140日目 即興の名人
俳優の西田敏行さんは、「アドリブ王」という異名を持つほど、即興力に秀でていたという。
今日の「探偵!ナイトスクープ」での追悼回の放送を見ていると、そう呼ばれるに至った、西田さんの人間性が映し出されていたように感じる。
VTRを見て、思いっきり笑い、思いっきり泣く。
そこにアドリブの発想なんてものはないのだろう。
だが、一切飾らずに泣き笑う姿は、画面越しにでも西田さんの人間としての温かみを伝えている。
等身大の西田敏行という人間が、そこにいる。
心が動く瞬間を、素直に表現できる柔らかさ。それこそが、アドリブ王として名を馳せることにもつながったのだと思う。
ナイトスクープは、依頼された内容を見て楽しむ番組だ。
だが、西田「局長」がスタジオで依頼文を聞く様子、VTR後にスタジオにカメラが戻ってきた時の表情や仕草なども含めて一つの作品になっていた。
飾らずに、自分本来の心で向き合うことは、即興力を発揮するために欠かせない土台である。
どれだけスキルを見につけても、それを支える人間性がなくては、力は宝の持ち腐れとなる。
魅力ある人の良さから、もっともっと多くのことを学んでいきたい。