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[ネタバレしかない] 宵祓い探偵ミアズマブレイカー 感想

プラットフォーム:Switch
リリース日:2025年1月16日
値段:4378円
ジャンル:ツインスティックシューター+ヴァンサバ
クリア時間:12時間ちょい
プレイ時間:18.5時間
言語:日本語


日本産正統派ツインスティックシューター!

ツインスティックというよりはヴァンサバライク要素のほうが強い。

そしてツインスティックシューターというと大体ファンタジーな世界観やSFのシューティングという感じが多いが、今作は完全和風!というか除霊!なかなか結びつきにくいジャンル…と思わせておいて、昔ながらのシューターは奇々怪界で慣れていたりはする。要はあれをツインスティックにしたと言えば分かりやすいと思う。

そしてヴァンサバでもあるので、技がどんどん強くなっていく。

まあ、この要素があって面白くないわけがない。実際相当面白かった。

ビジュアルはキャラクターがドット、背景は3Dのミックスでとてもいい感じ。主人公の細かいドットアニメーションが見てて楽しい。

かわいい

ゲームのテンポはとても良い。ストーリーは一応あるが、バトルが多め、というか仕組みとしてはモンハンに近い。

拠点で装備を整え、ご飯を食べ、ミッションを決めて出撃。

バトルひとつひとつは数分か十分ちょいで終わる短さ。HPとライフが別にあり、HPを全部失うとライフを失ってHP全回復でその場復活。

敵を倒して手に入る経験値でレベルを上げ、強化を選んで徐々に強くなっていき、極まると弾幕ゲーになる。

ただ、なんというか色々なバランスが不思議な感じだった。最初は難易度ノーマルである程度やっていたが、なかなかつらい。

とにかく敵の攻撃が激しい!弾幕どころか体当たりもしてくる。しかもフィールドがそこそこ狭い。なので、油断するとばっちばちに被弾する。

赤いのがだいたい敵の攻撃。多い

そしてHP回復手段が、敵を倒してドロップする魂を除霊で集めるしかない。

つまり、敵を倒せないと敵がどんどん増えて圧倒されてしまうという、持ち直す手段がなかなかないというつらさがある。まあ、ヴァンサバってそういうもんだけど、序盤から中盤の難易度が高い印象があった。

ノーマルでやっていて、被弾はともかく敵の体当たりでのけぞって行動がキャンセルされるというのが多く、だいぶイライラしていたところ、イージーにしてみるとなんと圧倒的に簡単になった。一度もやられることなく、とにかく敵を圧倒できる。ヴァンサバの楽しさは圧倒的火力で敵を殲滅していくことに尽きるので楽しいのは確実なんだが、ボス戦でも同様だったので割と肩透かしだった。

とは言え、難易度を変えるデメリットもメリットもなく、難易度を上げると被弾してジリ貧になるイライラしかなかったので、最後までイージーでやってしまった。

なんだかんだでやれることをやり尽くしてしまったくらい遊び倒したので、楽しかったのは確かだけど、うーんとなるポイントも多いゲームだった。

・ゲームシステム

ミッションがたくさんあり、ストーリーミッションを全部クリアするとストーリーが挟まって次の章に進むという、上に書いたがモンハンな感じ。

ストーリーミッションをクリアすると新しいミッションが出てくる

各ミッションでお金や強化素材を手に入れると共に、特別報酬という敵の討伐数や出撃回数などが一定数に達するとかなりのお金や経験値などをもらえるので、とにかくミッションをこなしていくと順調に強くなっていく。

お金はものすごく大事で、基本ステータスを強化したり、レベルアップ時に発動するスキルを解放できたりする。

最初はリストも少なく金額も少ないが、エージェントランクを上げるとどんどん増えていく

特に基本ステータスはHPやライフの最大値を上げたり、回避の回数を増やしたりできるので、これを強化してからが本番という感じすらする。

また、武器となる守護霊は3種類あって、近距離の狐、遠距離の蛇、万能タイプのカラス。

最初は狐しかいないがストーリーを進めると使えるようになる。

更に、ミッションクリアでもらえる宝珠みたいなものを使うことで各守護霊のレベルを上げられたり、ミッション中の宝箱や特別報酬で手に入るスキルを装備すると、除霊時にスキルが発動するようになる。

