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あるラーメン

ひさびさに伊勢佐木町あたりを歩くと、その凋落ぶり。目を覆うばかり。もう不二家はないし、ユニクロさんもオープンした地を離れて、やや縮小気味だ。オープンは昨年のはじめ頃じゃなかったけと思うお店の退店も多く、10年以上前に閉店したネパール人のカレー屋さんの跡は看板もそのままに、今も空き店…という状態。

関内駅前の駅ビル端にある飲食店も、この前、役所に来た時に見かけた店とはまた違う店になっており、この街に「丸井」が2店舗あったのも今は昔の話。若い人は、この街にカレーミュージアムがあったことすら、ご存じないだろう。

この状態に、これから、関内駅に沿って170mの高層棟2棟と120mの高層棟1棟が建つ予定だ。関内駅を三匹の「ぬり壁」が見下ろすことになり、彼らの影は港に及ぶのではと言われている。

(よほどの住民蜂起でも起こらない限り現実になるのだろう)

デベロッパーさんのための活性化策なんだろう。

そんな中で伊勢佐木町1丁目の裏通り。末広町の2丁目にあるラーメン屋さんは、僕が高校生の頃から変わらず繁盛している。繁盛しているといっても行列ができるほどではなく、カウンターだけの小さな店が満卓になるのはお昼時ぐらい。でもお客さんが途切れることはなく営業時間は深夜に及ぶ。

なんという特徴はないが「また食べたくなる味」。近所に住んでいるた頃は一度食べるとクセになってしまって閉口したものだ。

「幻の味」でもないし「ミシュラン」とも無縁。
でも、これこそがプロの仕事だという気がしている。

店員さんのあたりが柔らかいしね。

(券売機入れたときも「すいませんね。券売機にしちゃって。人手不足でね」って一札入れてくれるんだ)

僕はね。こういうラーメン屋さんを忘れずにいること。
たまには食べに行って、応援すること。

そういうことの方が本当の活性化策なんじゃないのと思っている。
美味しいし、無理ないし。

風前の一軒になっても応援するんだ。