[ネタバレしかない] プリンセスピーチ ショータイム レビュー
プラットフォーム:Switch
リリース日:2024年3月22日
クリア:6時間半
やり込み:してない
注意!マリオゲーではない!
何を当たり前のことを言ってるんだ。タイトルがもうきちんとピーチなんだからピーチゲーに決まっているだろうが、と思われるだろうが、それは自分も十分に承知である。
実際、ゲーム中でもマリオのマの字も出てこないし、クッパも出てこない。見覚えのあるのはピーチとキノピオのみ。
そのキノピオも序盤で脱落して、あとはなんか鼻が光る一般市民と仮面を被った敵だけ。
何を言いたいかというと、任天堂が作る、一見子供向けに見えて、実際簡単に遊べもするがやり込みなど、やりこみを目指すとゲーマーもコントローラーを投げるような、レベルデザインがしっかりしすぎているマリオゲー、のピーチバージョンではない、ということ。
最初から最後まで簡単に見えて実際簡単なゲーム。今のご時世、こういうテンプレを言うと怒られるめんどくさい社会になっているのでワンクッション置くが、小さい女の子が好むお姫様であるピーチ姫を、小さい女の子向けにしっかりと遊べるゲームにしたものになっている。
なので、マリオ的なやりがいを求めて遊んだ自分みたいなゲーマーはかなりガッカリしたものの、それはこのゲームがクソゲーだとかそういうことでは全くない。
ただ、ゲーマー的な気持ちで遊ぼうと言うのなら、全くオススメしない。
小さい家族がいてSwitchを奪われがち、一緒に遊ぶこともあるという場合ならとてもオススメ。
要は完全にターゲットにいない層の人間が勝手に期待して買って勝手にがっかりしただけなのでした。
いやまあ、見た目からそんな気はしてたけども。
ただ、とにかくピーチ姫が美しかったのでそこは良かった。
・ストーリー
ストーリーは無いに等しい。
劇場に来たピーチ姫たちは、悪役による劇場乗っ取りに巻き込まれ、劇団員の主役が全員見事にやられたり誘拐されたりしまったのでピーチが代わりにその力を借りて大活躍!終わり!
力を借りる前のピーチでもリボンをキラキラさせて味方を鼓舞したり敵を改心させたりできるが、仕組みは謎です。
敵が全員操り人形であり、天井から紐が吊ってあったり、全部舞台の上でのお話なので建物に入ると返し扉みたいに舞台ごと回転したりと、プレイヤーも劇場で演劇を見ている気分になれるのが良かった。
ステージ入るときに画面が暗くなって暗幕が開く演出、好き。
ボーナスステージに出入りするときは観客の拍手が聞こえるのもまた良い。
あと劇場の階段の手すりに乗ると滑り降りるという細かいアニメーション小ネタがとても良かった。
・ゲーム性
ゲームとしてはピーチが忍者になったり剣士になったり探偵になったり怪盗になったりパティシエになったりヒーローになったりカウガールになったりマーメイドになったり。
忍者は草むらで隠れられたり、壁際で隠れ身の術を使ったりと、細かいのがかわいい。
カンフーピーチが一番ゲーム性が高かったかもしれない。
アクションステージも敵やオブジェクトをふっ飛ばしてぶつけることで他の敵を一掃できたり、ボス戦はタイミングゲーになってたりと、アクションがかなり爽快。
それぞれのコスチュームと言うかステージで全然ゲーム性が違い、剣士や忍者などは戦うのだが、探偵は捜査オンリー、パティシエはお菓子作りオンリーと、もはや戦うことすらなくなったりする平和な世界。
残機という概念もない。ライフはあり、アクションステージだとダメージで減り、探偵だと推理ミスで減る。ライフがゼロになると持ち金がちょっと減るだけでゲームオーバーとかもない優しい世界。
でも地味にパティシエステージが一番シビアだった気がする。
クッキー作成が、ボタン連打で生地を膨らませるという形なのだが、モンハンで言う上手に焼けました〜を目指そうとするとタイミングが地味にシビアで失敗しがちだったのが割とだるかった。
あとケーキ作成はただただ巨大なケーキに見本通りにクリームを塗っていくと完成するというミニゲームで楽しいが、奥行き問題とか位置調整などがちょっと大変。でも判定は緩いのでゲームとしては楽。
・低難易度すぎた
とはいえ、全体的に余りにも難易度が低い。
特に探偵編とか、謎解きさせる気がないくらいあからさまに答えが転がってたりする。簡単すぎて謎解きをすっ飛ばしてしまい、キラメキを逃したりするという問題すら発生したほど。
ただ、難易度が低いのに合わせて、というのも変だがアクションの幅が狭い。剣士はなんかボタン連打でコンボになったり、敵の攻撃直前にジャンプや攻撃をするとスローになってかわせるというギミックがあったりするが、ボタン連打で敵は倒せるのでかわす必要がなく、さらにそのかわすタイミングになんのビジュアルのヒントもないのでノリでやることになる。下手にかわそうとするほうがやられがち。
更に、ジャンプ攻撃ができても落下攻撃ができないので、ジャンプしても着地場所に敵がいると普通にダメージを食らったりする。なのにミニゲームでノーダメ強制で敵をひたすら倒すものがあり、正直剣士編はつまらなかったな…
・細かいシステムの粗が気になる
上記のアクションの浅さに加え、キラメキという、マリオでいうスターとかムーンとか集めるのだが、ステージ途中で取り逃した場合、やり直して取ってもそのステージをクリアしないと手に入らないのが割とだるい。ステージ中のデモも飛ばせないのに。
また、ステージ中のチェックポイントを越えると戻れないのもまたキラメキ取り忘れに繋がりがちだった。
下手すると最初のを取り逃がしたまま進んでしまい、やり直すのだりぃ〜と思いながら進むことになる。
あとは剣士だと3Dステージと2Dステージが入れ替わり、2Dステージだと上を押しながら攻撃することで上攻撃ができるけど特に説明はなかったり。
・やり込み
やり込みとしては、コインを集めてドレスを買ったり、キラメキを全部集めたりするくらいで、隠しステージとかは特に無い。
劇場の主役であるキラリスタというのを全部集めると真エンドになるのかなと思ったら、普通にストーリーの展開として全員集める必要があった。
ちなみにドレスの柄はダサいのが多くて逆に面白かった。
更に、ゲームをクリアすると全ステージに忍者が3人隠れるというミニゲームが追加される。これがまあ、一番大きなやり込みか。
なので、取り逃がしたキラメキを探すのと合わせてそのかくれんぼゲーをやれば良いのかもしれないが、どうせ一人でも探し忘れるとまたステージを最初からやらなきゃならないんだろうと考えただけでやる気がなくなってしまった。
もしかしたら全部集めたらスターロード的なステージが追加されるとかあるのかもしれないが、特に調べないまま終わった。
・まとめ
実際自分に合わないゲームだったのだが、それで低評価するゲームではないというのはわかっている。
なんか、積みゲーが多すぎるので早くゲームを減らさなければという思いがあるのと、ゲームに慣れているから謎解きがわかりすぎてしまうため、ただただ楽しめない自分が悪いんだ、と思わせられるゲームだった。
その証拠に、ゲームの評価を調べたらほとんど高評価で、ちゃんとゲームのターゲットである人が買えば楽しめるのだ。文句言ってるやつはこのゲームにふさわしくないおっさんくらいなんだ。
このゲームを楽しめない自分が悲しいと感じてしまう、リトマス試験紙みたいなゲームだと言えるのかもしれない。