・バトルシステム

主人公は自身で通常弾を放てて、それとは別に守護霊を飛ばして攻撃ができる。が、守護霊は飛ばしたあと触りに行くか、魂回収にも使うエリア除霊で回収しないと再攻撃ができないという、結構立ち位置を考えなきゃならないシステム。
守護霊は攻撃後すぐ回収できるのもあれば、一定距離移動してしまって遠くに行ってしまうものもある。

そして敵を倒すと魂を落とす。
その魂を除霊で回収すると、経験値+HP回復+除霊スキル発動という、一石三鳥な魂システム、とても良い。

一気にたくさん回収すると経験値ボーナスが入り、レベルも上がりやすくなるため、HPに余裕があるときはあえて放置しておいてあとで一気に回収することで気持ちよくなれる。除霊スキルはたくさんの霊を一気に回収すると強力なものが発動するので、むしろそのやり方が推奨される。

43魂除霊で経験値100%ボーナス!気持ちいい

レベル上げと強化

レベルが上がると主人公の攻撃か守護霊の攻撃か、除霊スキルのどれかを一つ強化することができ、満遍なくやっていくのが大事だが、ただどっちつかずになる場合もあり、なかなか難しく、それが面白い。

黄色が守護霊で、青が自分の強化

主人公は主人公で強化していくと相当強くなるし、守護霊はクールタイムというデメリットがあるだけに普通に強い。そして除霊スキルは強化しないと遠くの魂を回収できなかったり、そもそも除霊行動中に攻撃を食らうことが多いので、発動時間を短くするのはなかなか大事だったりする。

拠点で強化できるHP、ライフ強化などは永久強化ではあるが、攻撃系は基本拠点ではどうしようもなく、攻撃強化はミッションが終わるたびに毎回いちからやり直し。これはとてもヴァンサバ。分かる。
とは言え、仕事が終わるたびに除霊のうまいやり方まで忘れてくるのはどういうことだと思わないでもない。

回避はあるがボムはない

回避アクションもあり、おそらく発動中は完全無敵。ただ、主人公の当たり判定がよくわからないのと、敵の攻撃エフェクトや攻撃範囲もよくわからないので、大体フィーリングで回避することになる。

そんな回避はあるがやはり緊急避難がないのがだいぶ困る。シューティングなのにボムがないのだ。

ライフがある限りその場復活できて、復活の際に周りの敵が全部消滅するので実質ボムみたいなものだとは思うが、やはり「ミスした」という心理的ダメージはでかい。ライフじゃなくてボムという扱いで、ミスはあくまでも全ライフを失ったときだけだったらミスした感は薄かったと思うけどな…

守護霊合体覚醒モード!

あとは、敵に攻撃すると覚醒ゲージが溜まっていき、50%以上になると守護霊と合体して覚醒モードになり、魂自動回収と守護霊攻撃使い放題に奥義も使えるというなかなか強力なモードが発動できるので、これも一応ボム扱いと言えるか。

無敵ではないので注意

覚醒も含め、中盤くらいからようやくまともに使えるようになってくるので、序盤だとあんまり困ったときにやれることがない。

おもしろいのはおもしろい、が…

おもしろいのは確実なのだが、同じくらい苛つくことも多かった。
とにかく敵の数と攻撃が尋常ではなく、何が起こってるのか全然わからん。
そして一度敵の数が上回ってしまうともう魂の回収もできないしなにもできなくなる。そしてライフを失ってやり直し。

とにかく突っ込んでくる敵にふっ飛ばされるのが苛つきマックスだったな… ダメージはともかく、のけぞり状態にされて、除霊中だったのがキャンセルされて魂の回収ができないという状態からなかなか逃げられないケースが頻発する。

それもこれもフィールドが狭いのが問題だが、広くすると魂が散らばって回収できなくなるから仕方ないか…

・守護霊

そして、この守護霊がどうも性能の差が激しい。性能というか、DPSが違いすぎた。

風の狐、水の蛇、雷のカラス

特に万能タイプのカラスが、最大4体のオプションから360度周囲に弾を飛ばしまくることができ、複数の敵にも攻撃できるし、敵が一体だったら攻撃を集中させられるという臨機応変すぎる性能なのに対し、蛇は一方向で通り道の敵にしかダメージを与えられないという、攻撃回数と対応力の差が激しい。

