水路式発電所とダム式発電所を組み合わせた発電方式となります。
(電験2種H17-1)
次の文章は、水路式発電所に関する記述である。文中の() に当てはまる語句を解苦群の中から選び、その記号をマークシートに記入しなさい。
水路式発電所は河川の(1)を利用して落差を得る方式であり、その主な設備としては、取水ダム、(2)、導水路、(3)、水圧管、水車・ 発電機、放水路及び放水口からなる。 取水ダムで取水した水は、まず、(2)に入る。ダム式と異なり、取水中の土砂は取水口で完全に除くことができないため、ここで、水の流れを緩やかにして、導水路に入る前で土砂を十分に沈殿させる。 導水路には、主に開きょや(4)が用いられる。 (4)の断面形状は、一般的に馬蹄形が採用され、岩盤が堅固なところでは素掘りのままとする 場合もあるが、多くはコンクリートなどで内面の巻立てを行う。(3)は、水圧管の手前に設けられ、水路末端の断面積を広げて を大きくしたものであり、最終的な土砂の沈殿や落葉などのごみの取り除きを行うほか、発電所負荷の急増時には水の補給を行うなどの役割りがある。なお、負荷遮断等の負荷急減時に、水路から流入してくる水を河川に 放出するための設備を(5)という
[電験2種H27-5]
水路式発電所は河川の(1)を利用して落差を得る方式であり,ダム式発電所はダムの(2)を利用して落差を得る方式である。また,ダム水路式発電所は両者の特性を合わせもつ方式である。
水路式発電所の主な設備は上流から順に,取水ダム,取水口,(3),導水路,ヘッドタンク,水圧管路,発電所,放水路及び放水口で構成されている。
一方,ダム式,ダム水路式では,一般的に(3)の機能がダムに備わっていることから,(3)は不要とされている。
ダム水路式の導水路は,一般に(4)となることから,水路式のヘッドタンクに変えて,サージタンクを設置する。
ヘッドタンクには,出力変動に対する数分程度の水量供給変動を吸収する能力があり,サージタンクには,この能力とは別に,(5)を吸収する能力がある。