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なんぼやろ、まあええんちゃう、には、しゃあないなで返す

ピーッ、ピーッ、ピーッ…

オーブンレンジから聞こえてくる焼き上がりを知らせる音。

扉の取手を持ってゆっくり開くと、こんがり焼き上がった2つのパンが姿をあらわした。ライ麦粉配合のパンらしく、しっかり焼き色がついている。

ライ麦粉を多く入れるとこういう色になるということで、けっして焦げているわけではない

一部生地が変に割れているなど気になる部分はあるものの、まあまあうまくいったほうかなとほくそ笑んでいると。

「おーっ!相変わらず色濃いな!なんぼくらいで売れるやろか」

いきなりゼニ勘定!
大阪のおばはんはこれやからとなげきながらも、実際に売れるかどうかは別として、少なくとも見た目は合格と評価してくれたということだ。

切ってみる。
さすがにライ麦粉の配合比率が高いので、硬い。

割とつまった内相なのは、ライ麦パンゆえ

ほのかにライ麦の香り。さっそく召し上がっていただく。

どないでっしゃろ。

「まあええんちゃう?次はナッツ入れて」

それだけかい!
しかし、また作れということは、味も合格ということだ。

これおいしいねとか、次もまた作ってねとは絶対言わないけれど、喜んでくれているかそうでもないかは、長い付き合いなのでだいたいわかる。

こちらも表情ひとつ変えず、しゃあないなとつぶやきながら、

ライ麦パン ナッツ レシピ

とSafariの検索窓に入力してレシピを探す。

賞味期限切れのライ麦粉はまだ1回分は残っている。早めに消費しないと捨てることになるので、次の週末もライ麦パンを作ることにする。

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