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石庭と 瀬戸内の海と

上は、言わずもがな、龍安寺の石庭。hanakonjou062c54さんにお借りした写真。桜の頃だ。

これを、まるで「もの派」の作品のように、コンセプチャルな造形なんじゃないかという方もいらっしゃるけど、僕は、もっと単純に、瀬戸内の島なみをここに再現しただけなんじゃないかと思っている。

もちろん、だから価値が低下するとは露ほども思っておらず、だからこそ美しいんだし、だからこそ、恒久的な魅力があるんだと思っている。

創建のスポンサーだった細川勝元も、大火事の後、ここを再建した細川政元にしても、瀬戸内にゆかりのない大名ではない。成立年代にしろ、誰が作庭したのかまで謎だらけの庭だから、勝元、政元がどのくらい作庭に関わっていたのかもわからない。でも、いずれにしても、難解なものとして見るより、もっと素直に見ちゃえばいいんじゃないかとは思っている。

瀬戸内の島なみは、マイナス・イオンの固まりのような風情。ただ美しいだけでなく、なぜか、心を軽くしてくれるもの。

だから、そういうものを庭に持ってきたくなっちゃたんじゃないかなーと、僕は思っている。

若い頃は、ときどき外国からのお客さんを京都にガイドすることがあったけれど、この自説(あくまでも自説として)を披露していた。

その上で、龍安寺だけでなく、できれば、ぜひ、ホンモノの瀬戸内、その島なみを体験してみたらと、お勧めしていた。