カラスは前後左右を囲んでくれるので安心感がすごい

狐も蛇と似たりよったりなのだが、攻撃モーションがコンパクトため、何度も連続で召喚でき、結果DPSが結構高いというそこそこな性能になっている。

蛇の守護霊は遠距離仕様とはなっているが、そもそもフィールドが広くないので引き撃ちができるわけでもなく、ゲームの仕様上引き撃ちをしても後ろに普通に敵が出現したりする。
更に守護霊攻撃ですごく遠くに行ってしまうのですぐに回収できなくなり、且つ敵を遠くで倒すと魂が回収できないという、とにかくこのゲームと遠距離の相性が悪すぎた。

しかも攻撃力も特に高いわけではないので、守護霊の強さがカラス>>>狐>>>蛇みたいになっていた。

とにかくDPS!のはずが…

ヴァンサバって、なにはともあれDPSが大事なゲームなのに、逆にそれを下げる技が非常に多かったのがなかなか不思議だった。

基本攻撃だけではなく、レベルを上げていくと通常攻撃のあとにその場に待機して強力な攻撃を放つということもできるようになってくるのだが、カラスは一度にいろんな技を放てる上に広範囲攻撃なのに対し、蛇は遠くに行ったあとにいろんな技を順番に放ち、全然回収できないという、とにかく一度のモーションに時間がかかり、せっかく技を覚えたのにDPSが逆にどんどん下がっていく。

この強化技については、何度かあえてそっちルートばかり試してみるなどのテストをしてみたが、どの守護霊でもダメージとかかる時間が釣り合っておらず、どれも基本技を極めるのが強いという結論になった。エフェクトは派手で使ってて楽しくはあるんだけど…

特に蛇の泡を飛ばす攻撃が、大体の場合誰もいない場所を狙っている上にダメージも特に高くないという切なさがあり、経験値稼ぎのために蛇を使う旅に、カラスに戻るときに強さの差を味わうことになって切なかった。
ダメージアップか攻撃範囲向上など、何かしらテコ入れをしてもらいたい。ただ、パッチが来たとしてももう全ミッション終わらせてしまっているのだった。

また、それぞれの技のダメージや性能が見られる一覧が一切ないというのも、使いづらさに拍車をかけていた。
レベルアップ時に攻撃力+5みたいに出るけど、攻撃ごとに見比べられないんだよなぁ… 結局どれが強いんや。

見れるステータスは除霊周りのみ。ヴァンサバなのに!?

ただ、後半になってきて守護霊レベルが4を超え、主人公の基本性能も上がってくるとようやくヴァンサバらしく、俺ツエー状態になることが多くなってくる。更に覚醒ゲージもしょっちゅう溜まり、雑魚敵は一瞬で蒸発するくらいの攻撃力を得てくる。正直気持ちいい。楽しい。

よし、満を持してノーマルやハードも挑戦してみるか!と試してみたら、最初はノーマルで苦労していたのに、ハードでやっても特に苦労せずライフも失うこともなく高難度ミッションをクリアできてしまうようになり、ますますレベルバランスが不思議な感じだった。

・ストーリー

探偵事務所に入った新人の主人公が、探偵業務をせずにひたすら除霊ミッションだけしていく。

新人はどうやら除霊的バックグラウンドを持っているようで、最初から狐の守護霊がついていて才能に満ち溢れている。

そして事務所のボスは実は昔はやりての除霊師で、とある事件で引退して探偵事務所で細々と暮らしている。
ただ、そのボスの悪友である人物が世界除霊機関という壮大な機関のエージェントで、たまにお仕事を持ってきてくれるという、良くあると言えば良くあるお話。

実はそのボスが引退した原因となる悪霊は主人公の一族が関わっており…だと?盛り上がってきたぜー!

なるほど、あの「特例」ね…(知らない)

そして色んな場所で強力な悪霊がはびこりはじめるが、主人公が軒並みあっさり除霊していく。
さて、お話はどう帰結するのか…?
というところで、最初から最後までなんと匂わせだけで終わってしまう。

え…?

やっぱりモンハンっぽく、一度クリアしてからが本番で、そこで新たなストーリーが語られるんだよな…?という一縷の望みを抱いて他のミッションもこなし、エージェントレベルというミッションレベルみたいなものを最大にしたが、なんと!何も起きなかった。

ランク10になった!だけ!

