医療政策決定における費用対効果分析の活用:課題と英国の事例


こんにちは、皆さん。今回は、京都大学で行われたJohn Cairns氏による「普遍的健康保障と健康経済学」に関する講演の内容をまとめてお伝えします。Cairns氏は、医療政策決定における費用対効果分析の活用について、その課題と英国での実践例を中心に、非常に示唆に富む講演を行いました。

Cairns氏の講演は大きく2つのパートに分かれています。前半では、医療政策決定に費用対効果のエビデンスを活用する際の3つの主要な課題について論じています。後半では、英国での経験を基に、実際の政策決定プロセスにおける経済情報の活用について詳しく説明しています。

この記事では、Cairns氏の講演内容を詳細に解説しながら、費用対効果分析の重要性と課題、そして実際の政策決定への応用について深く掘り下げていきます。医療経済学や保健政策に関心のある方はもちろん、より広く健康保険制度や医療サービスの在り方に興味がある方にとっても、非常に有益な内容となっています。

それでは、Cairns氏の講演内容を詳しく見ていきましょう。

  1. 費用対効果分析活用の3つの課題

Cairns氏は、医療政策決定に費用対効果のエビデンスを活用する際の3つの主要な課題を以下のように挙げています:

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