水撃作用について
What
水撃作用とは何でしょうか?
水撃作用は流路を弁で急閉または、急開することで、水のもつ運動エネルギーが圧力エネルギーに変換され、水路内を圧力波が伝搬する現象です。別名‘’ウォーターハンマー‘’といいます。
ここでは、弁が急閉したときの場合について、説明します。
水路におけるエネルギー保存則として、ベルヌーイの定理が適用されます。
位置水頭+速度水頭+圧力水頭=一定・・・①
従いまして、ガイドーベーンを遮断すると、
位置エネルギー=0・・・②
運動エネルギー=0・・・③
①式に②と③式を代入
故に、圧力エネルギー=全エネルギーとなり
水が持つエネルギーは全て圧力エネルギーに変わります。
その結果、落差が大きい(位置エネルギーが大きい)ほどかつ、流速が速い(運動エネルギーが大きい)ほど水撃作用による影響が大きくなります。
Why
水撃作用が発生するメカニズムは?
水撃作用は、発電機、発電所構内、あるいは送電系統に事故が生じた場合に、保護装置が動作し、負荷を解列させます。
負荷を解列すると、無負荷あるいは、負荷が軽くなるので、水車を危険速度まで上昇させないように、調速機が動作するとともに、ガイドベーンに閉信号を送り、ガイドベーンを急閉させます。その結果上記の通り水撃が発生します。
How
水撃作用の対策は?
水による衝撃を和らげるような対策が必要となります。そこで、サージタンクを設置します。名のごとく何か、開放してくれそうなタンクですね。
そうなんです。サージタンクは圧力を開放するタンクとなります。圧力の逃げ道を作ってあげることで、ケーシングや水圧鉄管、圧力トンネルなどの損傷を防いでくれます。