マジかよ!

ほぼすべての謎が解かれないという、逆に斬新なストーリーテリングだった。無い方がマシとは言わないが、どうしてこうなった感はある。

匂わせイベントラストバトル

・良かったポイント

  • 探偵事務所の雑然としたビジュアル好き。

  • 主人公の細かいドットアニメーションがかわいい。

  • いろんな妖怪のアニメーションに富むドット絵が見てて楽しい。ただ突進系はイラつきが伴うので複雑。

  • 後半になって弾幕を張れるようになったあとの楽しさは半端ない。

  • 大量の魂を一気に除霊したときに一気に強化される感覚は何度やっても気持ちいい。

・困ったポイント

  • 画面が微妙な斜め見下ろしというのもあり、敵の攻撃範囲、主人公の当たり判定がわかりにくい。本家ヴァンサバのように、一度のダメージが結構致命的になることはないのでまだOKなのだが、それでもブレス攻撃や形の複雑な飛び道具は回避しても普通に食らうことが多かった。

ビーム系は割とわかりやすかった
  • ダメージ後の無敵時間が非常に短いこともあり、バリアを張るマンドラゴラみたいなやつに接触するとなぜか回避ができず、連続でダメージを食らう。

  • 特別報酬のUIがかなり見にくい。達成したものが分かりづらく、更に達成したらリストの一番上に来るわけでもなく、自分で一つずつ探さなきゃならない。この特別報酬、手に入る金額など報酬が段違いに美味しいのに、分かりづらさであまり開きたくないウィンドウになってるのがもったいない。

  • 中盤以降のレベルアップで手に入るようになる、除霊時のバリアやパリィ、ジャスト回避などは拠点での永久強化に加えてほしかった。

  • エージェントレベル8以降の変化が全く分からなかった。マックスの10にするためには、最終ステージの高難度でたまに出てくるレア敵を何度も倒さなきゃならないというハードなものなのに、それを成し遂げてもなんの報酬もなかったのはさすがに切なすぎた。
    というか、エージェントレベルが上がるたびに何が増えたか表示してほしかった。

  • しかもお金や強化素材も途中で使い道がなくなるのでマジで稼ぐ意味がない。

  • 宝箱から手に入る除霊スキルのかぶったものは自動でお金に変換とかしてくれると嬉しかった。

めちゃめちゃかぶってるー
  • ストーリー部分で書いたが、とにかく中途半端なストーリー。そこまで続きが見たいというわけでもなかったりするが、せめて広げた風呂敷は畳んでほしかった。

  • 後半のボスの一匹が、エリア外だけを移動するため、守護霊が遠くに行ってしまうと接触はもちろんできず、下手すると除霊回収すらできなくなる。それ以外でも、蛇の守護霊はエリア外に行ってしまって回収が難しくなるというデメリットしかないのが切なかった。

届かないんですけど?

・まとめ

ゲームの序盤はシステムが増えていき、敵もそこまで強くないので堅実なツインスティックシューターとして楽しめて、後半はこちらの攻撃が派手になってきてレベル上げと色々な強化ルートを楽しむヴァンサバとしてしっかり楽しめる。
が、敵の攻撃が激しくなってきて、且つ強化がまだ足りない中盤、楽しさよりも苛立ちが上回ってしまった。

更に、そこで攻略のために色々と試行錯誤した結果、守護霊の性能の差が激しいことやDPSが落ちるだけのハズレスキルなどに気づいてしまった。

イージーにしたら一気に楽になったが、同じ守護霊で毎回ほぼ同じ強化ルートを繰り返すだけのゲームになり、やりがいもなくなってしまい、割と作業のように敵を倒していくゲームになってしまった。俺ツエー自体は楽しかったが、結局どのミッションでも同じことの繰り返しなので虚無感にも繋がってしまったのだった。

そしてストーリーも中途半端なまま終わり、クリア後にも特にやることもない。いや、あったけど、やった意味は特になかった。虚しい。

なんだかんだでやりこみをするくらい好きなゲームになったし、楽しくはあったし、オススメはするものの、もっといいゲームになったのになというもったいなさを感じるゲームだった。

続編かDLCかなにかで補完してくれー。買うぞー。

安らかに眠ってくれ先生(死んでない

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