MTG モダン環境分析 グリクシスデスシャドーは9回戦の大会に持ち込めるか?
グリクシスシャドーを取り上げた背景と結論
https://article.hareruyamtg.com/article/63476/
上記の記事で、某プロが4Cヨーリオンからグリクシスシャドー(GS)へ切り替えた話があった。そこでGSが競技性の高い9回戦の大会でどの程度結果が出ているかを調べた。
先に結論を述べる。
・272人の参加者でGS使用者はたったの4人で、勝ち越しは0人だった。
・4人全員がイゼットラガバンと4Cヨーリオンに全敗していた。
・Best8を狙うのであれば、5回戦の大会なら問題なさそうだが、9回戦には勇気がいるデッキと考えられる。
大会の詳細
大会:NRG Series $10,000 Trial - Chicagoland (Modern)
参加者:272名
日付:2022/7/30
このデータだけでは不十分と思う読者もいらっしゃると思うが、全マッチの相手の情報が分かり、サンプル数を稼げる、さらに最新のソースはこれしかなかったのでご容赦願いたい。
メターゲーム
GS使用者は全体のたった4人だった。
晴れる屋のメタゲームと比較しても大差のないメタだった。
・4Cヨーリオン
・イゼットラガバン
・ハンマータイム
のTier1 デッキは本大会の26%を占めていた。
2022/8/7に確認した晴れる屋のメタゲームでは20%を占めている。晴れる屋はカジュアル大会の結果も含んだ数字である。また参照した大会の競技性の高さを考慮すると、メタゲームとして大きくズレてはいない。
よって、この大会が特異な環境ではなかったことが分かる。
グリクシスシャドーのデッキリスト
GS使用者の中で最も高い成績(272人中、102位)を収めたプレイヤーのリストを以下に示す。ジェガンサを採用している以外は一般的なリストであった。
4Cヨーリオンの勝率の比較
表1に4CヨーリオンとGSのランク表を載せる。
・4Cヨーリオンが白地
・GSが青地
になっている。
4Cヨーリオンはランキングの全体に散っており、GSは101以下に4人が分布していた。
表2に各々のアーキタイプの勝率を示した。
4Cヨーリオンは57%のマッチの勝率(MW)に対して、GSはMWは33%だった。最も成績の良かったプレイヤーでも4−4だった。
サンプル数が各々で31人と4人なので、GSについては4人なのでバラツキがあり、この数字を鵜呑みにはできない。
そこで、次の章でGSが当たったアーキタイプについて細かく見ていく。
グリクシスシャドー使用者の対戦表
表3にGSの使用者4人の対戦歴を示した。
4人に共通する点として、4Cヨーリオンとイゼットラガバンに全敗していることである。
これら2デッキは合わせて、本大会で23%の使用者を占めているTier1デッキである。それに2つに対して全く勝てていないため、33%の勝率に落ちたと考えられる。
これらの事実を考慮すると、9回戦もあるような競技性の高い大会に出る場合、Best8を目指すにはGSではややカードパワーが不足していると思わざるを得ない。
まとめ と モダホラ2後の環境について
以下にまとめを示す。
・272人の参加者でGS使用者はたったの4人で、勝ち越しは0人だった。
・4人全員がイゼットラガバンと4Cヨーリオンに全敗していた。
・Best8を狙うのであれば、5回戦の大会なら問題なさそうだが、9回戦には勇気がいるデッキと考えられる。
これと同じ傾向が他の緑トロンやバーンにも確認された。
古き良きモダンを代表するデッキ達が、カードパワーによって9回戦では戦えないデッキになっている。唯一戦えそうなのはアミュレットタイタン辺りである。
某掲示板で ”モダホラガー” 論争は度々起こるのを見かける。
今回の結果を見る限り、カードパワーのインフレで9回戦の試合に持ち込めるデッキは減った。
一方で5回戦位で、カジュアルに大会を楽しんでいる層からすると、そんなに多様性は失われていないと感じているのではないだろうか。
それは深刻なほど多様性は失われておらず、ウィザーズのモダホラ2のインフレ調整は絶妙だったためだろう。
そういったプレイヤーのスタンスの違いが”モダホラガー” 論争を起きているのではないだろうか。
分析してほしいリクエストがございましたら、遠慮なくコメント欄に書いてください。よろしくお願いします。